Team Energy(チームエナジー)株式会社。
一握りの人しかなれない印象が強い「社長」というキャリアを社会の当たり前にするべく、「社長になりたい」「自分が持つ強みやアイデアで事業を起こしたい」という人達の会社設立とその後の事業成長を支援する会社だ。
現在、Team Energyのグループ会社として出資を受けたスタートアップ企業計6社が事業を行なっている。
それぞれの事業内容は、教育、パン屋、地方創生、マーケティングなど、多種多様だ。
そして、社長達の大半が社長未経験者。
介護業界に勤めていた者、
主婦をしていた者、
現在大学院在学中の者…
年齢・性別問わず、様々な社長達が日夜奮闘中。
そんな新米社長たちを一人前の社長に成長させるべく、力を尽くしているのがTeam Energy株式会社 代表取締役 田中 正(たなか ただし)社長である。
田中社長(以下敬称略)は、数々の会社で代表や役員を務め、業績不振に陥っていた会社を再生させた経験を持つ、経営のスペシャリスト。Team Energyには2022年11月に参画し、2023年に社長を引き継いだばかりだ。
田中がどのような思いでTeam Energyの社長に就任し、全身全霊で取り組んでいるのか。
その理由を紐解いていきたい。
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【インタビュアー/ライター】
ー伝えたいことを、伝えたい人に、文章で響かせる会社ー
株式会社ストーリーテラーズ
ストーリーライター 平澤歩
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志のある「100人の社長」を生み出したい
「人は皆、人の役、世の中の役に立つために、何らかの使命を持って生まれてきている。
そう考えた時、自分の使命は、世の中に志のある社長を生み出し、育て、そういった社長をたくさん輩出することだと思いました」
田中は17年ほど前から「100人の社長を生み出す」というビジョンを持つようになった。
田中は今まで起業・上場・企業の立て直しなど、経営の様々な局面を経験し、「社長」という生き方の辛さ、そして素晴らしさを実感してきた。
「こんなにも人間が成長できる仕事は、社長以外にありません。
社長という立場は、後ろ盾となる人がいない。自分で意思決定して前に進むしかないので、人間を一番成長させるんです。
そこで、『たくさんの社長を輩出できれば世の中がもっと良くなるはず。自分の今までの経営経験を活かして、100人の社長を世の中に輩出しよう』と考えました」
かくして、100人の社長を生み出すべく、「株式会社アンビシャス」を創業した田中は、元からよく知る当時20代の青年を1人目の社長に就任させた。
「お金だけ残すのは三流、事業を残すのは二流。人と理念を引き継いでいくのが志のある一流の社長です。
社長が退任したり、亡くなったりしても、理念と魂は受け継がれ、二代目・三代目とバトンが繋がっていく。そういった志を持った社長でないと、成長して世の中の役に立つことはできないと思っています。
私は志のある一流の社長を育てたいのです」
しかし、このような社長を一から育てるのは並大抵の仕事ではない。実際1人育て上げるのにも、田中は10年を要したという。
スケールの大きな夢を抱く、ある人物との出会い
そんな中、田中の今までの常識を覆す、衝撃的な人物に出会った。
「その人は『1年で100人の社長を生み出す、その後は1000人の社長を生み出す』という理想を語っていました。
私は『1人の社長を育てるだけでも難しいのに、なんてスケールの大きい夢を描いているんだ』と、半ば呆然とした思いで話を聞いていたのを覚えています」
その人こそ、Team Energy創業者の中村だった。
「中村は常にはるか先を見据えている。私利私欲のためではなく、日本や社会の未来のために自分が何ができるのか、本気で考えている。
これほどまでにスケールの大きな発想を持った人に、私はいまだかつて出会ったことがありませんでした。
そんな中村から、『自分はさらに大きな事業展開を見据えて動いていきたいので、Team Energyの社長を田中さんに引き継いでもらいたい』と言われました」
中村のビジョンや人柄に心を動かされ、田中は社長を引き受けることを決意した。
とはいえ、「人は誰でも社長になれる」という、これまでに無い新たな発想で新米社長を立派に育てていくのは、至難の業だ。
「グループ内に、熱意のある社長はたくさんいますが、経営経験のある人は少ない。数字の読み方、決算書の読み方、営業のPDCA、リーダーとしての心がまえなど、経営のイロハから伝えなければならない段階です」
新米社長を成長させるために
田中が社長育成を任された中に、うだつのあがらない一人の社長がいた。
事業自体は将来性があり面白い。
しかし、その社長は過去に一度、自分で立ち上げた事業に失敗した経験があり、自信の無さが随所に表れ、当然、売上も全く上がっていなかった。
「当時のその社長は、錆びついて動かなくなったブリキのおもちゃのようでした(笑)。この社長を本気にさせるには、真正面から本気でぶつかるしかない…!そう思いました」
田中は、その社長の勢いが加速するよう、毎週のミーティングの度に厳しく叱咤激励し続けた。しかし、しばらく状況は変わらず、その社長と同行営業に行く夢を見るほど、田中は思い悩んでいた。
「何とかこの社長に、もう一段階上の世界を見せてあげたい。人や世の中の役に立つ事業を行なうことの意義ややりがいを感じさせてあげたい」
営業先を紹介したり、一緒に同行営業したりと、必死の想いでサポートを続け、4ヶ月がたった頃、次第に社長に変化が表れはじめた。営業活動で少しずつ成果が出せるようになってきたのだ。
それをきっかけに自信を取り戻していった社長は、さらに精力的に営業を行なうようになった。
そして、社長に火がついたことで、社内メンバーの結束が高まり、それから数ヶ月後、半年で前年の3倍の売上をあげられるまでに会社は成長したのだった。
「他の社長もそれぞれに気合が入り、ようやく色んな芽が出始めました。やっと、そのスタートラインに立てた。Team Energyはこれからですね」
100人の社長一人ひとりを一人前の社長に
最後に田中の今後の展望を聞いた。
「個性豊かで一見バラバラに見えるけれど、根底にはTeam Energyの共通の価値観で繋がっている。互いに育て合い、高めあい、世代を超えて、バトンを受け継いでいく。
そして人や世の役に立つ社長を100人輩出する。この目標は必ず達成します!」
社長一人ひとりを、世の中に価値を生み出す一人前の社長に成長させるべく、これからも田中は全力で走り続ける。