WealthParkでは不動産オーナーと不動産管理会社をアプリでつなぐ業務支援SaaS『WealthParkビジネス』の提供、ソフトウェアだけで解決に至らない課題解決や新規事業開発を担う事業変革支援サービスを提供しています。
今回は、どちらもご利用いただいたご経験のある三菱地所の篠原様に、率直な評価や今後期待することをお伺いしました。
ゲストプロフィール
三菱地所株式会社 DX推進部 ユニットリーダー 篠原靖直 様
2001年三菱地所入社。大規模住宅開発、M&A先とのPMI業務等に従事した後、2012年より不動産仲介・賃貸住宅PM事業を行うグループ会社に出向。OCR・RPAを活用した手書き文書のシステム取込自動化、スマートロックを活用した賃貸住宅の無人内覧サービス立ち上げ等のBPR・DX施策導入を推進。2020年に帰任し、DX推進部にてグループ全体のDX戦略策定や各事業ドメインにおけるデータドリブン経営実現に向けた協業・伴走支援等を担当。
インタビュアー
WealthPark株式会社 代表取締役 COO 手塚 健介
富士フイルム株式会社・楽天株式会社を経て、2015年にWealthPark株式会社に入社。国内不動産大手との事業提携を進め、インバウンド不動産事業の成長を牽引。その後、人事部の立上げ・管掌、SaaS事業およびDXコンサルティング事業の立上げ・事業運営、など幅広い業務に携わる。2020年7月に取締役CBO(Chief Business Officer)、2023年11月より代表取締役副社長COOに就任。東京大学法学部卒業、ロンドンビジネススクールMBA。
篠原様がDXに取り組むようになるきっかけ
手塚:本日はよろしくお願いいたします。まずは篠原さんの自己紹介からお願いできますでしょうか。
篠原様:よろしくお願いいたします。三菱地所株式会社の篠原でございます。私は新卒から三菱地所に入社し、当初は大規模住宅開発プロジェクトにアサインされました。その後、経営企画部に異動し、マンションデベロッパーの新会社設立などを担当した後に、グループ会社へ出向し、同社の成長戦略立案・実行等を進めていたのですが、手塚さんと出会ったのはその頃でしたね。2020年度に出向から帰任し、三菱地所の中に新設された「新事業創出機能グループ」のDX推進部に所属しております。
今の業務内容としましては、「既存の不動産のビジネスモデルにデジタル要素を掛け合わせてトップラインを引き上げていく/生産性を高めていく」という、社内コンサルティングのようなことをやっています。その中で、事業推進主体となっている他部署やグループ会社からの支援要請に応えるだけでなく、さまざまなデータを見て、より効率化ができそうなところや成長余地があるポイントを提案し、プッシュ型でプロジェクトを組成する活動も行っておりまして、そのうちの一つのプロジェクトで御社とお取引しております。
手塚:ありがとうございます。当社の本当に初期からご縁を頂いており、もうお取引を開始して7年経ちますね。現在はDXを専門としてやられていますが、それ以前にデジタルと関わるようになったきっかけは何だったのでしょうか?
篠原様:きっかけは、後に出向するグループ会社の担当になったことですね。不動産の売買仲介事業の効率化・成長戦略策定に携わることになったのですが、実務として全く経験がない領域でしたので、ビジネスを理解するためにデータ分析を始めました。財務諸表分析やKPI管理をExcelを使って力技でやっているうちに、マクロやSQLを使えるようになっていきました。
その後、賃貸住宅のプロパティ・マネジメント事業にも携わることになったのですが、この業務が本当に驚くほどアナログなオペレーションでした。これは弊社グループだけではなく、業界としてそういう側面があったと思います。「デジタル化」までもいかない「IT化」を行って、少しでも業務効率化をした方がいいなと思いました。そこで、ビジネス上の課題を解消できるソリューションを探索し、御社ともお取引をさせていただきましたし、複数のSaaSサービスを導入しました。当時は「とにかくこの状態を何とかしないと」という感じでしたね。
WealthParkビジネス・WealthParkメンバーの印象
手塚:手段としてITやデジタルに触れて知見を増やしていかれたんですね。複数のサービスを導入される中で、弊社の印象はいかがでしたか?
篠原様:最初は、御社のインバウンドサービスのお話から聞いたんですよね。そこで現在の課題ややりたいことを話している時に、『WealthParkビジネス』のご紹介をいただきました。お話を伺った際、「これは良いプロダクトだ」とすぐに思いました。当時の課題として「労務コストを下げたい」というのがあったのですが、その最たるものがコミュニケーションコストだと考えていました。先述したように、まだまだアナログにやっていることが多く、お電話やお手紙でのやりとりが主で、かなり手間がかかっていました。
それがアプリでのやりとりであれば、ダイレクトにコストがセーブできるなと思いました。また、オーナーアプリは売買ニーズの発掘にも繋がるため、一石二鳥だなとも考えました。
当時の担当の方々には、とても熱心にフォローいただいたことを覚えています。プロダクトへのフィードバックもかなり行ったかと思いますが、非常に丁寧にご対応いただけました。振り返ると、それで御社のプロダクトの機能拡張に少し貢献できたかなと思います。
手塚:まさに。あのプロジェクトのおかげで鍛えられましたね。ちなみに、僕とのエピソードで覚えてることはありますか。
篠原様:確か最初に手塚さんにお会いしたのは、御社との2回目の打ち合わせの時だったかと思います。印象としては「しっかりした人が来たな」という感じでしたね(笑)。もちろん他のお会いした方がしっかりしていないということではないのですが、すごく安心感があったのを覚えています。そこから商談以外でも定期的に情報交換させていただくようになりました。
選定理由は「事業会社であること」
手塚:そうでしたね。そして、弊社が事業変革支援サービスを立ち上げ、提案の機会をいただきました。聞いた時はどう思われましたか?
篠原様:御社を選定した理由にも直結しますが、「自身で事業を立ち上げられた事業会社が提供している支援サービスである」というところが良いと思いました。これは私の好みもあると思いますが。ビジネスを成長させていく上で、ご自身が事業立上げの難しさや苦労を経験されているので、上手くいくビジネスといかないビジネスの差分や要因が理解できる人たちという期待感があり、事業理解への信頼感があったので、当初から有力候補だと思って担当には紹介しましたね。
手塚:とても嬉しいお言葉です。今回のプロジェクトの感想や弊社のよかった点はありますでしょうか?
篠原様:初動のリソースの使い方が非常に良かったかなと思います。今回はホテルのプロジェクトでしたが、よくあるパターンでいうと、本社部門にヒアリングして作成した、「何となくのワークフロー」で分かった気になってしまうんですよね。それを綺麗に業務フロー図にまとめて、あとはオンラインで2〜3拠点にインタビューして「この辺りは拠点ごとの差分がありそうですね」という形の議論に収れんしていくことが多いかなと思います。
一方で、御社のご担当は、複数拠点に足を運んでいただいて、施設ごとのローカルルールだったり、ジェネラルマネジャーや支配人の考え方だったりを、きちんとご自身で知ろうとしていただけたので、その姿勢やアプローチはバリューとして高かったと思います。御社には「事業会社さんならではのアプローチ」を期待していたので、現場の理解を怠らない姿勢や解像度の高さにとても満足しました。
一方で、プロジェクトの進め方自体はまだまだ手探り感があって、貴社としてのスタイルが型化はされてないのかなとお見受けはしましたが(笑)。
手塚:ご満足いただいているとのことで、安心いたしました。当社としても、「事業会社目線」のアドバイザリー・コンサルティングを強みとしてきたので、そうおっしゃっていただけて大変嬉しいです。確かに、まだ事業自体が立ち上げ期であることもあり、型化されていないところはあるので、今後の課題とさせていただきます。
WealthParkがサービス提供するうえで大事にしていること
篠原様:逆に、貴社としてサービス提供される上で意識していることや大事にしていることはありますか?
手塚:篠原さんにもおっしゃっていただいた通り、まさに自分たちで事業を立ち上げてきた経験があるので、事業や戦略がうまくいかない要因が色々なところに潜んでいることが、実体験としてわかるんですよね。担当の増井も言っておりましたが、事業や戦略がうまくいかない要因として、もちろん外部環境や市場から見た自社分析などのマクロな視点での課題設定がうまくいってないこともありますが、多分に内部的な要因もあります。「いかに外部環境と内部の運営実行力の整合性をもって事業やプロジェクトを推進できているか?」という点は正否を分ける上で大きなポイントと考えております。
具体的には、大きな戦略に対して、それを実行する社内の体制・リソースの十分性、事業部門毎の横の連携、階層毎に縦に整合性、一貫性をもって業務ができているか、オペレーションを担当いただく方のモチベーションなど。あくまで実行するのは社内にいる従業員の皆さんなので、実行できる土壌があるのか、なければどこに課題があるのか、まで深堀をしてご提案をさせていただくことを大事にしています。
言葉にすると当たり前のようですが、やはり計画と実行が伴うことで、中長期的な事業成果が出せると思っているので、事業成果に向き合うためには、現場の方の考えも含めて可視化したり、分析する必要があると思っています。場合によっては、お客様の中長期的な絵に対して、内部の状況も鑑み「これはうまくいかないので、違うやり方が良いです」ということもご提案することもありますね。
篠原様:実行のイメージを解像度高く持たれているところが、やはり事業会社ならではという感じがしますね。かと言って現場に寄りすぎてもいけないですし、今回お願いしたプロジェクトでは、そのバランスが非常によかったと思います。
今後もニーズドリブンな事業展開を期待
手塚:最後に、今後のWealthParkに期待することを教えてください。
篠原様:御社はビジネスのグロースの方向性として、突飛なことをしている感じは全然ありません。コアになる自分たちのコンピテンシーがあって、そこからあまり飛び地に行かずに着実に事業領域を拡張されていらっしゃると思います。それは、これまでそれぞれの事業でさまざまな規模のクライアントのニーズを真摯に聞き、そのニーズに対応するソリューションを提供して来られたことに起因するのかなと感じていますので、今後も「ニーズドリブン」な事業展開からブレずに成長されていくことを期待しております。
不動産デベロッパー向けDX事業とは
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