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育休中に感じた世の中への「違和感」。解消してくれたのはNYだった!?ママプランナーが見出した活路とは?

こんにちは!人事マネージャーの松本です。

前回の取り上げたママさんプランナーの三井さんの記事、後編です!

世の中にあふれる疑問や不安をどうしたら変えられるか、と思えたきっかけが実は育休中だったという三井さん。どのようなことがあったのか、詳しく聞いていきます!

松本(以下、松):今度登壇されるセミナーのテーマが、「ブランド・ジャーナリズム」と伺ったのですが、この内容が育休中の過ごし方と関係があるんですか?

三井(以下、三):そうなの、実はすごく関係している。育休期間中、いままで気にもしなかった世の中の不便さを痛感したんだ。育児関連の書類を公共機関に提出するときにすごくやりにくかったり、そもそもどこに相談すればいいのかがわかりにくかったり、子どもを連れて、荷物を背負って町を移動するのが大変だったり・・・ 特にベビーカーで電車に乗るときの肩身の狭さはすごかったなー。「その時になって初めて分かる」ってこういうことなんだなって思った。これが、ハンディを持っている人や、お年寄り、LGBTとかいろいろなことにも繋がっていると思ったんだ。なんかその時にね、悲しくて、あと、悔しいって思ったの。

松:どうしてそのような感情に繋がったんですか?

三:広告やPRに関わっていた身として、お客様の課題解決に立ち向かっていたのに、世の中の「解決すべき不便、不安、不満」にちゃんと向き合えていたのかな、という気持ちだね。こういうことこそ、商品を知ってもらう・分かってもらう事と共に解決するのが広告・PRなんじゃないかなって。社会の問題と世の中にあるモノ・商品との間にストーリーを作ることが大切なんじゃないかって。

そんなとき、夫の仕事の関係でニューヨーク(以後、NY)に住むことになったんだ。そこが私の考えや価値観を大きく変えてくれたの。

松:やはり、日本とは大きく違う点があった、ということですか?

三:うん、本当にそうだった。例えば、企業のプロモーションの際に、「このブランドは●●という考えを持っています」と主張しているプロモーションが多かった。ホームレス問題を解決する鉄道のプロモーション、LGBTの問題にアプローチするマッチングサービス、健康と向き合うヨーグルトメーカー。もちろん、日本と同じように「〇%引き!」とメリットを謳う広告もあったけど、それ以上にブランドの意義や目的を根幹にメッセージしてくる広告が多かったんだよね。ちょっと衝撃を受けたんだ。

松:それは、文化柄なんでしょうか?

三:私もそうなのかと思ったのだけど、企業が勇気をもって世の中の課題に切り込んでいく、意思のあるプロダクトを生み出して、それをちゃんと伝えていく。そういう哲学や誇りって日本企業でも「良いモノを作るモノづくり文化」の中であるものだよな、と感じたの。アメリカでは特に、生活者もその企業やプロダクトメッセージを受け、それを応援したくて、購入という形で支えてく人が多い気がする。これは本当に大切なことだなって思った。

松:企業が想いを伝え、生活者も一緒に課題に向き合っていくことが大切なんですね。

三:本当にそう。これが「ブランド・ジャーナリズム」なんだよね。ブランドの哲学や思想を起点にして、生活者に語りかけていく広告コミュニケーション手法なんだ。ここ数年のカンヌライオンズ(※)でも評価されているものには、ブランド・ジャーナリズムがしっかりとあるからね。これは、もうちゃんと向き合わなきゃと思った。こういうことができるのは、プランナーだろうとも強く思ったの。だから、育休復帰後は絶対にプランナーとして活動していこうって思えたんだ。

※カンヌライオンズとは、毎年6月に1週間にわたってフランスのカンヌで開催される世界最大級の広告・コミュニケーション関連のアワード、フェスティバルで、クリエイターなら誰もが憧れる舞台です。

松:なるほど。三井さんは学生時代に海外に行ったり、いろいろなアルバイトをしたりと、様々な経験をしている分、「こうだったらいいのに」という想いも多いのかもしれないですね。

三:そうだね。それに、社会人になってから年月重ねることでいろいろ経験して、やっと自分自身でもやっていけるスキルも身についてきている。それをちゃんと形にしていくタイミングなんだと思っている。

あと、最近嬉しいのは、日本でも「ブランド・ジャーナリズム」を行っている広告事例も増えてきていて、「お、日本にもついに流れが!!」って思ってる!私のような30代のプランナーって世の中に対してモヤモヤしている人も多いと思う。そういう人たちと一緒に、流れを変えることができたら嬉しいなって思っているよ。

松:すごく良い流れですね!ブランドのミッションや信念、誇り、そういうものをしっかりとくみ取って広げていくことが当然の世にしたいですね。この流れで最後にお聞きしたいのですが、ママプランナーとしての三井さんの信念ってありますか?今後の目標でも大丈夫です!

三:ママプランナーとしての目標は、重複する部分もあるんだけど、世の中にあるいろんな「不」を商品と共に広告やPRで変えてくことだね。あと、娘が大きくなったときに、「ママ、かっこいい事やってたんだね!」と言ってもらえたら嬉しいかな。

最後にいつまでもプランナーとして意識しておきたいことは、人を傷つけるものは生み出さないこと。騙されて買っちゃった、損をしてしまった、信じたのに裏切られたとか、というものは絶対に嫌だ。企業も多額の費用を使って世の中に情報発信をしていくわけだから、ちゃんと想いや意思がある、意味があるものを伝えていける存在でいられるよう、精進します。

松:三井さんの考え、すごくわかりました!ありがとうございました!

便利な世の中になったからこそ、希薄になったと言われがちな「コミュニケーション」を見返すきっかけとなるインタビューでした。

人と人、モノとモノ、人とモノ、そこには間があることを忘れずに、物語をうまく伝え、共感できる空気が作れると嬉しいなと自分自身も思えました。

三井さんのこれからも引き続き、追っていきます!

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