【代表インタビュー】レガシー環境の現場をAI音声技術でDX化!円滑なコミュニケーションで現場スタッフの戦力を最大化させるボイットのプロダクトとは?
2023年8月に創業したボイット株式会社(以下、ボイット)。「現場に活気、世界に元気を。」をミッションに掲げ、レガシーな環境でDXの進んでいない業界に対し、東芝デジタルソリューションズから譲受したAI音声プロダクト「フィールドボイスインカム」の導入拡大・プロダクトの成長を目指し、2023年秋から本格始動しました。
今回、ボイットの創業経緯やプロダクト、目指す先についてボイットの代表取締役社長CEO永冨泰高氏に話を聞きました。
ボイット株式会社 代表取締役社長CEO永冨泰高
【経歴】 ITベンチャー企業数社を経て、2011年5月にサミット・グローバル・ジャパン(Polaroid Japan)取締役就任。2014年7月にUXENT創業後、動画QRサービス「moovin」や写真館向け撮影画像配信サービス「moovin Studio」をリリース。同社は2017年11月にCCCグループ入り後、2019年4月よりキタムラ・ホールディングスグループにおいて、主に動画等の新規サービス企画およびシステム開発を担う。キタムラ・ホールディングスでは2020年4月に執行役員CDO補佐就任、2022年4月より執行役員新規事業推進室室長に就任し、UXENT社代表と兼務。2022年6月より日本フォトイメージング協会運営委員に就任。2023年8月にボイットを創業、代表取締役就任。
Q.ボイットの創業経緯を教えてください。
私自身、日本の労働人口不足の問題を大変危惧しており、特に医療業界や介護業界といった人手不足が解消できないであろう業界に対して自分が以前から携わっているIT分野の技術を使い課題解決できないかと考えていました。その中で東芝デジタルソリューションズが展開するAI音声技術を利用した現場DXを推進するAI音声プロダクト「フィールドボイスインカム」をご紹介いただく機会があり、双方で話し合った結果、本サービスに特化した会社が軸となり事業を推進した方が、顧客のご要望に応えられまた、ビジネスの大きな成長が期待できるのではないかといった話となり、事業を譲受し既存顧客数百社を引き継ぐ形でボイットを設立しました。
Q.ボイットではどのようなサービスを展開されていますか?
皆さんにわかりやすく説明しますと、スマートインカムアプリを提供しています。インカムは店頭等で現場スタッフがご利用されていて、店頭とバックヤード間においてインカムを通じ音声でコミュニケーションをとっています。まだ多くの企業はシンプルなトランシーバー型のアナログ無線機を利用しており、それをスマートフォンに置き換えられるアプリケーション「フィールドボイスインカム」を開発・運営しています。アナログのトランシーバーでは出来ないインターネットを通じたコミュニケーションがとれるので、AI音声技術をつかって発話内容をテキスト変換したり、レコーディングして聞き返すことが出来たり、パソコンからテキストで指示を出しそれを合成音声に変えて現場のスタッフに伝えたりすることが出来ます。アナログのトランシーバーではレコーディングやテキスト変換が出来ないので聞き逃したことを再度確認したりする無駄なコミュニケーションが生まれてしまいますが、ボイットのサービスではその無駄なコミュニケーションを生まない機能を備えているので現場の業務効率を向上することが出来ます。
Q.「フィールドボイスインカム」はどの様な現場で多く利用されていますか?
現在、業界としては介護業界の導入が一番多く、その次に旅館・ホテルといった宿泊業界のお客様が多いです。世の中の仕事は「デスクワーカー」と「デスクレスワーカー」の2種類があり、介護や宿泊施設の現場はデスクレスワーカーに属します。そういった現場で業務をされている方々は、PCやスマホを常に確認できる環境にはおらず、介護職に関しては両手が塞がっていてスマホの画面を確認できなかったり、宿泊施設ではお客様の前でそもそもスマホを取り出しづらい環境だったりします。その様な現場では音声がコミュニケーションの中心となりますので介護・医療・宿泊施設・レジャー施設等の業界で聞き返しが発生しない「フィールドボイスインカム」が多く利用されています。
Q.実際に導入企業様から頂いた「フィールドボイスインカム」の感想を教えてください。
先日、旅館業の方にユーザーインタビューをしまして、「フィールドボイスインカムがないと困る」と言うご感想をいただきました。実際に数値にも反映されており現在チャーンレート(解約率)はとても低く、一度ご導入いただいた大半の企業様は継続してご利用いただいているのが現状です。ただ、ユーザーの方は今のサービス内容だけで満足しているわけではなく「こういう機能が欲しい」等のお声を頂いていますので、我々がそれに対して応えていけるようにプロダクトの改善に注力していきたいと思っています。
Q.なぜ現場のDXという事業にチャレンジされているのでしょうか?
デスクワーカーだと、ZoomやSlack等のPCやスマホで利用可能なコミュニケーションツールを使うことで無駄なやり取りが減り、DXが進んでいるケースがあります。一方で、デスクレスワーカーの業界ではDXが遅れ、取り残されている現場が多くあります。例えば医療業界です。病院では未だにPHSの利用が大多数でスマホの利用率は低い状態です。そういった介護や病院のような医療業界は労働人口が減少する中で、最も人手が足りなくなる現場だと言われています。外国人の登用など色々な施策で穴埋めをしようとしていますが、それでも追いつかない状況となると現場の一人ひとりの戦力を上げるしか方法はなくなります。その中で、少しでも無駄な業務をITで解決したり、一人の能力をマルチに使えるように補助ツールを活用するなどで現場の支援に役立てられればと思い、我々は現場のDXにチャレンジしています。
Q.ボイットが目指す先について教えてください。
ボイットはスマートインカムアプリだけを提供する会社ではなく現場のDX化を支援する企業です。目先の目標としてPHSのようなレガシーな仕組みをスマートインカムに入れ替え、我々が作るアプリケーションに価値を感じてもらいたいと思っています。その次のステップとしては、現場のマネージメント業務を支援する仕組みを構築したいと考えています。インカムの発話内容を分析すると多くの会話は「◯号室の掃除をしてください」のような業務指示とそれを確認する内容が多く、口頭で指示をするとそのタスクを忘れてしまったり、指示を出した側がリマインドするといったやりとりが発生します。そういった無駄なやり取りが発生しないような仕組みを構築することを目指しています。そういったやりとりは様々な業種業態の現場で発生しますので、その様な管理業務を支援し現場の負担を軽減してより円滑にできればと思っています。人にしかできない現場仕事に集中してもらい、人がやらなくてもいい仕事はシステムが巻き取る環境づくりを目指しています。
Q.ミッション「現場に活気、世界に元気を。」にはどのような意味が込められていますか?
「現場に活気」というのは、現場で仕事をする方に生き生きと仕事をしてもらえる環境を作るという意味があります。例えば小売業の方は「接客が好き」「喜ぶお客様の顔を目の前で見るのが好き」「商品そのものが好き」といったことで、現場に従事されて、また、そのお仕事に満足感ややりがいを感じていると思いますが、接客以外にも品出し業務や業務日報といった仕事に追われ残業をしている方も沢山います。そういった人がやらなくてもよい業務を極力システムで巻き取るような環境を作り、現場の方には生き生きと働いてもらいたいと考えています。また、「世界に元気を。」については、日本ではデスクレスワーカーは5割程度と言われているのですが、世界的に見ると労働人口の8割がデスクレスワーカーというのが現状です。なので、日本国内に限られた話ではなく、世界中の今まで取り残されてきたデスクレスワーカーに対して我々が良いプロダクトを作り提供して世界中を元気にしたいという想いを表しています。
Q.ボイットのカルチャーや環境、働き方について教えてください。
ボイットのカルチャーとして、「スタートアップ」と「大企業」両方のカルチャーを持っているのが特徴です。私自身、スタートアップを立ち上げて、その後大企業にイグジットした経験もありスタートアップ気質ですが、東芝デジタルソリューションズからこのサービスを譲受したこともありCOOの掛村は直近まで東芝に在籍していました。「スタートアップ」と「大企業」でキャリアを重ねてきた役員が経営している企業なので両方のカルチャーを受け継いでいる組織だと言えます。また、役員全員がそれなりに年齢を重ねてますので勢いがあるというよりは落ち着いた雰囲気で業務をしています。働き方に関しては、出社とリモートのハイブリットを目指しています。フルリモートにしない理由としては、少人数でチームワークが求められるフェーズなので業務に慣れるまでは比較的出社いただいきたいと考えているのと、SlackやZoomだけだとミスコミュニケーションが起きるケースもあるので、直接顔を合わせてすれ違いのないコミュニケーションをとっていきたいという考えから、出社とリモートのバランスが取れた働き方をお願いしています。
Q.ボイットではたらく魅力を教えてください。
ボイットで働く魅力としては3つあります。1つ目は、スタートアップに共通して言えることなのですが、「裁量が多くスピード感がある」というところです。キャリアを積みたい人にとって自分がやりたいことにチャレンジしやすい環境です。会社の規模が大きくなると業務が細分化され業務範囲が決まってきてしまいますが、そのような業務の垣根がありません。また、社内の品質管理のルールや社内向けのプロセスに縛られてプロダクトの成長スピードが落ちてしまうということもありません。エンドユーザーに志向したプロダクトづくりに専念できる環境はスタートアップの魅力だと思います。2つ目は「プロダクトとお客様の距離が近い」ところです。特にエンジニアの方向けの内容になるのですが、以前経営していた会社でエンジニアの方がどういった所に喜びを感じて仕事をしているかを私なりに注視していたのですが、エンジニアの方は言われなくてもユーザーのアクセスログや使用状況をよくチェックしていました。プロダクトを作った結果、ユーザーに「どのように使ってもらえているか」がわかる距離感はエンジニアの方にとって、やりがいに繋がる部分なのではないかと思っています。最後の3つ目は「社会課題を解決するプロダクトを提供している」といったところです。先程もお話したように、人手不足の業界に対して人にしか出来ない仕事に集中してもらう世界を我々は目指してており、その足がかりとしてスマートインカムを提供しています。世界が抱える大きな社会課題の解決の一端を担っているプロダクトを提供しているところにやりがいを持ってもらえると思います。
代表永冨の話をご覧いただき、ボイットのプロダクトにかける想いが少しでも伝わりましたでしょうか?ボイットでは現在複数の職種を募集しています。ご興味をお持ちいただけましたら是非エントリーをお願いします!