独居高齢者が集う マッチング夕食会
独居高齢者の食事-それは買った総菜をパックのまま割りばしで食す。 自分専用のご飯茶碗も箸もない、会話を楽しむ相手もいない、 興味のないテレビを聞き流しながら黙々と食す。 一方で、料理が大好きなのに食べてくれる相手がいない。 おいしいね、と言える相手もいない。 あの人が生きていたら…と、涙を流しひとりで食す。 どちらも、応急仮設住宅での食事の様子。 だからマッチングしたんです。わたしたちは「地域の接着剤」なのですから。 手作りのあたたかなご飯を食べたい人と、誰かのために料理を作りたい人。 このマッチング夕食会が、どんな効果をもたらしたか想像がつきますか? お風呂にも入らなかった方は、夕食会の日にはきれいに身なりを整えるようになり、 お客様だと言わんばかりだった方は、集う人々の好きな食べ物を差し入れするようなり、 むせてばかりいた方は、笑うようになったことで食事中に咳き込むこともなくなる。 そして、ここに集まる方々は「自分の役割」を取り戻すように。 お箸を並べる人、 テーブルをふく人、 お茶をいれる人。 どんな小さなことでも役割があることが重要で、 互いの好物や体調を知る。 それこそ「家族の機能」なのです。