本日は、千葉功太郎さんから追加出資いただいたことを記念して、
千葉さんと代表の小川の対談を ”特別” にWantedlyユーザーの皆さまにお届けします。
(下記は、本日掲載されたニュースサイトの記事になります。)
小川―――
今回、追加出資を頂きましてありがとうございます!
さて、早速、千葉さんにお伺いしたいのですが、昨年10月に引き続いて、今回、追加投資をしてくださった決め手は何だったのでしょうか?
千葉さん―――
投資したシンプルな理由は、小川さんの言う、「VALUはクリエイターや、これから何かを生み出していく人たちにとって、ある意味、資金調達プラットフォームになり得るもので、投機的なプラットフォームではない」ということを最初に聞いて、素直にいいなと思ったことです。僕も、クリエイター出身なので、そういう人たちが気軽に資金調達できる、あるいは、”輝ける場”としてのVALUの存在ってすごく好きだなと思いました。
それが昨年は、小川さんのイメージとは違う方向で盛り上がったのではないかと思います。ただ、この一年で、本来のVALUの姿に随分近づいてきたと感じていて、それが決め手ですね。
小川―――
ありがとうございます。千葉さんのおっしゃる通りで、昨年6月から9月は想像していた以上の盛り上がりで、投機的だったため、意図的に抑えて、抑えて、抑えてと、かなりの時間をブレーキの方に使いました。その効果もあり、今、良い方向に進んでいるということが実感できています。
千葉さん―――
特にIT業界の人には「VALUって、あれ?どうしたんだっけ?」って、イメージがあると思うんですよ。でも、今まさに足元の数字や、今の改善の状況、ユーザの雰囲気とかを見ていると、まさにここからもう一回、新しい、本来のVALUの姿がスタートするんじゃないかという期待感があります。
小川―――
これから伸びていくだろうなと思っています。確信はあります。
千葉さん―――
そう!同じ確信を前回の株主総会でもシンクロすることができて、だったらいけるなと。
小川―――
ありがとうございます。
VALUに期待することは何でしょうか?
千葉さん―――
個人の資金調達ができるプラットフォームとして、日本及び世界でサービスを広げてほしいなと思っています。
小川―――
頑張ります!千葉さんがお考えになる未来のトークンエコノミーについて聞かせて下さい。
千葉さん―――
まず、トークンエコノミーに期待することは、やはり、「資金調達の多様化」です。いろいろな人達が、いろいろな形で資金調達ができるという多様化。すごいキーワードだと思っています。
これからの時代は、エクイティ投資も、ソーシャルレンディングも、クラウドファンディングもあり、いろいろな資金調達が増えていく中で、トークンエコノミーは第四、第五の資金調達手段であり、非常にカバレッジが広いなと思っています。個人だけではなくて、任意団体とか、NPOとか、今までいわゆるエクイティ資金調達ができないタイプの会社でも、大規模な資金調達ができたり、個人でも億円単位の資金調達ができる可能性も十分にあります。そして資金を増やして、還元することもできますし、還元の仕方もいろいろな形があると思っています。お金としての還元、金融商品としての還元もあれば、まさにVALUを通しての還元もあると思います。
ベースにあるのは「投資」についてです。僕は投資家をやっていて、日本って投資がすごく弱い国だと思っています。子供の頃から投資教育がないし、投資することに対して、ネガティブなイメージが未だに多いので。「えー、投資しているの?えー、怪しい!怪しくない?」みたいな。投資家なんてロクでもない感じ。博打打ちみたいなイメージ。こういった印象を変えていった方がいいと思っています。そして、日本人は、もっともっと投資をした方がいいと思っています。
投資はお金だけではなくて、自分の「時間」「能力」「経験値」も投資の材料だと思っています。だから、例えば、応援したいクリエイターや、応援したいプロジェクトがある場合、VALUなどのトークンエコノミーのプラットフォームを通じて、自分がお金を出すことだけでなく、自分の知識や時間をそこに注入して、大きく成功させていくということも、投資活動だと思っています。
一方、無償提供で、ボランティアでやりますということと、この投資というのは、似て非なるものだと僕は思っていて、投資というのは、投資内容に見合ったリターンを得るものだと思っています。だから、ボランティアや、ボランタリーなNPOとは別のもの。
トークンエコノミーに期待することは、いわゆる金融商品としてガリガリの投資活動とボランティア活動のちょうど真ん中ぐらい。自分の「想い」、「時間」、「ノウハウ」と少しの「お金」を人だったり、プロジェクトだったりに投資をして、何らかのリターンをもらう、そういうプラットフォームになっていくではないかと思うんですよね。そこが、VALUへの最大の期待です。
小川―――
最後に、僕とVALUに一言お願いします。
千葉さん―――
小川さん、いいですよね。
いくつかあるんですけど、一つはブロックチェーンのこと大好きじゃないですか?
小川―――
大好きですね。
千葉さん―――
これ大切なんです。投資家が、起業家に求めているのは、そのカテゴリーが死ぬほど好きであるということなんですよ。三度の飯より好きとか。下手したら、一生やっていけるという、その好きさ。
僕が投資している企業家って皆そうなんですね。小川さんは本当にブロックチェーンが好きだなというのが、この一年見てきても分かります。
小川―――
好きですねー。ずっと見ていても飽きないので。(笑)
千葉さん―――
だぶん好きだから、情報収拾する。しかも、その情報収集が、国内のちょこちょこした話じゃなくて、グローバルで見ているじゃないですか?結局、それが血となり、肉となり、世界でのパフォーマンスになってくる。それを続けている人は、5年後、10年後、勝てるんですよ、絶対に。
一方で、ブロックチェーンが流行っているから、ちょっとやってみましたという人は、どうせ長続きしないので、最終的には小川さんに負けるわけですよ。その差は大きいと思います。ここが大きな評価ポイント。
もう一つは、ゲームを知っていること。ソーシャルゲームとか、ゲームの世界って、稼ぐということと、エンターテイメントのバランスがすごく優れている。とても難しいし、研究し尽くされている分野だと思っていて。その世界を知った上で、こっちのトークンエコノミー経済の方に来ているというのはすごい安心感がある。つまり、ブロックチェーン技術オタクじゃない。
小川―――
ありがとうございます。
千葉さん―――
やっぱり最終的には、稼がなくてはいけない。プラットフォーマーとは何ぞや、みたいなところも分かった上でのバランス感覚が大事だと思います。特にゲームは、大量の熱中したユーザーがいて、ちょっとでもバグがあれば、めちゃくちゃ怒る人たちがいるわけじゃないですか。あるいは、ちょっとでも何かいいことがあれば、めちゃくちゃ喜ぶ人たちも出てくる。あの、空気感を分かっているっていうのが僕には安心感がスゴイあります。そういう人がVALUを想い、VALUの未来を設計している、そこが評価です。
小川―――
そこまで言っていただけると少し照れますね。ありがとうございます(笑)
千葉さん―――
いいこと言ってみた(笑)
小川―――
ソーシャルゲームをやっていた経験が、僕には大きくて。
小さい100万人くらいしかいない仮想の世界なんですけど、ある種エコノミーができているわけですよね。例えるなら、小さな国家の税収の仕組みを見ているような感覚で、トップの1割がほとんどの税収をまかなっている。日本経済や、世界経済も、基本的にそうなっていて。あの経験は、すごい僕には面白くて。
千葉さん―――
一つの市や、一つの県を経営しているような感覚。国でも小さいところだったら、それくらいの規模ですよね。100万人とか。
しかも、リアル社会と大きく違うのは、全部のログデータが見えること。その市民の動きを完全に分析できますよね。
小川―――
かつ、めちゃくちゃ進みが早いんですよね。
千葉さん―――
早い!
小川―――
だから、ライフタイムバリューが3ヶ月、半年とかだったら、ギューって縮まっていて。
千葉さん―――
濃縮されて、短く、社会が…。
小川―――
そう、そうなんですよ。あれは面白い経験だったと思います。
千葉さん―――
ソーシャルゲームっていい言葉だと思うんですよ。あれは、社会の縮図以外の何物でもなくて。
あれだけの人が集まって、本気で何かと戦っていると、そこには社会があって、利害関係があって、競争と協力の原理が働いていて、そこに秩序もあって、ルールを無視する人もいて(笑)、税金もあって、8:2の法則とか、1:9の法則も成り立っていて、本当にリアル社会だなと。
小川―――
面白いですよね。
千葉さん―――
面白い!あの感覚、ゲーム=社会である。あの感覚を持っている人って、ゲーム業界にしかいなくて。しかも、ゲーム業界からスピンアウトして、別のプラットフォーム、新しいプラットフォームを作ろうとしている人って、掛け算にすると少ないじゃないですか?
小川―――
少ないですね。
千葉さん―――
小川さんのいい所というか、僕もそうだけど、両方の経験を持っているところ。それは稀有な人材じゃないかなと思います。
小川―――
ソシャゲの運営をされていた当時はどのような方針でいましたか?
千葉さん―――
常に、主語がユーザー側。運営側ではなくて、ユーザー側を意識していました。
ゲームユーザーにとって嬉しいか、嬉しくないか。しかも本質的に。短期的な嬉しさではない。そうすると、なるべくシンプルな方がいいし。なるべく変な感じじゃない方がいい。こねくり回さない方がいい。だから、基本、シンプルだったんですよ。一時、他社さんが出玉率を変えている噂があった時も、極めてシンプルにそのままのDB叩いたら、その確率しか出てこないみたいな、真っ正直な感じ。それって突き詰めると、ユーザーにとっての本能的な体感値とゲームが一致しているっていうことだと思うんですよね。
小川―――
VALUも短期的な利益を追わずに、長期的にやっていきたいと思っています。
千葉さん―――
そう!そう!だから、最初の質問にあった、なんでVALUに今、再投資したんですかという質問に答えると、そのブレがないことをこの一年間で感じたから。要は、苦しかったはずなのに、ちゃんとブレずに、ちゃんと、本来ありたいところ、本質だけにフォーカスして、その人たちが喜ぶように追加機能を作り、そうじゃない人たちにはどちらかと規制をしていくことを数字が下がろうが何をしようがやってきたわけじゃないですか?
それが、今、結果的として、いい方向になりそうだというのが見えてきたのが投資した理由なんですよ。しんどかったと思いますよ。自分でネガティブに突っ込まなくちゃいけないわけだから。
小川―――
売上あえて下げていましたから。
千葉さん―――
これってやっぱり本質しか見てないっていう言い方もできると思っています。本来、この自分の愛すべきサービスの本質が何かということをきちんと分かっていて。本質じゃないところを削りながら、自分でも理解しながら、そういうところを徹底的に良くしていく。つまり、自分が本質だと思っているお客様に喜んでもらう。そこだけにフォーカスしているその感じは、当時、自分たちのゲーム作りに近い感覚を感じました。
ストイックに運営する。これは言うのは簡単ですが、ただ、実際やるのはしんどいことです。数字との戦いで。売上は欲しいし、1円でも儲かりたいので。これはね、なかなかできないですよ。だから、尊敬しています。そのジャッジメントはきつかったんじゃないかと思っています。
小川―――
大変でした。
千葉さん―――
だから、この対談のメッセージとしては、これからの第二幕のVALUにとても期待してますということです。
小川―――
本日はありがとうございました。色々お話し伺えてよかったです。
これからもどうぞ宜しくお願いします!
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