なにをやっているのか
上勝町唯一のごみの回収場所「日々ヶ谷ごみステーション」。何がどこにもって行かれて、何に変わるか。それにいくらかかるかまで記載されている。
おばあちゃんたちが作るリメイク商品を販売する「くるくる工房」。鯉のぼりが生まれ変わったクマのぬいぐるみたち。
私たち、特定非営利活動法人ゼロ・ウェイストアカデミーは、「WASTE=ごみ・無駄・浪費」が無い状態=「ゼロ・ウェイスト/ Zero Waste」を目指し様々な取り組みを行うことで、持続可能な社会の形成に貢献します。
徳島県にある四国で一番小さな町、「上勝町(かみかつちょう)」。
人口1,700人以下のこの町は、2003年に日本で初めて「ゼロ・ウェイスト宣言」を行いました。
「地球を汚さない人づくり」
「2020年を目標に、焼却・埋め立て処分をなくす最善の努力をする」
「地球環境をよくするため世界中に多くの仲間をつくる」
ことを掲げ、世界に誇るべき様々な取り組みを行ってきました。
①ごみの34分別(リサイクル/Recycle)
町民が自ら、町内に1カ所の「ごみステーション」にごみを持ち込み、「34分別」を行うことで
最大限「リサイクル(再資源化)」できるものを増やすこと。
これにより、2014年度、上勝町はごみステーションに集められたごみのリサイクル率77%を達成しました。
②ものは最大限「くるくる」(リユース/Re-use)
町民なら誰でも「もう自分はいらない」けど、「誰かはまだ使えるかもしれない」モノを持ち込むことができる「くるくるショップ」。欲しいモノがあったら、「誰でも」「無料で」持ち帰ることができます。2014年度の「持ち込み量」は年間約10トン、「持ち帰り量」は年間約9トン。90%以上が「くるくる」つまり人の間を循環して「リユース(再利用)」され、ごみにならずに済みました。
③地元のおばあちゃんがつくる、世界に一つのリメイク商品(リユース/Re-use)
「もういらない・着ない・使わない」と捨てられる、古い着物や布地、鯉のぼりなどの旗生地がたくさんあります。
これらを地元のおばあちゃんたちが再利用し、新しい商品を生み出しています。
「鯉のぼりのレインコート」
「帯のクラッチバック」
「思い出の鯉のぼりでクマのぬいぐるみ」
などなど・・!
④そもそも「ごみ」を生み出さないために(リデュース/Reduce)
お祭りで使う「使い捨て食器」の代わりに、何度も使える「リユース食器」の導入。
容器包装の少ない販売方法の推進、レジ袋ゼロの日キャンペーンの導入など。
⑤地球を汚さない人づくり、活動を広げる仲間づくり(Empowerment, Education, Cooperation)
自治体間の連携、政策提言、企業との商品開発、他団体との連携などの支援・コーディネート
私たち、ゼロ・ウェイストアカデミーは
これらの活動を上勝町役場、そして世界中の「ゼロ・ウェイスト」を目指す仲間とともに計画・コーディネート・実行しています。
なぜやるのか
地球のこと、未来のこと、今私たちが暮らす中で使う「モノ」のこと、子どもたちと考えたい。
自然と共に、知恵を活かして暮らしてきた。この暮らしを繋げたい。写真は「日本の棚田百選」にも選ばれた、上勝町の樫原の棚田。
「持続可能な社会」
よく聞く言葉ですが、具体的にどんな状態でしょうか?
私たちは、
すべてのものが「無駄にされず」
地球・自然から得たものがきちんと「過不足なく循環」
している状態だと考えています。
自分の暮らしを振り返ったとき、
一番「無駄にして」いるものはなんでしょうか?
日々、私たちが何気なく捨てている「ごみ」。
「ごみ」だと捨てた人が思った時点でそれはもう
「無駄」とされてしまったものなのです。
でも、その「ごみ」が本当はまだまだ使えるものだったら?
きちんと活用できる人に渡せば、資源に生まれ変われるものだったら?
それは「無駄」ではなく、きちんと活かせる人・場所に繋げることができれば、「使えるもの」「資源」として生き続けるのです。
地球上では毎日、1人あたり1.95キログラムのごみを排出していると言われています。
日本国内でも年間のごみ排出量は4,500万トンにも及び、
これは奈良の大仏の約18万体分。
この約9割が焼却処分、あるいは埋め立て処分されています。
つまり、すべて「無駄」なまま処分されてしまっているということ。
私たちは、そんな社会や私たちの暮らしの中で「ごみ」とされているものたちを、
■ 意識・考え方を変える
■ 行動を変える
■ 仕組みを変える
ことによって「無駄ではなくす」ことに取り組んでいます。
どうやっているのか
私たちが働いている様子、
上勝町のゼロ・ウェイストの取り組みが
アメリカのメディア、Discovery Digitalによってショートドキュメンタリーとしてオンライン配信されています。
ぜひご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=eym10GGidQU