区立保育園 / 栄養士
子どもの命を守る、生きる力を育む
保育園では、子どもの命を守ることが1番大切です。 食物アレルギー児、乳幼児にとって危険が及ぶことに繋がりやすい食事。 口に入れるものなので、特に安全面には注視して仕事をしていました。 調理場で問題があった際に、原因を突き止め、改善策を考え、次に繋げることを高速化して考える癖がつきました。また、保育士と調理との架け橋として、会議でのまとめ役や調理への指導・管理を行いました。 また、私が特に力を入れていたことは、子どもたちへの食育です。 食育、すなわち生きる力を育むことを幼児のうちから行った方がいいと思っていたからです。現在、食経験の幅が狭まっている子どもが多くおり、魚が切り身の状態で泳いていると思っている子もいる状況です。私は食について知ることは、人生を豊かにすることだと考えています。 食べることは生きてから死ぬまで切り離せないものです。幼少期から食経験を増やすことは、今後の子どもたちにとっても人生を豊かにし、生きる力をつけてくれると思っています。そのため、少しでも保育園で体験をして知って欲しいと考えていました。 乳児には、その日給食に出てくる果物や野菜に触れる体験を毎朝行いました。 食品を持ったときに手から感じるざらざらした感触や匂い、カットされる前の食品を見ることで形や重さ、大きさなどが分かります。 また、幼児には食べ物クイズや紙芝居、栄養についてのお話、簡単な調理体験などを行いました。魚や野菜がどこから来て、どんな人や場所に運ばれて、目の前の給食にまでなるのか。少しでも食との距離を縮めたく、旬の野菜や果物を使ってお話をしたり、実際に触れる体験を増やしていきました。 何も知らないより、その日の食材に触れることで子どもの「食べてみよう」という気持ちは明らかに向上します。苦手だったけれど、周りのみんなが美味しそうに食べていたから食べられた子もたくさんいました。 これらの経験は、私にとって事前準備をすることで段取りよく物事を進めることが出来ると学ぶことになりました。 初めのうちは失敗していましたが、段々と事前準備の大切さを学びました。 伝える相手は子どもたちなので、どのように説明したら分かりやすいのか、伝える言葉や媒体、タイミング、物や人の配置などを事前に考えてまとめておき、子どもたちが楽しんで学べる食体験を作ることが出来ました。