2019 Super Bowl Commercials: Toyota Supra
Check out "Pinball" presented by Toyota.
https://www.cbssports.com/nfl/video/2019-super-bowl-commercials-toyota-supra/
(画像:TV INSIDER)
テテマーチ公式ニューヨーク派遣員のYUKAKOです。
2019年2月3日にアメリカで最も視聴率の高いと言われているフットボールチームの全米王者を決める「スーパーボウル」が開催されました。
リーチできる視聴者数の多さとSNSでの話題性などを考慮すると、スーパーボウルのCMは企業にとって最も広告効果の高い、魅力的な広告投資対象で毎年多くの注目を浴びます。
Bloombergによると、今年のCM料は、30秒のCMに510万ドル(約5.6億円)から530万ドル(約5.8億円)でした。つまり、CM料は1秒で約17万ドル(約1800万円)とかなり高額です。
それだけ高い広告料とあって、各企業はかなり力の入ったCMを製作して臨むため、スーパーボウルCMは映像クリエイター、広告マン、マーケター注目の対象になります。
毎年CMの名作が生まれると言われていますが、今年はどの様な広告合戦が繰り広げられたのでしょうか。
有名企業のスポンサーが軒を連ねる中、今年のメインスポンサーはTOYOTAでした。そして、スーパーボウルの目玉イベントであるハーフタイムショーはテレビの視聴率も最も高い瞬間と言われています。そんな国民大注目のハーフタイムショー終了直後のテレビCMはどこが勝ち取ったかというと、やはり、TOYOTAでした。
スーパーボウルのテレビCMに出演しているのは、誰もが知る有名なハリウッドスターや、スポーツ選手、歌手やアーティストなど、とにかく豪華な出演陣です。さすがアメリカ!テレビCMに起用する人もスケールが違う!と感動しますよね。
しかし実際は、アメリカではこの様な著名人がテレビCMに起用されることは稀なのです。
日本ではTVCMにおいて起用する芸能人は重要要素として見られているかと思います。「CM女王」と呼ばれる芸能人が存在するほど、CMの出演本数は、その人の人気の高さをあらわす指標になります。つまり、日本のテレビCMは、今日本でどのモデル、俳優、女優が人気なのかがわかる一つのバロメーターでした。
しかし、アメリカではテレビCMに出演する演者は人気度の最下層に位置するというイメージを持たれているらしいです。人気の無くなった、もしくは人気のない人が出演するのがテレビCM、と言われるほどです。
アメリカのテレビCMに有名人が出演しない理由は、アメリカの文化が背景にあると思います。
ニューヨークに住んでいると特に感じることですが、アメリカは多民族な国です。多種多様なバックグラウンドを持つ人が集まると、「最も高感度の高い有名人はこの人!」と定義するのも難しく、"CM女王"という言葉が生まれないのもわかります。
また、有名人にはファンもいれば、必ずアンチも存在します。有名人をテレビCMに起用した場合、そのアンチから商品や企業から嫌われるというリスクがあります。ですので、なるべくテレビCMでは無名な人を起用し、その分、商品の魅力を訴求する内容になっていることが多いです。
また、アメリカは訴訟文化の国でもあります。ですので、仮に商品にクレームが寄せられて企業が訴えられた場合、CMに出演した有名人にも悪影響が出てしまうため、テレビCMに出たがらない人も多いのではないでしょうか。
テレビCMのスポンサー側は、アンチからのイメージダウンを避け、有名人側は、訴訟リスクを懸念して出演したがらない、という双方の理由から、アメリカのテレビCMではあまり有名人をみかけないのだと思います。
そんな中、豪華な顔ぶれのスーパーボウルCMは、大変見応えがありました。
とはいえ、昔よりはアメリカのテレビCMに有名人が出演するケースが増えた、という話をきくこともあるので今後はこの傾向も変わっていくのかもしれません。スーパーボウルのテレビCM料がこの10年で2倍に増えているので、スーパーボウルのCMの注目度の高さが、CM界に影響を与えているのでしょう。
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