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新卒2年目に聞いた! 在宅医療PA(診療アシスタント)の仕事とは?

こんにちは!
TEAM BLUE広報担当の由井です

皆さんは「在宅医療PA(physician assistant)」という職業を知っていますか?

主な業務内容は…
①医師のサポート
②他事業所の方との連携業務
③意思決定支援・環境調整

在宅医療PA(=診療アシスタント)は、アメリカやイギリスにあるPAを日本に持ちこみ、未来の在宅医療を支えるアシスタントとして、やまと診療所独自で育成しているスタッフになります。

海外におけるPAと大きく異なるのは、医療資格がなくても医師のサポートができる点、
そして、人とのコミュニケーションを最も大切にする点でしょうか。

当院の在宅医療PAについては、各TV&MEDIAで多く取り上げられていますが、仕事の全容を掴めている方はまだ少数かと思います。

そんな未知の仕事ですが、
実は……1番新卒入職が多い部署でもあります!

前回、こちらで紹介した笹川さんや岩田さんも、新卒で在宅医療の世界に飛び込んできました。

【記事一覧】
・資格&経験ゼロでも、プロの医療人へ!やまと診療所オリジナルポジション「在宅医療PA」の1日に密着
・“あえて” 資格がいらない仕事を選んだ!?新卒で医療ベンチャーに飛び込んだワケ

今回は、新卒2年目でまだまだフレッシュな気持ちを持っている小島さんに
「在宅医療PAの仕事」についてインタビューしてみました!

■profile
大学では、教養学部教養学科でヨーロッパ・アメリカ研究を専攻した。子供の頃から本が大好き。在学時の介護研修にて「人と話すのはその人の物語を知ることにつながるんだ、もっとたくさんの人と話してみたい」と考え、2020年4月に当院へ新卒入社。在宅医療PAとして勤務中。趣味は読書、ゲーム、サイクリング。

―やまと診療所に興味を持ったきっかけを教えてください。

きっかけは、3月の教職課程の一環で受けた介護研修です。

老人ホームに訪問したのですが、おじいちゃんやおばあちゃんと話すのが面白くて、
「あ、人と話すのって好きかも」と思ったのがきっかけでした。

介護研修からしばらくして、学生向けの求人サイトを見た時に、今まで興味がなかったはずの介護・医療が気になりました。

その際、「資格不要の医療職」と書いてあるやまと診療所を見つけて、実際に説明会に行ってみて、「在宅医療PAって、人の話を聴ける仕事なんだ」という印象を抱きました。

私は本を読むのが好きなので、「色んな人の話が聴けるって楽しそうだな」と思ったのが、ここに入職した決め手です。


―やまと診療所にきたばかりの頃は、どんな仕事をされてましたか?

最初は、研修期間として内勤業務をひたすらこなしていました。

研修で覚えた内容としては、

・診療バッグの準備
(訪問診療に欠かせない医療器具が詰まったバッグの準備を行っています)

・患者さんが自宅で使用する薬品・物品の準備
(やまと診療所では、約1200名(2022年3月時点)の患者さんを見ています。患者さんの状態やライフスタイルに合わせて薬品や物品を発注・管理し、ご自宅までお届けしています)

・処置の準備、介助方法の講習
(点滴などの穿刺・薬品の確認は医師が行います。PAは穿刺までのセッティングなど医療行為にあたらない部分を担います)

・次回訪問日の確認、カルテのフォーマット作成
(翌日以降に訪問する患者さんの訪問スケジュールが合っているか、確認します。普段から服用している薬品、次回訪問日をあらかじめ記入するなど、カルテの雛形を作っています)

・電話対応
(患者さんから、ご家族から、薬局や訪問看護事業所といった他事業所の方から、多くの相談・情報共有がきます。聞き取った内容をカルテに記載し、担当に繋げるところまでを行います)

およそ6ヵ月かけて、上記内容を学びます。

研修中にテストが数回あり、診療バッグの作成から請求や保険証に関するものや、事故なく安心して運転できるかのテストもありました。

板橋区は道路が狭くて複雑なので、運転が苦手な私にとってはかなりの難関でしたが、何回も先輩に練習に付き合っていただいて、ようやく合格できました。

運転テストに合格しないと、次のステップに進まない、そもそも訪問診療に出られないので、当時はひやひやしましたね……。


―在宅医療PAとして訪問診療に出始めた頃、何をしていましたか?

訪問診療に出るようになった頃、すぐにチーム配属があり、私は渋谷区に住む患者さんをみてまわる上原チームに配属されました。

始めの頃は、何をすればいいのか、と戸惑いもありました。
夏ぐらいになってから、業務にも慣れ、少しずつでしたが、先生の言っている用語が理解でき、患者さんとのお話を楽しめるようになっていきました。
できることが増えていくのは、手応えがあって嬉しかったです。

チーム配属からしばらくして、人事異動がありました。
上原チームの先輩がまるっきり変わって、それまでの上原チームの雰囲気もガラリと変わった気がします。
新しい先輩たちに、「いま何ができる?」と確認された時は、焦りました。
今までの私は、日に日に増える新規患者さんに手一杯で、「よし! 今日も無事に終わった!」と考えていたので……。

たまに板橋区にある本拠地に行った時は、同期が自分の知らない仕事をこなしていて、凄いなって感心してました。

先輩が変わってから、じっくり・ゆっくりだった教育のスピードが上がって、どんどん仕事を覚えていかないと置いていかれてしまう程で、とにかく追いつくのに必死でした。


―入職直後の自分と今の自分を比較した時、何か変わった所はありますか?

最初の頃は患者さんよりも、自分に手一杯でした。
ですが、今では患者さんが何考えているのか、こういう意味なのかな、と考えながら、話を聴くようになりました。

これは、他事業所の方に電話する時に教えて貰ったのですが、
上原チームの先輩が「相手が何を考えているのかイメージして話を聴いた方がいいよ」って言っていて、その考えに納得した時から、話を聴く意識が身についたのかな、と。

患者さんがどうしたいか、患者さんの話をどう聴くかによって、自分のとる行動も変わってくるな、と意識するようになってから、聴く姿勢が変わった気がします。


―印象に残っている患者さんは居ますか?

たくさん居ますが、中でもPAの仕事ってこういうことなのかなって思った人が居て。
昨年の8月に診た、笑顔が素敵な患者さんです。

その患者さんは、凄く狭い長屋に住んでいて、部屋にはベッドと机があるのみで、エアコンもありませんでした。
こんな家が日本にあるんだって、衝撃を受けたほどです。

夏場は本当に暑いし、患者さん本人も熱中症で搬送されるぐらいで……
でも、その方は「それでも、この家に居たい」と言っていて。

ケアマネジャーや、患者さんのお姉さんは、その言葉に反対して、「こんな家に居させられないよ!」と心配していました。

その時、上原チームでは、そもそもお姉さんに「自宅に居たい」という意思は伝わっているのかな?という疑問があがりまして。
先輩が、診察中に直接お姉さんに電話して、患者さんと電話を繋げました。
電話越しにお互いに話し合って、患者さんは「家に居たい」って意思を伝えていて、
お姉さんも完全に納得はしていなかったのですが、弟がこんなに言うなら……と様子見しているようでした。

しばらくして、その患者さんは自宅でご逝去されました。
あの言葉がなければ、最期まで家に居られることはなかったんじゃないかな、と思います。
ケアマネジャーは、何度も緩和ケア病棟の入院準備を勧めていましたし。

ご本人の「この家にいたい」という意思を受け止めて、他事業所やご家族とも話し合い、自宅で過ごす生活を支える――これがPAの仕事なんだ、と自分の中で腑に落ちた気がしました。

―まとめ

新卒から入職した彼女も、今では立派な先輩として在宅の現場で活躍しています。
彼女のように、
チームメンバーと、患者さんについて真剣に考えたい方

資格・経験がなくても医療を通じて、人の役に立ちたい方

そんな方はぜひ、TEAM BLUEに話を聞きに来てくださいね!



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