こんにちは。弊社労働環境をフル活用してワークライフバランスを実現しているリア充高橋です。
普段は事業戦略推進担当として事業の拡張と組織作りに取り組むかたわら、『3Kはもう古い』をモットーに採用も担当しております。※もちろん4Kでも7Kでもありません
今回は昨年のGWに有給休暇を取得して自転車で日本列島を縦断したお話、全5回(多分)の3回目。移動距離3000kmの行程ですのでとにかく書くのが大変。今年のGWまでには完結させたいと思いますので、気長にお付き合い頂けると幸いです。
前回記事:GWに有給休暇5日使って、自転車で日本列島縦断してきました(2)
Day4 5月2日(月)総移動距離1001.1km
- 通過チェック 道の駅みつ
Day4の予定走行距離は227㎞、総移動距離が1000kmを越えました。
この旅でも最も長かったのがこのDay4。予定では19:00に宿泊ポイントの豊岡市に到着するはずでしたが、実際に着いたのは翌朝の11:00でした(もはやDay5)。
7:00AM、倉敷のホテルを出発。倉敷美観地区を抜けて岡山市→瀬戸内市→備前市から海沿いを抜け、まずは姫路を目指します。姫路からは勾配1~2%のだらだらと続く峠を越えてに日本海側に渡る予定。
この日は朝からなんとなく体がだるくてペダルが重い。さすがに4日目ともなれば疲労も溜まってくるさと諦め、とにかく無心でペダルを漕ぎました。
備前市を抜けるにしても赤穂市を抜けるにしても、街から街を抜けるには峠、短いけど峠。通過チェックの「道の駅みつ」までの道のりも、海岸線のアップダウンというよりは峠と言った感じでした。気温的には暑くもなく寒くもない18℃前後だったと記憶していますが、登りでも疲労のせいで出力が上がらないので夏物のジャージでは若干肌寒く感じました。元気なときは踏んで行けるのですぐ暑くなるのですが。
それでも道の駅みつでまではまだメンタルに余裕もあり、ゆっくりだけど進めばいいやくらいな気持ち。
お昼の蒸し牡蠣に舌鼓を打ったりして、それなりに楽しんでいました。
そして、姫路市内。お分かりいただけるだろうか?この曇天の空。姫路城、別名白鷺城の白壁が美しく浮かび上がるほど背景グレーですね。降るでしょ、雨、絶対。天気予報を見なくても間違いない。ここから約100㎞の山越えを控えている自分には恐怖でしかありませんでした。
15:02の様子。気温も下がってまいりまして、11℃。
冬かな?
暫くコンビニで雨宿りするも止むはずもなく、レインジェル(水をはじき発熱を促すジェル)を全身に塗り、レインジャケットを着て突破するしかないと決意。100㎞5時間計算で豊岡には20:00には着くはずだし、予定より1時間くらいのビハンドなら誤差。自分を鼓舞して25㎞程進みましたが、だらだらと緩い勾配が続いてペースが上がらない上に低体温で気力が持たず…
17:00 、途中のクリーニング店の軒先で再び雨宿り。連日の疲れで睡魔まで襲ってきて非常にまずい状態。気温は5℃、ここから本格的な山なのでピーク付近で0~2℃の雨が予想されます。
これはアレです。
無理です。
そう、人間諦めが肝心。無理なものは無理なのです。お客さんに約束した仕事は無理とは言えないけど、自分が好きでやってる趣味は無理って言えるのがいいですね。生きるか死ぬかくらいの状況ですけども。
夜中の1時には雨が止む予報。
周辺に宿を探して雨が止むまで仮眠して再出発すれば翌朝5:00くらいには豊岡に到着、宿泊予定のホテルで着替えて7:00にスタートすればオンスケに戻るという計算の元、ホテルを検索してみました。
ホテルないじゃん。
いや、ホテルの予約サイト上にないだけで、Google Map上にはありました。旅館だか民宿だかわかりませんが、とりあえず3件ほど見つけたので、電話をしてみたところ、
「もしもしー?え?何?何?聞こえない!(ガチャン☆)」※おばあちゃんの声
「今ね、お夕飯の準備で忙しいから!(ガチャン☆)」※違う宿のおばあちゃんの声
「もう今日は部屋ないからねー!ごめんねー(ガチャン☆)」※また別の宿のおばあちゃんの声
現役で働くおばあちゃん達凄いな。80は超えてるに違いない。
少し引き返した福崎駅前で見つけたドラッグストアで暖をとりながら宿を探していましたが、このお断り3連チャンにはちょっぴり自暴自棄になりかけたので、いまや関東では幻となったカールを買って心を落ち着かせました。そしてこれ以上時間を消費しても仕方がないので、市内の宿を探すべく、雨の中姫路へと引き返しました。
途中、後から来た参加者がこちらに謎の敬礼をしながら峠に突入していきます(いや、敬礼しちゃう気持ちはわかります)。
「死ぬなよ...」心の中でつぶやきながら25㎞程引き返し、時刻は18:40。
日没で気持ちも沈んできたころに一筋の光明が!
なんと、ロングライダーの強い味方、ワークマンを発見したのです。ここで防寒具を買い足せます!!(ガッツポーズ)
さらに500m程先にネットカフェを発見。姫路の中心地まで戻って宿を探さなくても仮眠できます!!(ガッツポーズ・再)
19:00、親切な店長さんが自転車をバックルームに入れてくださり、無事ネットカフェにピットイン。
ドリンクバーのスープと無料のカレーを頂き、濡れた衣服を乾かしつつ仮眠を取りました。
Day5 5月3日(火)総移動距離1224.3km
5月3日(火)深夜1:00、予報通り雨が止んだため、再度食事をしてから2:00にリスタートしました。
20:00頃から5時間仮眠したので、出だしは好調。これはイケる!!!!!
イケませんでした。寧ろここからが本物の H E L L
民家も途切れ、本格的な峠に差し掛かったころ、再び睡魔。
蛇行運転は危険なので、路肩に停車してハンドルにおでこを押し付けて休憩するも、停まると途端に寒さが襲ってきます。エマージェンシーシート(アルミの防寒シート。災害用のアレです)を体に巻き付けてからジャケットを着こんでも、勾配1~2%で時速12kmしか出ない弱々しいペダリングでは全く温まらず、震えが止まりません。
出走前に体脂肪率11%まで体重を絞ってPWR(※)を上げたせいで異常に寒さ耐性が低くなっていたのもよくなかった。防寒対策はもっと考えるべきでした。
※PWR:Power Weight Ratio
体重1㎏あたりのパワー値。高いほど荷物である自分自身を運ぶのが楽になります。
https://www.cyclowired.jp/microsite/node/263737
再出発から2時間半、4:30の気温は2.6℃。
川の音が聞こえてきましたが、川沿いは更に気温が低くなります。雨後とはいえ、明け方の放射冷却で0℃は不可避。
眠くても死なないけど、凍えては死ぬかも。停まらず漕がなければ...
こういう世界線で物事を判断をしたのは初めてなので、貴重な経験でしたが、二度としたくないです。
その後も通行止めで迂回するなど、メンタル崩壊寸前まで追い込まれましたが何とか正気を保ってネットカフェから約60㎞先のコンビニに到着。
ここまでコンビニ1件もなかった…辛かった…店内あったかい(放心)
時刻は6:15、出発から4時間で60㎞。
登り基調をよたよた登ってきた割には平均時速15㎞で進めたのは良かった。店内のイートインが8:00からとなっていましたが、暖かいところで休憩したかったので、渾身の可哀そうな表情を作って店員さんに聞いてみました。
髙橋「イートイン使っちゃだめですか?」
店員さん「ダメだよー。決まりだからね」
軽快かつドライな返答に一瞬人を恨みそうになりましたが、無理を言っているのは自分なので我慢。
エマージェンシーシート2枚目を下半身にも投入して外で食事をし、出発。
峠を越えて下りに入り、体温が奪われるだけ奪われていましたが、そろそろ日が昇って暖かくなってくる頃、それだけを頼りに進みます。
そして8㎞ほど進み、神プレイス、
コインランドリー発見。
コインランドリー見て「HEAVEN...」と思う人間が世の中にどれだけいるかは分かりませんが、少なくともこの時の私には天国に見えました。なぜなら、
洗濯して乾燥機をかけた衣類は超絶温かいからです。
しかもこのコインランドリーには無料のマッサージチェアが。
マッサージしながら眠れる上に温かい衣類が着れるだと!?銀座の5つ星ホテルにも匹敵するVIP待遇。
ここは帝国ホテルか!!??
※コインランドリー和田山店です
マッサージチェアに横になると即気絶。眠るというよりは気絶に近いものがありましたが、洗濯乾燥中はお客さんなので、遠慮なく寝かせ…マッサージさせて頂きました。
目が覚めてからは隣のコンビニに行き、温かいスープを補給。内臓も温めます。
時刻は10:00、ここまで68㎞、豊岡まであと32㎞。
体が温まり、気温も上昇、日光で覚醒してきたので、コンディションUP!踏めるようになってきました。ヤー!帝国ホテルパワー!!
程なくして、後ろから同時開催の日本列島縦断ハーフ1350km(南)の参加者トレイン(数名のグループ)がやってきました。とても乗れる脚はないと判断して、軽く挨拶を交わしてパスして頂きましたが、それほど車間が開きません。もしかすると乗れるかもしれない。
トレインの2番手以降に入ると前走者が風よけとなるため、空気抵抗が減り、力半分で走れるようになります。このトレイン、乗るしかない。
「豊岡まで乗せてください!!!」
トレインの時速は約32㎞。豊岡まではほぼ信号ストップのない下り基調だったため、1時間程度で豊岡市内に到着しました。ありがとうございますありがとうございますありがとうございます。
11:00、宿泊予定だった豊岡駅近くのホテルに寄って、着替え。不要な荷物を送り返して貰い、再スタートを切ります。
本来なら朝7:00には出発しているはずだったため、4時間のビハインド。スピードアップして巻き返すことは不可能なので、4時間プラスして走ればオンスケに戻せます。宿を取っている敦賀まで223㎞、24:00までに到着すればそれなりに睡眠時間も確保できそう。
ノルマは通過チェック2つ。
- 通過チェック JR城崎温泉駅 豊岡から10km
- 通過チェック 伊根湾めぐりのりば(クジラ看板) 城崎温泉駅から83.1km
豊岡からは自分でも驚くほど回復してペースアップ。
体温が上がると活動できるって爬虫類みたいだと思いながら通過チェックの城崎温泉駅に到着。
駅前に足湯があったので入ろうかと思いましたが、混んでいたのと、同時出走の女性ライダー(超レアキャラ)に遭遇してご挨拶して時間を使ってしまったので、諦めて出発。
乗せて頂いたトレインはバラバラになっていましたが、ペースアップしたおかげで全員に追いついて回収、通過チェックの伊勢湾めぐり遊覧船乗り場のクジラ看板から再びトレインを編成しました。昨日の地獄からは考えらないくらい楽しいグループライド。丹後半島のアップダウンはなかなかエグイものがありましたが、人と一緒だったので無難にこなせた気がします。天橋立付近ではみんなで焼き鯖寿司を頂いたり。とても楽しい。
天橋立のある京都府宮津市から敦賀まで残り120㎞。鯖寿司を食べていたころには何気に17:00を回っていたので、時速20㎞で走っても6時間。休憩込みで24時にはホテルに到着できる見込みです。
到着できませんでしたけど。
舞鶴を越えて福井県の高浜市に入るあたりからトレインが崩れだしました。日本縦断ハーフのメンバーが疲労のピークで時折千切れていなくなります。日没後は景色が見えず気晴らしが出来ないので、メンタルもかなりきつく、千切れると恐ろしくペースダウンします。これはいけない。
自分も姫路を深夜2:00に出発してから例のコインランドリーで仮眠したきり、ずっと走っているので早く走りきらないとまた睡魔に襲われそうでした。
ここで先行するか?(つまり千切って置いていくか?)
できません。豊岡までトレインに乗せてくれた恩があります。あの時私も必死だった。
ここは漢気発動でゆっくり無理のないペースで引きます。
そして日付をまたいだ5月4日 深夜2:00、ようやく敦賀のホテルに到着しました。
つまり、Day5は24時間走り続けたことになります。
ホテルでは雨でガサガサになったチェーンと車体を拭き上げ、自分も湯船につかりました。就寝は午前4:00、3時間ほど寝たらまた出発です。
Day6 5月4日(水)総移動距離1478.8km
- 通過チェック LAWSON越前海岸店
- PC2 LAWSON富山北新町店
睡眠の質が良かったのか、3時間しか寝ていない割に元気。越前海岸では待望の追い風40㎞/h走行で快調に石川県加賀市にIN。ここまで約100㎞。当日の走行予定距離は富山県入善市まで255㎞。
朝8:00に出発して100㎞を休憩込みで4時間半でこなしているのは非常に良いペース。
8号線を北上して金沢を目指しましたが、海と山、両方の景色が素晴らしい。
17:00 富山県IN。宿のある入善市まで残り100㎞。
金沢市でのどぐろを食べようと目論んでいましたが、GWなのでどこも混んでいる上、この日はかなり気温が高く、踏めるようになったせいで体温も高かったので、脱水が進んで食欲不振。昨日の山中の極寒が嘘のようです。過酷だなー
脱水が進んだせいか富山城あたりから急激な疲労感。ここから入善まで50㎞は真っ暗な国道を進むので睡魔にも襲われやすくなります。気が重いけど一気に行くしかない。22:00には宿に着きたい。
21:00過ぎ、残り15㎞を切ってからは人通りも車通りもない真っ暗な道でひたすら睡魔に耐え、何とか時間通りに宿に到着。
やったー!!!!!!!!
と、思ったのも束の間、宿泊予定の宿は老夫婦が経営する現金払いのみの宿。
途中で補給し過ぎて手持ちの現金が足りない…
髙橋「コンビニでおろしてきますね。この辺にセブンイレブンはありますか?」
宿のご主人「8km先にあるよ」
8キロ先?
念のため、口座振り込みで支払いができないか確認してみましたが、答えはNO。ニコニコ現金払いのみ。
往復16㎞で約1時間のタイムロスでしたが、頑張りました。セブン銀行ATMでお金下して帰ってきました。
まあ60㎞先とか言われなくてよかったし、コンビニでお金が下せる時代でよかったです。でないと野宿だったかも。
ようやくチェックインした部屋はたばこの臭いが染みついており、刺激で目まで痛くなる始末。
野宿の方がマシだったかもと思いつつ、とにかくお風呂に入れるから!とか、ベッドあるから!とか、普段の生活水準からはかけ離れた思考回路を回して気持ちを誤魔化し、深夜1:00、眠りにつきました。
縦断中、この3日間が一番ハードで最早ワークライフバランスというよりライフが危ないという感じでしたが、なんとか生き延びました。しかしダメージが絶大。本気で絶大。果たしてこの後ダメージから回復できるのでしょうか?そして高橋は遅滞なくワークに戻れるのでしょうか!?
こんな私と一緒に働いてくれる弊社のメンバー大募集!!! (Day7につづく)
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