VISITS Technologies 株式会社の野村 博之さんは、事業開発部の部長として幅広い職務で活躍しています。その全てに「人事畑で培ってきたキャリアが活きている」と話す野村さん。様々なポジションのメンバーとの関わりを楽しみながら、会社のミッション・ビジョンの実現に自分らしい形で挑む姿に迫りました。
■グローバルな舞台で活躍してきた人事のキャリアから、営業企画職への挑戦
ー これまでのキャリアを教えてください。
東京で生まれ育ち、公立の小中高を経て神戸大学 国際文化学部へ進学。大学卒業後は大手メーカー系企業に入社しました。営業志望で入ったのですが人事本部に配属され、その後は人事としてキャリアを積むことになります。
自分のキャリアに最も大きな影響を与えたのは、アジアを統括する販売会社へ国際出向し、国際人事課長として3年半、中国で勤務した経験です。当時はグローバル人事制度設計や国際出向施策を担いつつ、海外人事ならではの様々なトラブルも経験し、自分の成長を感じました。
中国赴任を含め約13年間のファーストキャリアを経て、二社目は約1,000人規模のIT大手企業へ転職。ここでもシンガポールや上海といった海外拠点にまつわる人事業務と、開発部門を担当するHRBPとして経験を積みました。
ー 現職への入社のきっかけは?
リファラル採用をきっかけに、2021年3月にVISITSに入社しました。もともと人事以外の仕事にも興味があったもののビジネスサイドへ転向する機会がなかったのですが、VISITSの選考を進めていく中で「営業職にも興味がある」と伝えたところ、ポテンシャルを評価してもらい営業企画として入社することになりました。
入社してはじめに感じたことは、当社は人数こそ少ないもののその分個々の能力がとても高く、まさに少数精鋭だということです。メンバーからは日々刺激を受けますし、そんな中で楽しく仕事ができることは自分にとってとても重要な要素です。ビジョンに共感して集まったメンバーだからこそ、皆が同じ方向をみて進んでいることを肌感覚として感じることができ、適材適所でそれぞれが自身の強みを発揮しながら自分なりに創意工夫をしてビジネスが進んでいく点は、当社の大きな魅力と感じます。
■「全てのバックグラウンドに人事の経験がある」ーバランス感覚を持ちあわせる統括役
ー 現在、どのような仕事をされていますか?
7月にリリースしたばかりの社長直轄の新規事業プロダクトであるAI搭載型アンケートツール「VISITS forms」事業のビジネスサイドを推進しています。事業企画やチームマネジメントだけでなく、私自身も営業としてお客様をご訪問するなど、忙しくも充実した毎日です。
現在のポジションは、自分が得意領域だと感じる推進力や調整力がまさに求められる仕事と感じます。社長直轄でスピード感のある新規事業を推進していくことは、非常に刺激的でこれまでにない経験です。
また、前職までの仕事と全く異なるポジションでもなんとか担えているのは、VISITSに入社したての頃に教えを受けた先輩の存在があったからこそとあらためて感じます。そういう意味では、仕事が何であれ自分にとって”誰と働くか”が重要なのだと認識しました。
■共感してくれる方と本気でトライしていく「創造力を武器」に戦える世界があると知った
ー スタートアップに来てスキルやマインドセットにどんな変化がありましたか?
バックオフィスからビジネスサイドへジョブチェンジしたことによる最大の変化は、顧客志向に変わったことです。単純に外部のお客様との接点が増えたことに加えて、自分たちがお客様に提供するプロダクトのカスタマーバリューを自分ごととして捉えるようになりました。
また、人事の仕事を長くしてきた中で無自覚に発揮していた自分の強みや適性、逆に気づけていなかった弱みなどを知ることができたことは、今後のキャリアを考える上で重要な視点を与えてくれるものでした。
自分が社会にどう関わるかという点でも、自分の価値観に変化を感じます。VISITSでは、ビジョンに掲げる「創造力で世の中を変える」といった類のことをメンバーが頻繁に口にするので、自ずと私もそういったことを意識するようになりました。
具体的な変化としては、例えばお客様に何かをご提案する場合、私の過去の経験ではそのプロダクトやサービスが実際にどれだけ役に立つかが選んでもらえるかの判断ポイントだと当然のように信じていましたが、今は、我々が実現したい世界観に共感してもらえるかどうかも同じくらい重要と考えるようになりました。これはお客様との関係性の例ですが、他にも世の中との関わりについて同じような意識の変化を感じます。
これから会社は次のフェーズに入っていきます。組織が大きくなれば多種多様なバックグラウンドのメンバーが入社してきますし、価値観も多様化していきます。そんな中で大切なことは、それぞれが自分の想いを本音ベースで語り、分かち合える環境です。
過去の経験による価値観を大切にしながらVISITSの文化をうまく取り入れていっている私だからこそ果たせる役割があると思いますし、かつ、バランスを上手く調整しながら組織を動かせることが自分の強みですので、これからも人と人を繋げる調整弁を担っていきたいです。
ー 今後、企業として、また個人としてどんな未来を作っていきたいですか?
当社代表の松本が時々語ることで、私が好きな話があります。我々が挑戦している「創造性を数値化する」ことに対して、本当にそんなことができるのかとお客様や社外の方から言われることがありますが、かつてニュートンが万有引力を発見するまで、林檎が木から落ちることを数字にできると考えた人間がいただろうか、という話です。ニュートンが信じて挑戦したから万有引力が発見されたのであって、我々もいまそれと同じ挑戦をしているのだ、と松本は言うのです。
その結果として、創造力を測るコンセンサス・インテリジェンス技術という一つの解に辿り着きました。その技術を活用した「VISITS forms」などのプロダクトを通して世の中を変えていけるよう、私自身もチャレンジし続けたいと思っています。