12月03日に発表された本
世界の技術を支配する ベル研究所の興亡−ジョン・ガートナー, 土方 奈美
世界の技術を支配する ベル研究所の興亡
ベル研究所を知ってますか?
トランジスタ、情報理論と言った現代社会を支える技術を次々に発表した研究所で、ベル研究所出身者のノーベル賞受賞者は13人にも及びます。
本書ではベル研究所がどのように高い成果を出したのか?という問いについて答えます。
一言で言うと「潤沢な資金」と「研究者の交流を増やす仕組み」があったからだと論じます。
ベル研究所がこのように研究分野、特に基礎研究で成果を残せたのはその運営体制による。ベル研究所は米国の独占企業であるAT&Tの企業内研究所として存在した。当時AT&Tは通信業界にて独占を築いていたため、潤沢な資金を有していた。ベル研究所はその資金を用いることができたため、研究費、利益を出すことへの圧力のどちらにも悩む必要は無かった。結果、潤沢な資金をもって基礎研究に臨むことが出来たのである。
先日のSendee book clubでも取り上げた「ピクサー流 創造するちから」でも、ざっくばらんな議論とクリエイターの交流を促進する社内文化が、高いレベルの作品を生み出す原動力になっているという話がありましたが、クリエイティブの世界だけではなく、研究においても同じことがいえるというのは驚きですね。
また、天才たちが働きやすい環境を整えた組織づくりもイノベーションを起こす秘訣になったと論じます。
ベル研究所の偉大な歴史を形作ったのは、ショックレー、シャノン数多の天才たちである。ベル研究所が優れていた点は、そのような天才たちを働かせられる組織作りをしていたからに他ならない。
彼らは高い研究力を持ち、成果を上げた研究者ですが会社という組織においては必ずしもリーダーとしての適正は持ち合わせていなかったようです。
そんな時にベル研は研究者としての成果を評価しつつ、組織においては別のリーダーを起用することで組織運営と研究力を両立しました。
次回の発表図書はビル・ゲイツが推薦したことでも有名な「生命、エネルギー、進化」です。
その他、私も本は未定ですがプレゼンターとして参加したいと思います。
次回のSBCは12月10日(土曜、10時から1時間程度)です。
下記Connpassより誰でも参加申し込み可能です!
土曜の午前中から代官山で読書をもっと楽しみたい方。
おいしいコーヒーを飲みながら好きな本について発表したい。意見交換したいという方。
ぜひ参加しにきてください!