- 現在のお仕事の内容、ワークスタイルを簡単に教えてください。
仕事の内容:
カンボジアの首都プノンペンから車で2時間半、キリロム国立公園内の10,000haの美しい自然の中でグリーンシティの開発をしています。高原リゾート&キャンパスという新しい観光資源を生み出す過程で、Facebookいいね数No.1のvkirirom Pine Resort及び、カンボジア初の全寮制ITリーダー養成機関キリロム工科大学(KIT)の経営に社長室長として携わっています(社長は日本人起業家の猪塚武氏。)バックオフィス業務全般に加え、事業開発部門と一緒に仕事をしています。現在はKITの学生全員がカンボジア人奨学生のため、奨学金スポンサー企業の獲得や、それらの企業とKIT学生とで行うITプロジェクトに参画することもあります。創業4年のベンチャーなので、今はとにかく何でもやっていますが、上場を目指しているので、これからは戦略を策定・実行し、社内の仕組みを整え、発展する会社としての文化作りに貢献したいと考えています。この事業はカンボジアだけでなく日本の未来も明るくする、国を超えて人が助け合う社会を体現する事業なので、もっとたくさんの人に知ってもらい、関わってもらいたいです。
2. ワークスタイル
カンボジア・日本・マレーシア・インド・フィリピン・オーストラリア・・・様々な国に住む社員・パートナーとの協業、採用面談等で、毎日ばたばたと仕事しています。日曜日はお休みですが、現地にある国際インターナショナルバカロレア(International Baccalaureate)スクールの日本語教師をしています。
3. 平日1日のスケジュールを簡単に教えてください。
7:00 起床、娘が登校(ナニーさんと)
7:30 出勤(徒歩1分)
オフィスで仕事、1-2泊でキリロムに行くことも。(プノンペンから片道3hなため日帰りでは仕事ができません。キリロムでは大学職員寮に宿泊します。)
19:00 帰宅、食事、娘とおしゃべり
22:00 娘就寝、仕事or読書or英語の勉強or映画を見るなど
24:00 就寝
4. カンボジアへ行くことになったきっかけは?
留学経験はありませんが、大学時代にタイのカセサート大学、チュラロンコン大学で1年間日本語を教えていたことがあります。その頃から、何不自由なく暮らしてきた日本人として、社会に恩返しをしたいと思っていました。自分の能力や経験が一番活かされ、人に喜ばれる場所を選んだ結果、vKiriromプロジェクトにたどり着きました。何か新しいことをしようと思った時に色々な人に相談していたら、他ではできない面白い仕事に出会えたので、自分から行動し、チャンスに出会ったら覚悟をもって決断することが大事だと思います。
5. 社会企業と営利企業の違いを教えてください。
私の所属する会社は利益を求める社会企業です。社会企業と営利企業は相反する概念ではありません。社会に必要とされれば利益を得られ、利益があればその分長く社会に貢献できます。世間では社会企業と言われる会社も当然営利を求める必要がありますし、営利企業と言われる会社も社会の課題を解決するものでなくては生き残っていけないと思います。
6. カンボジアで子育て&仕事をしていて大変なことは何ですか?
子育ては住み込みのナニーさんがいてくれるのでとっても楽です。仕事は日本とのギャップに未だ苦しんでいます。特に、カンボジア人のスタッフが時間や締め切りを守らないこと、日本人が求める品質レベルをそもそも知らないこと、事細かにフォローアップしないといけないこと、、などです。日本人同士よりももっと深くじっくりとコミュニケーションしていくことが大事だと感じます。
7. 子育てと仕事で一番大事にしていること
子育て:子供はお互い学び合うパートナーであるということ。
仕事:各タスクの目的、スピード、好奇心、自分が経営者だったらという思考
8. 今後の目標やプランを教えて下さい!
仕事の上では、チームで2017年の目標を達成すること。他のスタッフよりも高い視点で長期的に物事を捉え、目標達成に向けた仕組みをつくり、たくさんの人にプロジェクトについて伝え、共感してもらうことができるかが今年の鍵になると思います。学生寮となる不動産の売り上げ、リゾート利用者数・金額、KIT奨学生のスポンサー数、来年度入学のカンボジア人・日本人入学者数などKPIは様々で、簡単に達成することはできない目標ですが、自分にしかできない分野でバリューを発揮できたらと考えています。
そして個人的には自分の娘がどんなふうに成長していくかを実験しています。それはこれからの子どもたちに「意思を持って主体的に行動すること」を学んでもらえる教育・家庭環境を自分が娘に提供できているかの実験です。そして私自身は「やりたいことは今やる」「感謝の気持ちを表すこと」を実践したいと思っています。
9. 最後に、こちらのインタビューをご覧になっている方にメッセージをお願いします。
これからママになり仕事を続けたい人や、今仕事をしながら育児をしている人がご覧になっているのでしょうか?私は母親らしいことはほぼしておらず、正直に言って私ほど母親として怠けている人を見たことがありません。それでも日々逞しく成長している娘の姿を見て驚くと同時に、彼女を誇りに思っています。だから、皆さんも自分が思っている以上に、自分勝手に自分の人生を生きて大丈夫なんです、と伝えたいです。
子供がいるから、という理由で制約をつける必要は全くなく、住む場所も、付き合う人も、時間の使い方も、自分の意志(と周りの協力!)でいつでも変えられます。誤解のないように繰り返しますが、これは育児を頑張っているママさんたちにも言えることです。流されるのではなく、言い訳するのではなく、自分の生き方を覚悟をもって選択することが、とても大事なことなんだと思います。よろしかったらキリロムへお越しください。お待ちしています。
<パワーママプロジェクト取材よりhttp://powermama.info/?p=4845>