以前、「プラント業界のからくり」と言う名の「プラント業界の闇」をお話しました。
今回は内容を派生させ、プラント業界の裏事情をもう一つお話しします。結論からお伝えすると、「下請け企業の劣悪環境」です。
プラント業界では人手が足らないので、二次〜五次受け企業の社員や従業員を、一次受けの企業に派遣します。二次受けまでは健全な企業ですが、問題は三次受けの企業から闇が深いのです。
「三次受け企業」だとどうしても長くなるので、以下からは次にように呼びますね。
・A社:一次受け(ホワイト・健全)
・B社:二次受け(ホワイト・健全)
・C社:三次受け(闇)
・D社:四次受け(闇)
・E社:五次受け(闇)
前提として、プラント業界のからくりの話
今回の内容と大きくリンクするので、ここでもう一度、「プラント業界のからくり」を復習しましょう。基本的なプラント企業の仕組みを図にしてみました。
1. A社がお客さまから受注をした
2. 人手が足りないので、B社へ人員を募集する
3. B社(協力会社)でも人手が足りないので、C社へ人員を募集する
4. C社(協力会社)でも人手が足りないので、D社へ人員を募集する
A社やB社で人材を確保しきれないので、C社やD社から人員を集めています。プラント業界は、常に人手が足りていません。
簡単にそれぞれの企業の説明をしますね。
A社は上場企業が多く取引は健全でホワイト。B社も中小企業が多いですが、実績もあり健全です。
一方で、問題の発端になるのはC・D・E社。つまり、三次・四次・五次受け企業は、取引がグレーやブラックと言っても過言ではありません。
なぜ、グレーなのか。その理由を、次でお伝えいたします。
そもそも社長がプラント業界を知らない
根本的な原因は、「社長がプラント業界を知らない」からだと私は思っています。
まずは、C社以降の会社の状況をお伝えしますね。私たちと同じ業界で共にしているとは、思えないくらいの劣悪さです。
・人さえ集めれれば良しと考えている
・法人化していない会社も多数
・社会保険に加入していない企業も多数
・賃金はアルバイトに毛が生えた程度
・肝心の社長が仕事を把握していない
C社やD社はの多くは派遣会社。プラント業界が人手不足ということは、百も承知です。
そのため、言い方が悪くなりますが「人を送ってあげればいいんでしょ?」と、機械的に従業員を派遣しています。
「人手が足りない」ことは知っていますが、「誰を派遣してどんな仕事をしているのか」までは把握していないのです。
このままでは、業界全体の覇気が下がってしまいます。大きな懸念点です。
不幸中の幸いでしょうか。C社やD社の従業員の中でも、まじめに仕事をする「ダイアモンドの原石」のような方々もいらっしゃいます。
実は柳井工業では、彼らを育てたいと思い、オファーしたこともあったのですが、そうすると相手先の社長が牙を向いてきました。「引き抜くなんて、卑怯だ」と言われたり、時には賠償請求をしてくる始末。
今思えばこちら側の非もありましたが、このままでは業界が変わらず、どうしようもありません。
今後の具体的な解決策とは
柳井工業は、主に以下の解決策を考えており、実施しています。
1. A社とB社が強くなる(人材が十分に確保できる)
2. C社以降の社長にプラント業界に興味を持ってもらう
まず、ことの発端は「人材不足」。なので、プラント業界に興味を持ってくれる人材を増やすことが大切です。
提案の1つとして、フリーランスでのキャリアアップを過去記事にてお伝えしました。よかったら、合わせてご覧ください。
また、C社以降の社長さんにプラント業界を知ってもらうことが、何よりも大切です。仕事内容がどれだけ専門的で、むずかしいか。
内情を知ってもらえれば、従業員の待遇もよくなりますし、給与もぐっとあがるはずです。どうしても今は、メンバーへの思いやりを感じられません。
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プラント業界の仕組みは、長年変わっておりません。年配の職人さんが引退していく中、若年層の人口もどんどん減っています。
私たちも、何とか現状を変えていきたいものです。まずは私なりに考えをまとめ、こうして発信をしていきます。
有限会社柳井工業では一緒に働く仲間を募集しています