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「分析手順からコンサル手法まで全部教えます! 」TDSEのデータサイエンティスト新人研修

今回の記事では、2023年度入社のデータサイエンティストの感想を交えながら、当社の新人研修について簡単にご紹介いたします。

当社の新入社員は、原則として入社後3カ月間の新人研修を受けたうえで実際の分析現場に配属されることになります。今回はこの3か月間にどんな研修を受けることになるのかを簡単にご紹介します。

2023年度は当社で初めて中途採用・新卒採用混合での研修が実施されたので、参加された新入社員の方に記事を書いて頂きました。
(かねてより行われていた新人研修についてはTDSE公式HPにも記載していますのでそちらも併せてご覧いただければ幸いです)

TDSEの新人研修で身に着けるスキルとは?

一般社団法人データサイエンティスト協会の定義によれば、データサイエンティストには「ビジネス力」「データサイエンス力」 「データエンジニアリング力」の3つが求められるとされています

  • ビジネス力:課題背景を理解した上で、ビジネス課題を整理し、解決する力
  • データサイエンス力:情報処理、人工知能、統計学などの情報科学系の知恵を理解し、使う力
  • データエンジニアリング力:データサイエンスを意味のある形に使えるようにし、実装、運用できるようにする力

(参照:データサイエンティスト協会スキル定義委員会シンポジウム資料(2019.10.17)6p.)

これらの3つのスキルについて、基礎的な部分を漏らさず習得するのが新人研修の目的になります。

一方で、採用時点で個々人が持っているスキルにばらつきがあるので、足並みをそろえながらベースアップを行う必要があると言えます。

そこで当社の新人研修は、データサイエンティストに必要とされるスキルをカバーできていない新入社員でも、最低限以上のスキルと今後成長していくための素養を3か月で身につけることを目的としています。

新人研修の流れ

当社の新人研修は大まかに「個別スキル研修」「分析実践研修」「ACRP(Analytics Consulting Role Playing)研修」の3つの段階に分かれており、4月入社の場合は以下の流れで6月まで研修が進みます。
7月からは個々の案件に配属され後述のOJTの形で分析業務に携わっていきます。


4月 個別スキル研修

入社直後の最初の1か月間は、個別のスキル分野についての広範な教育が中心となります。先輩社員を講師とした座学・演習、そして課題参考書やオンライン教材による自習等により、ビジネス力・データサイエンス力・データエンジニアリング力の基礎知識習得とスキル養成のための下地作りを行います。なおこれらの研修は最もボリュームが大きいため、2か月目以降も継続して実施されます。

具体的な研修テーマの例には以下のものが挙げられます。

  • ビジネス力関連
ビジネス課題の定義など一般的なプロジェクト業務の進め方に関する研修、お客様や社員同士でのコミュニケーションを適切に行えるようになるための言語技術研修、マナー研修など
  • データサイエンス力関連
分析プロジェクト特有の関連知識に関する研修、基礎的な機械学習の手法に関する研修、基礎的な統計分析手法に関する研修など
  • データエンジニアリング力関連
プログラミング技術に関する研修(python他)、データベース取り扱い技術に関する研修(SQL他)、分析の実行環境準備に関する研修(Linux, Git, Docker他)など


5月 分析実践研修

新人研修2か月目に入ると、分析実践研修と題しデータサイエンス力とデータエンジニアリング力に主眼を置いた実践的な課題に挑戦していくことになります。この研修では、予め用意された分析課題に対し、適切な分析の実施方法とデータの取り扱い方法を数人のグループで検討しながら実践していきます。このころから実践や演習を取り込んだ研修の比重が増え、機械学習などのモデルを実際に構築していきます。実際に手を動かしてコードを書きモデルを構築することで、座学で学んだ内容を身に着けていきます。この研修を通じて、最初の一か月の間に個別に習得した基礎知識を業務の流れと結びつけ、体系的な理解につなげていきます。


6月 ACRP研修

そして新人研修3か月目には、ACRP(Analytics Consulting Role Playing)とよばれるさらに実践的な研修が待っています。5月の分析実践研修では予め与えられた分析課題に沿って分析を実施しましたが、ACRPでは分析課題そのものを見つけ出すところから受講者に任されることになります。

ACRPでは当社の執行役員が様々な業界のお客様役となり、データサイエンスで解決してほしいビジネス課題を用意します。受講者はそのお客様に対してヒアリングを実施し、問題を具体的な分析課題に落とし込んだうえで、お客様に提案し、分析を進め、分析結果をお客様(役の執行役員)に対して報告します。

ACRPは、これまでの研修の総まとめのような側面があります。これは、データの処理などのデータエンジニアリング力、課題を踏まえた分析などのデータサイエンス力だけでなく、課題の抽出や報告などのビジネス面も問われるためです。また、ACRPでは、短期間に適切なアウトプットを出すことが求められるため、スピード感をもって行うことが求められます。

新人研修後の現場配属

3か月の新人研修ののちは、OJT(On the Job Training)という形でそれぞれの現場で実際に業務に携わってもらうことになります。OJTでは先輩社員やPM/PL(Project Manager/Project Leader)の指示のもと、分析実践研修で学んだようなデータサイエンス力、データエンジニアリング力を発揮することが期待されています。なおビジネス力については、OJT時点ではお客様との日常的なやり取り以上のスキルは要求されません。自身の分析作業スキルを磨きつつ、先輩社員やPM/PLがいかにして価値につなげるためビジネス力を発揮しているかを間近で学ぶことが重要です。


研修の感想

研修全体の感想としては、実践を通して演習形式で手を動かす機会が多かったので、座学で学んだ内容が定着しやすくよかったという意見がありました。更には、分析知識の引き出しを多く持てた、研修内容が多岐にわたり充実していたといった声がありました。

特にACRPは、「 (失敗も含めて) 業務全体の流れを体験する」ことに主眼が置かれており、ただデータを分析するだけでなく、『顧客が何を求めるのかを把握する、顧客に合う提案をする』といった実務につながるような経験を得られたという感想が多くありました。更に担当業務を通じて、ACRPで学んだ内容は、研修中の失敗を含めて実際の業務に活かせているとの声もありました。

また、2023年度は、初めて新卒と中途採用混合での研修が実施されました。研修を通した感想として、新卒からは社会人経験者からの知見やビジネスマインドを間近で得られたという感想が、中途からは互いに切磋琢磨でき実践的な研修を通して刺激を受けたという感想がありました。また、いろんなバックグラウンドを持っていて、お互いの技術力を見ながら刺激になり、足りないところはお互いフォローしながら共に成長できたとの感想がありました。

また、互いに絆ができ壁を感じることが自然になくなっていったとの感想が新卒・中途の双方からありました。




最後に

研修では大学教養程度の知識を求めており、それ以上の前提知識を求められることはありません。新卒や内定者の方におかれましては、就職するまではご自身の学業や研究に専念していただくことをお勧めします。また、いざ実際に研修を受けてみると、学生時代とは全く異なる知識が得られるという新鮮で楽しい感覚のほうが不安に勝るように思います。

そしてもちろん、新人研修さえ受けてしまえばもうデータサイエンティストとして一人前…というわけではありません。OJTやその後の業務を通じたスキルアップだけでなく、社会情勢や様々な業界の動向、さらに日進月歩のIoT技術やAI技術についての継続的なキャッチアップも怠らずにいることが求められます。新人研修はあくまでもその下地づくりにすぎないのです。

少し長くなりましたが、当社の新人研修についてご紹介しました。

データサイエンスを担う人材をどうすれば育成できるのかは、長らくデータサイエンス業界に関わってきた当社がそのノウハウを活かしながら試行錯誤を続けてきた課題の一つです。今回ご紹介した新人研修プログラムは、その試行錯誤の成果であるとも言えるでしょう。

本記事が、当社での採用志望の方はもちろん、データサイエンティストを志すすべての方にとって一助となれば幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました。



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