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鮮魚仕入れを支えるアプリをリニューアルした話

こんにちは!久保坂(@misaaa09)です。
2022年1月にクックパッド株式会社から転職して、株式会社ウーオのUI/UXデザイナーとなりました。
ウーオのオフィスは広島にあるため東京からフルリモートでの転職となります👩‍💻

現在は入社して約3ヶ月経過し、日々サービス開発を通して水産業の課題と向き合っています🐟

入社して最初の仕事だった「UUUOアプリリニューアル」が無事3月末にリリースできたため、開発の裏側を紹介できればと思っています💪

株式会社ウーオってどんな会社?

まず開発の話をする前に、会社について軽くご紹介します。

株式会社ウーオ(以下:ウーオ)は「すべての町を、美味しい港町に。」というビジョンのもと、全国どこにいても美味しい魚が食べられる日常を当たり前にするために、法人向けの水産流通プラットフォームの構築を目指しています。

水揚げ情報を透明化し、流通の構造をシンプルにすることで、最適な需給バランスを生み出し、持続可能な水産業を目指しています。

事業についてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください💁🏻‍♀️


分かりやすそうで分からない?!ウーオの事業を「ざっくり」説明してみた|ウーオ|note
こんにちは!最近やっとチームに馴染んできたHRチームの森田です😆 ひとり人事としてウーオに入社してから、約4ヶ月が経とうとしています!給与体系・グレードの設計、新バリューに沿った評価制度の制定、採用など、手探りながらも広く取り組んできたつもりですが、想定以上に時間がかかったのが入社オンボーディングの仕組み化。 ...
https://note.com/uuuo/n/n44ef7076c7ae

現在は全国の魚を発注することが出来る「UUUO」、各産地から魚を出品するための「UUUO Sellers」の2つのアプリを展開し、日々、産地仲買・荷受け・仲卸・小売バイヤー・飲食店バイヤーなど様々な立場の方々にアプリをお使いいただいています。

リニューアルの背景

ウーオではもともと水産流通マーケットプレイスだけではなく、全国の水揚げ情報を配信する「Maehama Cloud」というアプリを開発しリリースしていました。
主に産地の仲買人や荷受けの方々を対象ユーザーとし、全国の水揚げ量を把握することで日々の相場予測や、新しい仕入先が見つかることで安定した仕入れに役立つサービスとして2021年9月にリリースをしたアプリです。

もともとUUUO(鮮魚発注)アプリとはユーザー層が異なりニーズのあるユーザーにアプローチしやすいよう、別アプリとして展開しておりました。

しかし、メディアとしての印象が強く、問い合わせ機能などをつかってこのアプリから新しい取引につながる機会は多く作れていなかったことや、情報閲覧のために課金を行うサブスクリプションも検証した結果「情報を見るためだけにお金を払わない」という結論を出すことができたため、単体アプリとしてはクローズし、UUUOアプリに体験を統合していくことを決めました。


「水揚げ情報を見ること」はユーザのやりたいことではあるが、あくまで「安定的に魚を仕入れたい」というニーズを解決する手段の一つである

とチームで理解を改め、仕入れのためのアプリの1つの機能という位置づけで設計することで、より水揚げ情報提供の価値を高めようと、この度UUUOアプリとMaehama Cloudアプリの体験統合リニューアルを行うこととなりました。

その他にも

  • 2つアプリがあることで営業やマーケティングのリソースがかさんでしまい、売上拡大のためのスピードを上げられない
  • 2つのアプリで存在する魚種の保存機能のデータが連携できておらずそれぞれのKPIに対して活かしきれていない

などと言った、目標に向けて効率的に進んでいくための課題もリニューアルの背景にあります。

リニューアル内容と結果

Before

リニューアル前のUUUOアプリは、主に以下の体験が出来る、非常にシンプルなECアプリのような作りでした。

  • 出品された商品の一覧が閲覧
  • 商品詳細の確認(水揚げ日や漁法、規格、値段など)
  • 購入履歴の確認(店舗や会社ごとの購入も確認できる)

After

リニューアル後は、「魚を仕入れるためのアプリ」という見え方は維持しつつ、主に3つの体験が加わりました。
変更の背景と、リリース後の結果をあわせてご紹介します。

従来のアプリは欲しい商品がなければ諦めてアプリを閉じることしかできませんでした。そのため、出品する産地の方々も購入者がどんな魚を求めているかも知ることができず購入のマッチングが起きづらい状態でした。
そこで、欲しい商品が無くても過去商品や最近水揚げのある魚種から欲しい商品のリクエストを気軽に送れる出品希望機能を追加しました。

✨ リリースした結果

リリース後はこの機能をヘビーで使ってくださるユーザーさんも現れ、統計的に購入者が何を求めているのかを分析することができるようになりました。
ニーズを産地に伝えたり、出品希望から直接ウーオセールスメンバーがアプリに掲載していない魚を案内することなども出来るようになり、購入に繋がりやすくなりました。

これまでは出品者が出品時に入力した基礎的な情報しか掲載されておらず、ユーザーによってはその情報だけだと購入する判断に至れず、離脱してしまうケースがありました。

✨ リリースした結果

こちらも、問い合わせで気になる点が質問されるようになり、疑問が解消できた場合購入につながっていく様子が見られました


この変更点が今回一番大きいですが、以前Maehama Cloudで提供していた水揚げ情報配信機能をUUUOアプリの1機能として移植を行いました。
ただし、あくまでアプリの目的は「仕入れること」であることを意識し、水揚げ情報を閲覧した先に、出品希望を押して商品の出品・購入につながることをゴールに設計を行いました。

✨ リリースした結果

別アプリとして展開していたMaehamaCloudのユーザーがUUUOアプリを見るようになったため、単純にUUUOアプリを利用するユーザーを増やすことができました。
また、このタイミングで新規にUUUOアプリを使い始めたお客さんの中からも数人UUUOアプリで魚を発注するようになりました。

リニューアル開発で意識したこと

2022年1月入社直前に課された私の入社最初のミッションはこのプロダクト統合の具体化をして無事リリースまで持っていくことでした。

ここからは転職したてで水産業の知識が浅いデザイナーの視点で、リニューアルを進めていくために意識したことを書きたいと思います。
(長いので気になる見出しのところだけ見ていただければと思います🙏 )

💡理解を可視化⇔壁当てを繰り返して、解像度を上げる

リニューアルを進める上で、とにかくサービスやその周りで関わるユーザーの解像度をかなり上げていく必要があると考え、ひたすらと理解を可視化し識者に壁当てし認識のズレを直す、という作業を行っていました。
こうすることで徐々に見えてなかった視点が見えるようになり、具体を進めていく上で想像力が上がったと思います。

💡開発チーム外の仕事を理解しメンバーとの距離を縮める

BtoBの特徴ではあると思いますが、一番普段からユーザーの近くで接したり対話をする機会が多いのはセールスやCSのメンバーだったりすると思います。ユーザーのことを知るには、まず自分たちの会社のメンバーのことを深く理解し、現場で起きてる課題感などをすぐに拾える関係構築をすることが近道だと感じたため、入社後早いタイミングでセールスメンバーへの業務内容のヒアリングを行ったり、ミニデザインスプリントを実施し専門家インタビューを行ったりしました。

実際、ウーオのセールスメンバーはプロダクトの導入だけではなく日々魚の卸売業務も行っているため、卸売を行うユーザとしての理解も深めることができてとてもやってよかったと思います。

💡実際に目で見て、聞く機会を大切にする

私は普段東京からリモートで業務しているため、なかなかできないのですが、1~2ヶ月に1度のペースで広島オフィスに出社しそのたびに実際の市場を見学したり、商談に一緒についてお客さんの話を聞いたりしました。

お客さんがしてくる質問内容から、こういうことが気になられるのか…とこれまで見えてこなかったユーザー理解が進んだり…
実際のセリや出荷現場を見ることで、ユーザーがどんな状況でアプリを使うのか理解できたり…

「百聞は一見に如かず」を身にしみて体感しました。
一次情報をこれからも大切にしながら開発に取り組んで行きたいなと感じてます。

(真冬に夜中12時から朝方まで市場観察したときは、とても寒く身を持ってユーザーの置かれている状況・心情などを体感することができました…⛄️)

💡価値の言語化を行いチームでイメージをすり合わせる

「プロダクトを統合したい」からのスタートであったため、最初に何も考えずに合体させてみたら、なんのためのアプリかわからない、とにかく機能が多い、使い方のわからないアプリ、になってしまう印象がありました。


とりあえず形にしてみてからではありましたが、これはちゃんと新アプリの価値の言語化をしっかり行わなければならないと気付き、このあと価値を言語化し何度もチームで議論を重ねました。

この過程で、ユーザー体験のゴールは常に「ほしい魚が仕入れられること」であると改めることができ、そのゴールに沿った水揚げ情報の立ち位置を検討することができました。

振り返り

今回ウーオに入社して初めての仕事でリニューアルの具体化を行い、改めてウーオでデザイナーとして働く楽しさを実感したので振り返りたいと思います。

水産業の課題解決の難易度の高さとやりがい

水産業界の課題解決は本当に難しいと感じると同時に、デザイナーとしてのやりがいを強く感じられる領域だと感じています。

特に感じる難しさは以下です

  • 水産卸売の業界はとても関わるプレイヤーが多く様々な立場のユーザー視点を考慮する必要があること
  • 扱う商品の種類が他の業界に比べ圧倒的に多く、魚によって売り方が違ったり、値段や購買行動に鮮度がとても重要な要素であったり、通常のマーケットプレイスよりもユーザー体験を細かく検討する必要があること
  • 昔ながらの商習慣も残る業界のため、電話やラインなどで行うよりも圧倒的な使いやすさ・便利さが求められること

日々難しい課題に直面して解決策を考える工程が多いことはデザイナーとしてはとても楽しい環境かなと思っています。

おわりに

今回のリニューアルで、「やっとスタート地点に立てた」という気持ちでメンバー全員水産業に新しい流通を作っていくため日々、奮闘中です!

今回のリニューアルで見えてきた課題も山積みな状態で、改善していくたびに効果が現れて成長につながっていくとてもおもしろいフェーズだと思います。

そんなウーオでは現在、エンジニアやデザイナーを絶賛募集中です!
興味を持っていただけた方、まずは話を聞いてみたい!という方はTwitterにDMを送っていただいても構いません。

www.wantedly.com水産業の課題解決をユーザー目線のUI/UXでリードするデザイナー募集! by 株式会社ウーオ株式会社ウーオ

フルリモ可/UIUXデザイナー
水産業の課題解決をユーザー目線のUI/UXでリードするデザイナー募集!
<漁港での社会実装から「アプリ上で買い手・売り手が自由に取引できるプラットフォーム」をカタチにし、水産流通のDXを推進中。 需給の最適化を実現し、全国どこにいても新鮮な魚が食べられる世の中へ!> 当社は、日本各地の水産物の産地直送や販路拡大を実現するアプリ「UUUO」を展開しているITスタートアップです。 自らプレイヤーとなって漁港に拠点を構え、仕入と卸の業務に携わってきた経験から、水産流通のDXを進めるだけでなく、水産業界の抱える課題をトータルで解決しています。 漁師さんが獲った魚が消費者の食卓に並ぶまでにどのくらいの日数を要するかご存知でしょうか?・・実は「誰も把握できていない」のです。 日本の水産流通は、漁協や仲卸など多くのプレイヤーが介することで全国の魚を各地に届ける仕組みが整備されていますが、それゆえに情報のブラックボックス化が起こり、いつ誰が獲った魚なのかが消費者に伝わっていない現状があります。 さらに、漁獲は気候など外部環境の影響を大きく受けるためコントロールが難しく、肉や野菜といった他の生鮮品よりも需給の調整が難しいという課題もあります。 豊漁だった場合も、その情報がリアルタイムに買い手に共有され大きな取引に至らなければ、鮮度劣化とともに魚価は下がってしまいます。 そんな課題を解決する法人向けのアプリが「UUUO」です。出品した魚を全国各地の小売や飲食店に販売できるため、産地直送での販売と販路の開拓が可能になるほか、全国100以上の港の水揚げ情報が集約されているので、漁獲も流通も網羅的に把握できます。 主な買い手であるスーパーの鮮魚バイヤーにとっても、全国から魚を買い付けられ、ほしい魚がない場合は出品をリクエストできるため、電話やLINEといったクローズドなやりとりから解放され、時間的・人的リソースの削減が見込めます。 現在のパートナー企業は約200社。現在はパートナー企業のさらなる拡大とアプリを活用した販売の促進に取り組んでいるフェーズです。 今後は需給の最適化を実現するために、各データから「どの魚種がどれだけ必要とされているか」「その魚種がどれだけ水揚げされているか」「どれだけ流通しているのか」を把握し、データ活用の領域にも進出していきます。
株式会社ウーオ
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こんにちは、ウーオの土谷です。 管理画面は、アプリを使ってくれているユーザーさんへのサポートや、アプリで必要なデータの操作(弊社でいうと新しい魚の登録など)などのためにメンバーが利用する重要なものです。 ただ、お客さんやユーザさんが利用しない機能でもあるので、UIやUXが中途半端だったり、リソースの関係で短期間で作らなければいけないので「えいやっ」でつくられがちではないでしょうか。 ...
https://note.com/uuuo/m/m216594bf96e4

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