なにをやっているのか
七尾市一本杉通りの直営店(夜)
定番の形をした高澤ろうそく
1892年創業の高澤ろうそくは、和ろうそくの国内シェアNo.1を誇ります。製品としての和ろうそくだけでなく、和ろうそくがある暮らし、香り、火の温もりなども届けています。
手作りなの?大量生産なの?という話はものづくりではよく出ますが、高澤ろうそくは、「型」を有効活用した「中量生産」を行っています。手作りの良さを残しつつ、需要の増減に対応しやすい仕組みを整えているのです。
売上としては、国内卸売が軸となっています。長らく仏事用品がメインでしたが、現代風デザインへとアレンジした和ろうそく商品のおかげで、若い女性が訪れるショップへの卸も段々と増加してきました。
自分たちの直営店も持っています。創業した七尾市一本杉通りで、明治時代の建物を活かした香りのショップを展開しています。こちらは、観光客だけでなく、地元の方に愛される店づくりを大事にしてやってきました。
海外卸売は、これから。
新しい事業です。
なぜやるのか
直営店2階は、展示スペースに
植物をイメージした形状の和ろうそく「ななお」
海外卸売が拡大することで、高澤ろうそくの新しい収益源が生まれることが目的です。この1年半のインターン生による市場調査によって、高い事業可能性も見えてきました。
もっと大きなビジョンがあります。
それは和ろうそくが灯す「柔らかくて大きな明かり」を海外の方にも体感してもらいたいということ。
一般的な石油由来の洋ろうそくと高澤ろうそくではどんな違いがあるのでしょうか。
洋ろうそくは糸芯と鉱物性の油で形成されています。一方で和ろうそくは、和紙を原料とした芯と植物性の油で作られます。例えば、菜の花。菜の花ろうそくは高澤ろうそくの看板商品でもあります。天然由来の和ろうそくの方がその製法もあいまって、長く、大きな光を生み出すことができるのです。
オーガニックやナチュラルといったキーワードは全て外国から入ってきたものです。また、瞑想(メディテーション)やヨガといった使用機会も海外の方が一般的です。
ではそのときに、天然由来の和ろうそくは使われているのでしょうか?もっと大きくて癒される明かりを求めないのでしょうか?
だからこそ今、和ろうそくを海外へ、と考えています。
どうやっているのか
(左)現インターン生
アメリカからの取材が来たときの記念写真
1892年から続く、家業です。
高澤家で運営しております。
工場を軸とした社員さんは、地域の方を雇用しており、30名程度の規模となります。
昨年度から長期(6ヶ月程度)のインターン生を導入しています。これまで金沢大学から2名、北九州市立大学から1名が参加してくれており、今後も継続していく予定です。