新型コロナウイルスの影響により、家で過ごす時間が増えたことで「巣ごもり需要」が増え、家での生活をより快適にするための消費行動が以前よりも格段に増加しました。
そのような生活様式の変化の中、注目を浴びたものの一つが「花のサブスクリプション」です。今や多くの企業が提供しているものの、その先駆けとなったのは私たちが提供する「bloomee」。今では10万世帯以上に、毎週、花を贈り続けています。
そんな私たちは2022年1月には累計で40億円の資金調達にも成功し、さらなる事業成長へと舵を切りました。その中で特に力を入れているのがエンジニア採用。今回はエンジニア組織を率いる朝倉に、ユーザーライクの組織の特徴や働く面白さについて話を聞きました。
新しいビジネスにチャレンジするため「花のサブスク」のファーストペンギンにジョイン
―まずはユーザーライクにジョインするまでの経緯を聞かせて下さい。
私は新卒でSIerに入社し、様々な業種のサービス開発に携わった後、女性向けメディアを運用する企業に転職しました。そこではリードエンジニアとして月間500万人が使うメディアの運用やインフラの刷新をする他、新サービスの立ち上げなども経験させてもらいました。
充実した仕事をさせてもらっていたものの、メディア以外のビジネスにも挑戦したいと思って見つけたのが「花のECサービス」です。新しい領域にチャレンジできる面白さに加え、スタートアップならではの幅広い仕事の範囲に魅力を感じ転職を決めました。
―なぜ花のECサービスに興味を持ったのでしょうか。
実は最初から事業内容に興味があったわけではありません。しかし、これまでにない市場を開拓していることに強く興味を惹かれました。自分たちで市場を拡大していけるのはもちろん、今後も新しい市場の創出にチャレンジできると思ったのです。
それまで家に花を飾ることもなかった私ですが、サービスに携わってから花も飾るようになりました。今では事業にも強い愛着を持つようになりましたね。
事業の成長に伴い組織の拡大が急務
―花のサブスクリプションサービスについて詳しく聞かせて下さい
料金プランに応じたお花が毎週ポストに届くサービスです。花が潰れないよう設計された専用パッケージに入れているので、ご不在がちな方でも安心して花のある生活を楽しめます。もちろん「この週は家にいないのでスキップしてください」という要望にも柔軟に対応可能です。
この事業の面白いところは「花き(*)業界」も盛り上げられること。生花店はネットに対応していないお店も多く、緊急事態宣言で外出する人が減ったことで大きなダメージを受けていました。
私たちのサービスは提携した生花店から花を仕入れて配送しているので、私たちのサービスを通じて生花店の売上にも貢献しているんです。
※花き(花卉)…観賞用の植物全般
―今の事業フェーズについてはいかがですか?
今はシリーズDの資金調達を終え、さらにサービスの拡大にコミットしているところです。成長度合いも芳しく、デロイト トーマツ グループが発表するテクノロジー企業成長率ランキング「2021年 日本テクノロジー Fast 50」ではトップ7にランクインしました。
サービスの成長に伴いユーザーさんも増えているので、今後はオペレーションやサプライチェーンをより強化していかなければなりません。
―開発フェーズについても教えて下さい。
サービスの成長に伴い、開発組織の拡大にも注力しているところです。
特に、既存サービスのエンハンスに加えて、今後は既存サービスの領域拡大から新規サービスにも挑戦していこうと思っているので、スキルはもちろんサービスの立ち上げに興味のある方を求めています。
スムーズに花を届けるために、無駄のない配送システムを作ることがエンジニアのミッション
―具体的にはどのような開発をしているのでしょうか。
ユーザーが注文するサイトはもちろん、仕入れのために花屋さんが使うシステムも自分たちで開発しています。「花のサブスク」は前例がなかったため、既存のシステムでは私たちのサービスにはマッチせず、全て自分たちで作っています。
ECサイトのパッケージや配送管理システムはあっても、なま物かつ多様なお花をサブスクでお届けを行う際に適したシステムは見つかりませんでした。そのため花のサブスクに最適なシステムを自社開発するしかなかったのです。
―開発の難しさを教えて下さい。
サプライチェーンの各フェーズと連携しながら、仕入れから配送までスムーズに行われるシステムを作ることです。私たちのサービスはただ花を送ればいいだけでなく、ユーザーさんの好みに合わせて毎回違う組み合わせのブーケを送らなければなりません。
そのためには各部署と連携しながら、必要な情報を必要な場所にスムーズに届けられるシステムが必要なのです。社内の様々な部署と連携しながら、どうすればスムーズに花を配送できるか考えなければいけません。特になま物である花を配送するにはオペレーションが命。無駄なく配送できる仕組みを実現するのも私たちの仕事ですね。
―開発していて面白いと思う瞬間も教えて下さい。
他の職種と距離が近いことです。例えばUX設計する時はCSに相談しながら一緒に考えますし、トラブルが発生したときも連携して動きます。他にもマーケティングや自社のフローリストとも密に連携しながらシステムに落とし込んでいくんです。
時には経理と相談しながら売上の計算方法や、LTVの算出について相談することもあります。ほとんどすべての職種の方と話す機会があるので、チームで仕事をするのが好きな人にはおすすめですね。
求めているのは「ユーザーさんにも仲間にも、相手の立場になって考えられるエンジニア」
―現在はエンジニア採用に注力していますが、どのようなエンジニアを求めていますか。
ユーザードリブンなエンジニアです。エンジニアとして高い専門性を持っていることは大事ですが、技術を突き詰めることが目的ではなく、その技術を使ってどうやってユーザーさんに価値を届けられるか。そう考えられるエンジニアと一緒に働きたいですね。
また、多職種の方とコミュニケーションするのが好きな人も向いていると思います。それもただ単に話すのが好きなだけでなく、相手の仕事を理解しながら話せる方だと尚よいです。
相手の立場が違えば、伝える内容や伝え方も変わります。多職種の仕事を完璧に理解する必要はありませんが、知らないことだから試しに本を一冊読んでみよう、というような興味を持って動ける方だといいですね。
―社内のメンバーに対しても、ユーザーさんと同じように接するということですね。
そうですね。私たちは会社としてミッション・バリュー・スキルを定めています。
その中の一つでもある「ユーザー起点」というバリューを実現するために「仮説思考」というスキルは大事です。「相手はこういう立場だから、こういう行動をしているんだろう」と、相手に対して仮説を立てる考え方のことです。
それをユーザーさんだけでなく、メンバーにも発揮するということ。社内のメンバーの立場から物事を考えられるようになれば、自然とユーザーさんの立場を考えながら仕事ができるようになりますから。
―幅広い職種の仕事を理解するのは大変だと思うのですが、オンボーディングの仕組みなどはあるのでしょうか。
「D10」といって、10日間で集中して仕事をキャッチアップできるような仕組みを作っています。10日間で仕事のすべてを理解するのは無理ですが、取っ掛かりとなる知識を広く浅く身に付けてもらう。その上で10日目以降はOJT形式でキャッチアップしてもらえればと思っています。
―花き業界に詳しい方は多くないと思いますが、前提として求められる知識などがあれば教えて下さい。
花き業界に関する知識は必要ありません。今働いている社員も、入社前から花き業界に詳しかったメンバーはほとんどおらず、花き業界に関する知識は重視するポイントではありません。それよりも事業の成長性や、サービスの先にある「ユーザーさんの、うれしいを創る」というミッションに惹かれて入社した方が多いはずです。
私たちはサプライチェーン全体の改善に取り組もうとしています。取り組む領域は広いので、いきなりすべてを理解しようとする必要もありません。まずはサービスの全体の流れを把握しながら業務を覚え、徐々に視野を広げていってもらえればと思っています。
―最後にユーザーライクの事業に興味を持った方にメッセージをお願いします。
まだまだ少人数の組織なので、やれることももちろん多いですし、一緒に組織を作っていく側になってくれると嬉しいです。私たちのサービスはまだまだ未完成でやらなければいけないことだらけ。その中でエンジニアチームは、「各チームの実現したいことを一緒に遂行する」をミッションとしています。そのため、一つの技術を極めたいという方よりも、幅広いことに興味を持って積極的に関われる方なら楽しいはずです。
今後は新しいサービスにもチャレンジしていくので、次の時代の当たり前を自分の手で創りたい方はぜひ話を聞きに来て下さい。