1
/
5

なにをやっているのか

YWCA(ワイ・ダブリュ・シー・エー/Young Women's Christian Association)は、世界120あまりの国の、約2,500万人の女性たちが言語や文化の壁を越えて力を合わせ、女性や少女の人権・健康、またすべての命が育まれる地球環境を守るために活動する国際NGOです。誰もが大切にされ、互いを愛しみ合って生きる平和な世界を実現するために、YWCAは、さまざまな話し合いの場に女性たちが対等な立場で参加し、リードすることを大切に考えています。そのために、若い女性のリーダーシップトレーニングに力を入れています。 YWCAの活動は1855年英国で、二人のクリスチャンの女性たちによって始まりました。日本では1905年に日本YWCAを設立し、現在、全国24の地域と36の中学・高等学校を拠点として活動しています。 各地域のYWCAでは、さまざまな人たちが出会うコミュニティ・カフェや、社会の課題をともに考える講演会の開催、自己開発のための多種多様なクラスを開設。また、地域に住む外国籍の人たちの相談活動や、若いお母さんたちの子育て支援など、地域に住む人々のニーズに応えた活動を女性のボランティアたちが中心となって企画・実施しています。 学校にあるYWCAでは、毎年さまざまな学校の生徒がプログラムを実施し、フィールドワークに出かけます。そこでは人との出会い、現場の課題との出会いを通して、互いを愛しみ合って生きる社会の実現のために「わたし」にできることを考える機会をもっています。

なぜやるのか

世界の人口の51%は女性。しかし、家庭、学校、地域、国、そして国際機関で大切なことを決めるとき、そこに女性の存在はまだまだ少ない状況です。物事を決めるとき、それが一人ひとりの尊厳を守り、地球環境を破壊することなく、将来の世代に継続的に幸せをもたらすものであるかどうか見極める力が必要。社会の中で弱い立場におかれた女性たちは、豊かな感受性をもって何が問題であるか捉え、立場を超えて繋がるしなやかさをもっているのではないでしょうか。 51%の女性たちにとっても、幸せな決定へのプロセスが実現するとき、この世界はきっと素敵なものになるとYWCAは考えます。一人ひとりの女性たちが、自分でも気づかないタレントを発見し、それを用いられる体験をすることでエンパワーされ、社会を変える力を磨いていく。職員としてそのような人たちと体験を共にできる喜びがYWCAにはあります。

どうやっているのか

すべての企画は、人と課題との出会いから始まります。日常の生活で出会う機会がなかった分野の人たちと出会うこと、知らなかった課題に出会い、自分にとっても身近な課題であることを知ること、すべての体験をYWCAは大切に考えています。プログラムは、やってみたいこと、行ってみたいところ、触れてみたいものは何か、互いの思いをわかち合う場面からスタートします。メンバーは若者だけの時もありますが、多世代・多文化…多様な人たちの集団であることを重視します。 自分と違う考えに耳を傾けることから始め、プログラムの企画・実施を通して、共通のビジョンを見つけ出す。これらの過程のすべてが、女性たちのリーダーシップトレーニングです。 国際NGOであるYWCAは、国連の諮問機関である世界YWCAとつながっています。毎年3月にニューヨークで開催される国連の女性の地位委員会(CSW)に人を派遣し、日本の諸団体とともにNGOとして日本における女性たちの状況を日本政府へインプットすることも大切な働きです。 現場の女性たちとつながること、決議につながる諸機関につながること、どちらも決議に関わっていくYWCAの働きです。