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データを活かし”顧客価値”を高める「サキダチラボ」、そのプロジェクトの裏側:前半

会社HPスペシャルインタビューより全文転載※

昨年テテマーチで発足した、企業のマーケティング活動への実利貢献度を解明する「サキダチラボ」について研究チームのメンバー2名にインタビューを行いました。

前半、後半の2部構成となる本記事の前半部分では、サキダチラボの立ち上げの背景から、どのようなことをサキダチラボでおこなっているのか、メンバーの役割などについてお話を伺いました。

松重 秀平
テテマーチ取締役。2015年6月に創業したテテマーチにてSNS事業の立ち上げを行う。
現在はサブスクリプション型のSaaSであるInstagram分析ツール「SINIS(サイニス)」のグロースおよび、SNSの研究チーム「サキダチラボ」の所長を務める。

清水 優志
SINIS(サイニス)事業部において、SINIS(サイニス)に蓄積された40,000以上のInstagramアカウントのデータ分析を担当。
過去、事業会社においてECやWEBメディアのマーケティングに関わった経験を活かした、企業目線のデータ分析・提案を行う。


スノーピークとの共同調査から立ち上がった「サキダチラボ」

-まず、サキダチラボの立ち上げ背景をご説明いただけますか?

松重:2020年9月〜10月頃に、「SNSの売上貢献の可視化」の取り組みをアウトドア総合メーカー「スノーピーク」さんと共にスタートさせたことがきっかけです。

SNSの売上貢献を可視化するための取り組みを始めた理由は、企業のニーズの高まりを実感していたからです。SNSが生活者に浸透し、マーケティングチャネルとして「避けては通れない」存在になりつつある現在、企業のSNSマーケティングへの投資はどんどん膨らんでいます。

一方で、「なぜSNSに投資すべきなのか」を説明できる企業やSNSの担当者さんはまだ少ないのが現状です。そこで、SNSマーケティングを支援するテテマーチとして、SNSの売上貢献を可視化することで、SNSに投資しやすい環境をつくり、より健全なSNSマーケティングを実現していきたいという気持ちがありました。


-そこにちょうど良いタイミングでスノーピークさんからお話があったということでしょうか

松重:いえ、スノーピークさんからお話があったわけではなく、打ち合わせをした際にスノーピークさんがSINIS(サイニス)(※)を使っていたのを見て、こちらからお声がけをさせていただきました。

我々としてもナレッジを蓄積したい、共同発信をしていきたい、という思いがあったので、スノーピークさんが欲しいとお話しされていたデータについて共同調査させていただくことになりました。なので、きっかけはSINIS(サイニス)ですね。

※...テテマーチが提供する、InstagramのインサイトデータをPC管理できる分析ツール


-SINIS(サイニス)をきっかけに、テテマーチが持っているデータをどうやって活用していくか、というところからサキダチラボが生まれたのですね。

▼アウトドア総合メーカー「スノーピーク」さんと実施したウェビナー・ご参考資料はこちら
【ウェビナー動画】年間調査から紐解くSnowpeakのInstagram活用!SNSを売上に繋げる3つのポイント
【ご参考資料】年間調査から紐解くSnowpeakのInstagram活用!

約1年間に渡る調査結果から見えた、データの結集と紐解き方をぜひご覧ください!


社内理解がありスムーズに立ち上がった裏での苦戦の日々

-サキダチラボという形で研究機関を設けること自体、会社として初めての挑戦になったと思うのですが、大変だった点や苦労した部分などがあれば、お伺いしたいです。

松重:当初、自分自身ネックに感じていたのが、チャレンジしたことのない領域に社内のリソースを投下して良いのかという点でした。僕としては「人を動かす=お金が発生している」という認識をものすごく強く持っているので。今回は特に直接的な売上・利益を生まないプロジェクトであるからこそ、コスト意識が高くなっていましたね。

会社に納得してもらうために、今回の取り組みの価値をどう示すべきかを考えていましたが、意外にも会社からはスムーズに了承が取れました。

上田さん(テテマーチ代表)自身も、以前からデータ分析を行うラボを作りたいという思いがあったらしく、それでポジティブに受け入れてもらったのではないかなと思います。


-立ち上げ自体は、松重さんが懸念していたよりスムーズに進んだのですね。立ち上げ後のプロジェクトの推進についてはいかがでしょうか?

松重:思ったような成果が出ない、という悩みが一番大きかったです。


-具体的にはどのようなお悩みだったのでしょうか?

松重:最初は短絡的に、「エンゲージメント数」「フォロワー数」などのSNSに関連するデータと、「売上」「来店客数」などのビジネス指標の関連性を調査すれば、何らかの相関性や因果性が見えてくるのではないか、と考えていました。しかし、実際にはそう上手くはいきませんでした。


-そのようなデータを出していたのは清水さんだと思いますが、実際に分析結果が出てきたときに「思ったような結果が出ないな」という印象はあったのでしょうか?

清水:直接的な関係性の弱い、距離の遠いデータ同士を用いて分析を行っても、簡単には関係性が見えてこないだろうな、という予想はしていました。

そもそもSNS関連のデータ分析をきちんと行い、そのアウトプットを世に公開している企業というのがほとんどいないんです。何も確からしい情報がない中で、手探りでおこなっていた当時の状況を考えると当然の結果だとも思います。


-最初は苦しい時間が続いたのですね。

清水:当時のテテマーチの強みは、SNSマーケティング支援で培った経験値と、それに支えられた仮説構築力です。ただスノーピーク様とのプロジェクトのスタート時点では仮説があってもそれを証明することができない、という状況でしたね。仮説通りの結果が出ないと、次はどうしましょうか?と行き詰まってしまって。そういうときは、SNSマーケティング支援の業界で長年経験を積まれてきた松重さんの直感力で、新しい切り口を見つけていただくようなことも多かったです。


-データだけでなくコミュニケーション力もやはり大事なのですね。

清水:なので、「仮説構築力」と「分析力」を持ち合わせている会社が行う、というのが大事かなとは思いますね。

手探りでノウハウを獲得していき1年ちょっと経った今では、「これは良い分析ができそう」「これは検証が難しそう」といった、個々の仮説検証に関する解像度が上がり、効率良く分析作業が進められています。


三つの調査軸を持ったサキダチラボの活動

-サキダチラボの具体的な活動についてお伺いできますか?

清水:顧客価値を高める調査・サービス開発です。

顧客価値は、「商品価値と商品を作るときにかかったコスト」つまり「支払っても良いと思う金額」のことを指します。その中でいかに商品の価値を上げて、コストを下げるか。この二つを徹底していくことで、高利益かつ高付加価値のソリューションを提供できるようになると思っています。

松重:今の説明は、「自社サービスのクオリティ向上」や「新規サービス開発」につながる話ですね。こういった社内的なインパクト以外に、社外への影響も大きいプロジェクトだと思っています。具体的には、当初作った「三つの調査軸」があります。

一つ目は実利貢献調査。

SNSの実利貢献、つまり「SNSマーケティングがビジネスのどこにどう効いてくるのか」という調査です。

二つ目はアルゴリズム調査。

例えば、SNSに新しい機能が追加されたときには、その機能の有効性や活用方法を定量的・定性的に調査するようにしています。「なぜその機能を活用すべきなのか」「どう活用すればよいのか」を明確にすることで、機能活用のアクションに確かな根拠を持たせることができるためです。

このように、「何を」「どのように」活用すればいいのか、に関する調査を総称して「アルゴリズム調査」と呼んでいます。

三つ目はトレンド調査。

SNSの使われ方やトレンドは急速に変化していくので、それをアンケート調査などを通じてキャッチアップできるようにしています。これは自社サービスのアップデートや、新サービスの開発の参考にしています。


チームでの役割と業務委託の強み

-皆さんがそれぞれ、どのような役割を担っているかをお伺いできますか?

松重:僕はサキダチラボとしてやるべきことを、アイデアレベルで提案することです。会社の中でも、世の中に対するアンテナを常に高く持っている方だと自負しています。

市場にどういうニーズがあるかをキャッチアップして、そのニーズは正しいのか?本当に根拠をもって言えることなのか?研究してみたい、といった動機で持ってくることもあります。

そして実際の運用においては、調査のフロントに立ち事業会社さんとの協業をリードしていく役割を担っています。また、社内から挙がってくる声を吸い上げる、ということをやっています。


-ありがとうございます。次に清水さんの役割をお聞かせください。

清水:僕は、「これをやりましょう、目的はAで完了条件はBです」と決めたものについて、実際にそれをどう分析するか考える役割です。

どういうステップに切り分けられて、各ステップごとに誰がやるべきかを、ディレクションしつつ自分で分析するイメージです。実際に手を動かす部分に関しては業務委託のメンバーが入ることもあるのですが、誰がやるのが最も効率が良いかを考えつつディレクションしていく、というのが主な仕事になるかなと思います。


-お二方以外にも業務委託のメンバーが数名いらっしゃるんですね。どのようなメンバーで稼働されていますか?

清水:メンバー自体は4名います。1名はコンサルタントで技術顧問のような役割をしてもらっています。我々がやろうとしていることって、技術的にどうしたらできるのか? どういったアプローチをすれば良いのか?などのアドバイスをいただきつつ、ブレストしながら一緒にサキダチラボの方向性について議論していく方です。

ほかの3名は、基本的にはデータアナリストやリサーチャーといった肩書きがつくような方々で、具体的な実務の部分で手を動かしてもらうメンバーです。エクセルやスプレッドシート、Pythonなどのツールを用いた実際のデータ分析や、出てきた結果に対するアウトプットの整備をしていただいています。

松重:業務委託で関わっていただいているメンバーは、いずれも経験や実績が豊富で、頼りになる方々ばかりですね。


-それは強力ですね。現在メンバーの募集はされているのでしょうか?

松重:今絶賛募集中です!

数年前までは、SNSを企業として活用し、フォロワー数やリーチ数を伸ばすような「運用」自体をできる会社が少なかったので、上手く運用ができること自体がバリューでした。しかし今はそういった会社も増えてきているので、一歩先の価値としてビジネスへの貢献度合いを可視化したり、より俯瞰的にSNSを捉えてビジネス全体へのインパクトを最大化できるような支援会社が求められていると感じています。

そして、テテマーチはサキダチラボでの取り組みを通して、そういった企業になっていこうとしています。

会社としてもサキダチラボに対する期待値は大きいです。

清水:テテマーチの強みは、「SNSに関するデータを大量に保有している」ことです。

特にInstagramのデータは基本的には開示されていないのですが、テテマーチはSNSマーケティングの支援事業やツール提供を通じて、40,000アカウントを超える企業アカウントのデータを蓄積しています。これはおそらく業界最大の規模です。

SNSのデータは「テキスト」「画像」「動画」はもちろん、それらに対しての「エンゲージメント」といった多岐にわたるものです。トレンド性も強く、機能追加も頻繁に行われるため、データの多様性が非常に高いのが特徴です。

こういった多様性に富んだデータを大量に扱えることをデータアナリスト・データサイエンティストの方々にお伝えすると、「面白そう」「いろんなことができそう」と話が弾むことが多いですね。

松重:このデータに興味持ってくれた人が即決で参画を決めてくれるケースが多いです。


まとめ

2人にこれまでのサキダチラボの立ち上げ背景などについてお話をお伺いしました。

なかなか思うような結果が出なく苦しい時期もあったようですが、試行錯誤を経て現在のサキダチラボの形が出来上がったことがわかります。

インタビュー内にもありましたが、サキダチラボでは一緒にデータ分析や開発をしていただけるメンバーを募集しています。

▼サキダチラボとしての活動
顧客価値を高める調査の実施、調査を活かしたサービス開発
①実利貢献調査
②アルゴリズム調査
③トレンド調査

▼サキダチラボのおもしろさ
・膨大なデータ量
・データの多様性、それに伴う分析の幅広さ
・「データ分析組織の立ち上げ」という希少な環境

今注目のWeb3.0の前身である、Web2.0としてのSNSにかかわることができるため、今後のキャリア形成においても寄与できる業務です。気になる方は下記の募集をご覧くださいませ。

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「サキダチ、ヤクダツ。」「ワクワクを科学する」をコーポレートミッションに「これから世の中に広く普及するものをテテマーチが先立ってノウハウを習得し、世の中に役立てていきながら、ワクワクを作り広げていこう」という願いを実現すべく活動をしています。 創業時には、企業と顧客をつなぐ新しいプラットフォームであったSNS領域に注目し、他の企業に先駆けてオウンドメディアの運営やアカウントのコンサルティング、分析ツール開発など、さまざまなサービスをもって企業のマーケティング活動を支援してきました。 また近年では、クリエイターと共創しながらマーケティング活動を支援する、企画型インフルエンサーマーケティング集団『餅屋』や、『ブランドプロデュース事業』など、支援領域を拡大しています。
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サキダチラボ_分析ディレクター
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「サキダチ、ヤクダツ。」「ワクワクを科学する」をコーポレートミッションに「これから世の中に広く普及するものをテテマーチが先立ってノウハウを習得し、世の中に役立てていきながら、ワクワクを作り広げていこう」という願いを実現すべく活動をしています。 創業時には、企業と顧客をつなぐ新しいプラットフォームであったSNS領域に注目し、他の企業に先駆けてオウンドメディアの運営やアカウントのコンサルティング、分析ツール開発など、さまざまなサービスをもって企業のマーケティング活動を支援してきました。 また近年では、クリエイターと共創しながらマーケティング活動を支援する、企画型インフルエンサーマーケティング集団『餅屋』や、『ブランドプロデュース事業』など、支援領域を拡大しています。
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