「人は誰でも社長になれる」という想いのもと、年齢・性別・スキル問わず、社長をめざす人たちの会社設立と事業成長を支援する会社・株式会社 Team Energy。
Team Energyには多種多様な事業会社がありますが、今回はその中でも採用支援を行う3社、株式会社 ストーリーテラーズ・株式会社 X-HUNT・株式会社 ハンドリングの社長が集結。
現在の採用市場の課題や、3社がタッグを組んで提供できそうなサービスなどについて、座談会形式で語ってもらいました。
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[執筆・取材・校正]株式会社ストーリーテラーズ 平澤 歩
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ーTeam Energyの中でも、採用支援事業を行う3社の代表取締役の皆さん。
まずは簡単な事業紹介をお願いします。
高野 美菜子さん(以下、高野)「株式会社 ストーリーテラーズ 代表取締役の高野 美菜子(こうの みなこ)です。Wantedlyやオウンドメディアなどの媒体を活用し、ストーリーの力を通じて採用ブランディングを行う事業を行っています。」
大井川 尚さん(以下、大井川)「株式会社 X-HUNT 代表取締役の大井川 尚(おおいがわ たかし)です。主にX(旧Twitter)などのSNSを活用した採用支援を行う、ソーシャルリクルーティング事業を行っています。」
安田 浩さん(以下、安田)「株式会社 ハンドリング 代表取締役の安田 浩(やすだ ひろし)です。体育会系大学生の就活支援事業を行っています。」
ーまずはじめに、「売り手市場」と言われて久しい昨今ですが、現在の新卒採用市場はどのような状況なのでしょうか。
安田「今年1月から事業を本格的にスタートさせた感想としては、やはり学生側の立場が強い売り手市場だと感じますね。
就活生側が入社する企業を選択できる立場にあるので、新卒学生の採用にはどの企業も苦労しています。多くの企業が、新卒学生の採用にかなりの費用を費やしています。
就活の時期はどんどん早まっていて、今はまだ2024年6月ですが、すでに再来年2026年卒業予定の学生向けの企業合同説明会やインターンシップが始まっています。
以前は、インターンで得た個人情報を採用活動に利用することは、表向きは禁止とされていました。現在は、インターンで得た個人情報を採用活動に利用することが公式に認められ、インターンを選考の場とする企業も増えてきました。
そのため、早い時期から内定を獲得する学生も増えていますね。
しかし、最近は新卒入社後、だいたい3年程度、早ければ1年も経たないうちに転職する新入社員も多いです。ですから企業は毎年、その穴を埋めるべく、新卒学生の獲得に必死になっています。」
ー新卒社員だけでなく、中途社員の採用市場も、優秀な人材の採用が困難な状況だと聞きます。業務の一部がAIにシフトされたり、事業規模を縮小したりしている企業も多いはずですが、なぜ人材を獲得することが難しくなっているのでしょうか。
大井川「それは、採用支援を行うエージェントが乱立していることが一因だと思います。
今、採用エージェントは1万社以上あると言われていて、優秀な人材の取り合いになっていますね。」
高野「一昔前は、採用エージェントの数が限られていたので、求職者は皆大体同じようなエージェントに登録していました。だから、企業もそのエージェントに求人情報を掲載しておけば、求職者から応募が来た。
しかし今、求職者がさまざまなエージェントに登録しているので、企業も1つや2つのエージェントに求人情報を載せただけでは、限られた数の求職者にしか情報を見てもらえず、応募が来なくなっています。」
大井川「求職者は、色々なエージェントから求人情報を紹介されるだけでなく、『カジュアル面談をしませんか?』と多くの企業からオファーをもらっています。
求職者も全ての面談オファーに応えられるわけではないので、完全に求職者側が企業を選ぶ立場になっていますよね。」
高野「特に中小企業は、人材の獲得に苦戦しています。
元々大手企業に勤めていたなど優秀と思われる人材は、採用エージェントの積極的な求人紹介によって、どんどん大手企業に引き抜かれています。
だから、中小企業は、優秀な人材と出会う機会すらないという構造になってしまっていると思います。」
安田「私はお二人より世代がかなり上なので、新卒から定年まで1社で勤めあげるのが一般的で、一度会社を辞めると、『どこの会社も雇ってくれないのではないか』という風潮がありました。
そして、私が20代の頃は今より情報量が圧倒的に乏しかったですね。
でも今は状況がガラッと変わり、新入社員がすぐに転職することも珍しくない。
『この企業の方が給料が高い』『この企業の方が休みが取りやすい』など他社の情報も、簡単に入手することができます。
そんな状況なので、求職者も大企業ばかりに注目してしまう。
中小企業にも素晴らしい会社がたくさんあるのに、エージェントにお金を払って求人情報を掲載しても、求職者に全然見てもらえないという事態が起こってしまっています。」
ー新卒社員も中途社員も人材の獲得が難しい、採用市場の厳しい現状がわかりました。
特に中小企業は、高い技術や働きやすい職場環境など、魅力的な要素がたくさんある会社であっても、求職者が集まりにくいという大きな課題があるようです。
採用活動に大企業ほど予算を費やせないことが多い中で、中小企業はどのように工夫して採用活動を行うとよいのでしょうか。
大井川「まさに、当社が支援しているSNSを活用した採用活動は、アカウントを無料で作成できることが多いので、取り組みやすいですよね。
獲得したい人材の層や職種によって、適したSNSは異なります。
Xは男性によく見られており、職種はITやDX関連、さらに年収が1000万円を超える幹部人材の採用に適しています。インスタグラムは女性によく見られており、職種は看護師や保育士の採用に特に効果があります。
Tiktokは20歳前後の若い世代によく見られており、高卒の若い人材が活躍する建築業や運送業との親和性が高いです。当社も支援させていただいたことがあり、運送業だと1日のルーティーン、建築業だと住宅リフォームのビフォーアフターをTiktokで発信して、企業の認知度アップにつなげました。」
高野「私のXのアカウントも、X-HUNTに運用支援してもらっています。
実際に、Xをご覧になった方から面談のお申し込みをいただきました!」
大井川「高野さんのように、社長のXのアカウントのブランディングや運用代行も行っています。
投稿の代行や、X上で見つけた優秀そうな人材へのコメントなどを行うほか、特に目ぼしい人材がいた場合は『一度カジュアルにお話しませんか』とDMを送ることもあります。
採用に多額の予算をかけることができないとしても、SNSでの発信やストーリーテラーズの手がけるストーリーのような採用資産を構築することはできます。
ますます採用難が加速していくと予想される中で、今のうちから採用資産を貯めておくことで、他社と差をつけることができますよね。」
高野さん「まさにその通りだと思います。当社のお客様にもその重要性をしっかりと伝えています。
採用がうまくいっていない中小企業の方とお話すると、『求人情報を出しても、求職者はみんな大企業にいってしまう』と言われることが多いです。たしかに大企業の方が、採用に費やせる予算は多いかもしれませんが、それだけでなく労力もかけ、工夫して採用活動を行っています。
最初から『ライバルが大企業だから、うちは求職者がやってこない』と諦めるのではなく、中小企業も工夫し、努力して採用活動を行う必要があります。
当然、中小企業であっても採用活動がうまくいっている会社もあります。
そういった会社は、SNSやYouTubeで積極的に発信したり、オウンドメディアを充実させたりと、自社についてしっかりアピールしています。
当社も、採用に悩む企業様と商談すると、『ストーリーテラーズにいくら支払って、何人くらい採用できるんですか?』と聞かれることがしばしばあります。
しかし、採用資産を築いて人材獲得に結び付けるためには、短期的な目線ではなく、長期的な目線を持って、求職者を安定的に呼び込む流れを作ることが大切だと、強くお伝えしています。」
なるほど、単に予算をかけるだけでなく、地道な努力が採用の成功につながるんですね。
ー最後に、今後3社でお互いにタッグを組んで提供できそうなサービスについて、ざっくばらんにアイデアを出してもらいました。
安田「当社が学生に紹介している企業様の中にも、広報がうまくいっていなかったり、求職者の目を引くような資料などを作ることに苦労したりしている人事や総務の担当者もいます。
X-HUNTやストーリーテラーズの力を借りて、会社のイメージを変えられるようなSNSアカウントやブログを立ち上げられるといいですよね!
残念ながら私に文章の才能がなく、その点では企業様のお力になれないので、お二人の力を貸してほしいです(笑)。」
高野「それ、とてもいいですね!
当社では実際に、記事コンテンツのプラットフォームであるnoteを活用したブログを、数社の企業様で運用支援していますよ。」
安田「ストーリーテラーズの作成するストーリーも、社長や社員の人となりが見えて、すごくいいですよね。
私もストーリーを作成してもらいましたが、会う人会う人に『安田さんのストーリー、読みました。すごく感動しました!』と大きな反響をもらっていて、少し照れくさいです(笑)。」
高野「当社のストーリーやブログの記事作成と、X-HUNTのSNSブランディングをパッケージ化して、ハンドリングが携っている企業様に提案しやすくするとよさそうですね!
『会社について何か発信したい』という気持ちがあっても、その企画やコンセプトの決め方がわからず、発信できていない企業も多いと思います。
なので私たち3社でタッグを組んで、企画やコンセプトを一緒に描き、企業の採用資産の構築に貢献できるといいですね!」
今回の座談会で、新卒・中途採用支援の新たな切り口を発見できた3社。
また、社長どうし、事業について熱く語りつつも、和気あいあいとした雰囲気なのが伝わってきました。
Team Energyには採用支援の事業会社だけでなく、飲食・美容・グラフィック・地域創生など、多種多様な会社があり、今回の3社のように、お互いの事業を掛け合わせてシナジーを生み出すことができる環境です。
こんなTeam Energyの場での起業に興味を持ってくださった方、ぜひ私たちと一緒に世の中に新しい価値を届けませんか?