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なにをやっているのか

株式会社テンクーは、最先端の情報技術を用いた、生命情報・医療情報の解析、可視化を行うソフトウェアの開発、サービスの展開を行っています。特に、ヒトのゲノム配列情報の解析と可視化システム、および、関連する文献情報の自然言語解析システムの開発現在は主に行っています。自社開発の「ゲノム医療のためのトータルソーリューションソフトウェア Chrovis」を事業の主軸に据え、それを中心とした事業展開を行なっています。 ゲノムは、生物を構成するタンパク質の生成・制御などの遺伝情報の集まりです。生命の設計図と良く例えられます。 近年、ゲノム配列を読み取るシークエンシング技術が発展し、最先端のシークエンシング技術である次世代シークエンシング(NGS)技術を用いると、ヒト1人の全ゲノム配列、30億文字の塩基配列を約10万円・約1日で読み取ることが出来るようになっています。NGSの技術は今後も発展していく考えられ、2020年には約1万円で読めるという予測もあります。次世代シークエンシング技術はゲノム配列情報を人々の身近なものに変えつつあります。 このシークエンシング技術の発展に伴い、ゲノムに関連する医科学研究は急速に進歩しています。今日、ゲノムを網羅的に検査し、効率的かつ効果的に病気の発見、診断、治療、薬の選択を行う「ゲノム医療 (Presicion Medicine)」が期待されています。ゲノム医療によって、かつてないほど正確な診断と個人に適合した治療が可能となります。特に、がんにおいては、診断や治療薬の選択の際に、ゲノムを読むことが非常に有効です。がんのみではなく、希少疾患、感染症、認知症など、ゲノム医療が適用できる領域は広く、1日も早いゲノム医療の社会実装が望まれています。 ゲノムの配列情報は膨大なため、「ゲノム医療」の実現において情報技術は極めて重要となります。Chrovisは「ゲノム医療」を情報解析面でサポートします。Chrovisは、次世代シークエンシングによって読み取った個人のゲノム情報を自動的に解析し、知識データベースを参照して意味付けを行い、パーソナライズされたレポーティングを行います。 Chrovisの特徴としては、 - 最先端のバイオインフォマティクスに基づくデータ解析 - 膨大な文献情報を自然言語処理により意味解析して構築した知識データベース - レポートのパーソナライズとその解析結果の可視化 の3つがあります。 Chrovisは東京大学に納入されており、東京大学「ゲノム医療研究プロジェクト」に協力しています。 株式会社テンクーは、Chrovisの提供を通じ、医学研究、ゲノム医療、オーダーメイド医療、ゲノム創薬の継続的な発展を推し進めることを会社のミッションとして掲げています。

なぜやるのか

株式会社テンクーは「一過性のテクノロジーのブームや業界の流行に流されず、その本質を見極め、常に正しいソリューションをお客様のもとへ届ける」を企業理念に掲げています。 特定の技術のブレイクスルーがトリガーとなって、技術(テクノロジー)に流行り廃りのブームが生まれます。さらに、そのブームが業界全体に広がることで流行を引き起こします。特に情報技術とその周辺は変化が激しく、中にはビジネスドリブンで技術的根拠が全くないものも少なくはありません。このようなブームや流行は、短期的にはある程度の利益を人々もたらしますが、長期的にはマイナスになると思います。 当社は、このような技術のブームや業界の流行を一歩下がった視点から観察し、その技術的な「本質」を見極めることが重要だと考えています。ビジネスの短期的視点から見れば、単に流行に乗って事業を拡大していくのが正攻法です。しかし、本質を捉えずに流行を取り込むだけでは、それではお客様の不利益となるだけではなく、社会全体の損失につながる可能性があると考えています。 特に当社は、最先端の情報技術を用いた生物学・医学のデータ解析と可視化を、事業の中心に据ています。そのため私たちの情報解析・可視化のソリューションは、その結果を利用するお客様だけでなく、そのデータを提供した個人に対して極めて重大な意思決定を迫る可能性があります。具体的には、病気の診断、治療方針の決定、また治療を受けるか否かの判断など、場合によっては人の生死に関わるケースに関係してくることも十分に考慮しなければなりません。このような重大な意思決定に関係してくる方針を、一過性のブームや流行などで軽々しく決定するのは極めて危険だと考えます。 当社は、「一過性のテクノロジーのブームや業界の流行に流されず、その本質を見極め、常に正しいソリューションをお客様のもとへ届ける」を企業理念として、お客様と長期的に良い関係を築き、長い期間に渡って共に社会にアウトプットしていくことができるよう、「常に正しいソリューション」の省察をし、お客様もとへ送り出していきたいと考えています。

どうやっているのか

株式会社テンクーでは、最先端の情報技術を用いた、生命情報・医療情報の関するデータの解析と可視化を行うシステム開発事業、特に、ヒトのゲノム配列情報の解析と可視化システムや関連する文献情報の自然言語解析システムの開発の事業を行っています。これらの解析と可視化のシステムの企画、開発、運営、サポート、営業のすべてが私たちの仕事です。自社開発のプロダクトである「ゲノム医療のためのトータルソーリューションソフトウェアChrovis」の企画、開発、運営、サポート、営業は、私たちの仕事の中で最も重要なものになります。 以下は、多岐にわたる私たちの仕事の中で「開発」に焦点を絞って説明します。 次世代シークエンシング(NGS)の登場により、ゲノムの配列情報を安価かつ高精度に読み取ることが可能となっています。しかし、次世代シークエンシングによって読み取ったゲノム配列情報はデータ量が膨大で、テキストデータにすると1サンプルだけで100GB以上になることもあります。私たちのシステム開発では、このような非常に大きなデータを、高速かつ正確に解析することが求められます。情報処理の対象は非常に多岐に渡りますが、これほどのデータ量の解析が要求される分野は数少ないでしょう。このような膨大なデータを解析することは、他の仕事と比較しても、非常にチャレンジングな仕事だと言えます。 さらにこの解析結果を分かりやすく可視化することも、私たちの大事な仕事です。人に何を伝えるか、人にどう伝えるかを様々な視点から検証し、システムとして構築していきます。試行錯誤の部分も多く、「答え」が明確に定まらない、非常に頭を使う仕事です。コンピュータを如何に活用するかという純粋な情報処理ではなく、人と計算機の接合部分を検討し設計する仕事とも言えます。 また、様々な文献情報をコンピュータで意味解析し、知識として抽出する自然言語解析システム開発も行っています。これらの解析では、機械学習、自然言語処理、データベース技術などの最先端の情報技術を用いて構築しています。研究段階のものが多数ですが、一部は既に実際に運用されているシステムも一部あります。 「ゲノム医療」でのデータ解析では、解析結果をレポートとしてまとめることも必要です。上記の文献情報の自然言語解析によって構築した知識データベースを参照して、レポーティングを行うシステム開発を行います。これは、情報科学の方法論を用いて人間の体の仕組みや病気を理解し、得られた結果を人々に還元していくという仕事になります。ここで作成したレポートは、直接的に個人の意思決定を左右します。病気を患った個人に極めて重大な決断を差し迫ることになる可能性もあり、大きな責任を伴います。その一方で、人に非常に感謝されるとてもやりがいのある仕事です。 私たちの仕事は、情報科学の範疇だけでなく、生物学や医学など広く分野を横断しています。多くの社員の専門は情報科学ですが、生物学や医学、その他の分野についての勉強と最新情報の調査を日々惜しまず行っています。ゲノム配列情報が身近なものになるに従って、情報科学に求めらる生物学・医学における役割が重要になってきています。私たち株式会社テンクーの仕事は、情報科学の専門家の視点から生物学・医学を手助けをするという、非常に重要な役割を担っています。