テレビCMの視聴データと購買データを組み合わせ、これまで可視化が困難だったテレビCMの売上増効果を可視化するプロダクト「TVAL(ティーバル)」や、今放送されているテレビ番組の視聴率の推移グラフをスマホやPCで簡単に見ることができ、X(旧Twitter)への投稿もできるサービス「TVAL now(ティーバル ナウ)」を展開する株式会社スイッチメディア。本記事では、「お客様のビジネスをコンサルティングし、成功に導く」ことを掲げるビジネスコンサルティンググループのマネージャーを務めながら、自身もビジネスコンサルタントとしても活躍する高嵜にインタビューしました。
高嵜 文菜 ビジネス開発部 ビジネスコンサルティンググループ マネージャー
新卒でミクシィにて企画営業を経験。その後、スタートアップ企業で新規SaaSサービスの立ち上げや、大手飲食チェーン企業への導入、POS会社とのシステム連携など幅広く経験。当社には2022年に入社し、ビジネスコンサルティンググループのマネージャーを務める。現在はPRも兼務
課題の本質に深く切り込み、自分たちにしか出せない価値を創造する
ー 高嵜さんが担当するビジネスコンサルタントの役割について教えてください。
高嵜:「TVAL」などの自社サービスを紹介して導入してもらうだけではなく、広告主や広告会社、放送局といったお客様の要望や現状を踏まえ、それぞれの経営課題やビジネスの現場にどのような価値を提供できるのかを考えます。
「TVAL」はSaaS型のプロダクトですが、既存のお客様の業務プロセスの一部を担うだけではありませんし、また、プロダクトの設計思想に沿ってお客様の業務プロセスを作り変えるものでもありません。
ビジネスコンサルタントとしての役割は、お客様が抱える課題やマーケティング戦略に沿って、どのような価値を提供できるかを考え、必要に応じて新たな分析や戦略を提案することです。「TVAL」だけでは不十分な場合は、社内のエンジニアリングチームと連携して新たなプロダクトを作ることも可能です。私たちの真の強みは、お客様のニーズを明確にし、適切な解決策を提供することにあります。
お客様と共に、そのビジネスに最適な戦略を見つけ出し、課題を明確にし、最も効果的な解決策を模索することが重要です。私たちの役割は、単にスイッチメディアのバリューを提供するだけでなく、お客様の成功を最優先に考え、お客様が目指す目標に合わせた具体的な支援を行うことです。お客様ごとに異なる適正な出稿量や効率のよい出稿戦略を企画し、テレビCM出稿における取り組みの方向性や改善すべきポイントを一緒に見つけ出していく伴走型のスタイルです。
ー 競合他社と比較して、スイッチメディアの強みや特徴は何でしょうか。
高嵜:本質的な意味での競合他社はほとんど存在しません。正確に言うと「出稿したテレビCMの視聴数を知りたい」「どの時間帯のテレビCMが効果的か把握したい」といったニーズには他社のサービスやツールでも対応可能ですが、テレビCMを見た人と見ていない人の商品購入額の差から推計される売上増効果や、競合他社のCM出稿実績を把握し、戦略的に出稿量をコントロールするといった、より本質的な数値分析を考えているお客様にとって「TVAL」は圧倒的な優位性があります。その上で、お客様の課題や戦略に即したプロダクトの活用方法を企画、提案するスタイルを貫いてきたことで、花王様や明治様といったナショナルクライアントからも支持を集めるポジションを確立できているのだと自負しています。
さらに、「TVAL」の導入有無は、金額面や関わる担当部署の広さ、業務フローの改善や変更といった影響範囲の大きさからもテレビCM出稿業務に直接関わる担当者だけではなく、事業企画やマーケティング領域の役職者、ときには経営企画部門の役職者も巻き込みながら商談を進めます。こうした方々の中では、スイッチメディアや「TVAL」は既に広く認知されているため、トップダウンでのアプローチも増加しています。提案から受注まで1か月ほどで完了することもあります。
何十年と変化がない慣習にメスを入れ、健全な競争を促す
ー 高嵜さんにとって、入社前の想定と実際のギャップはありましたか。
高嵜:「TVAL」の導入を検討していただけるお客様は、テレビCM出稿を実施している広告主や広告会社、放送局です。特に広告主の皆様においては、莫大なコストを投下しているテレビCMに関してより良いパフォーマンスを発揮することに興味関心が強く、当社のテレビ視聴データの詳細な分析から出稿におけるPDCAを実現することに関心を持っていただけると考えていました。しかし、業界の慣習から脱却しにくいという課題があり、スムーズに話が進まないケースもあることに気づきました。
ー 具体的にはどういったものなのでしょうか。
高嵜:業界全体として、テレビCMの効果を具体的に計測し、それをもとにPDCAサイクルを回していくことはこれまで一般的ではありませんでした。そのため、経営層は広告による成果やコストパフォーマンスに関心を持ち、新しい手法に移行することの重要性を理解していても、実際のテレビCMに携わる部門では、これまでデータを見える化する文化が根付いていなかったため、「PDCAを回す」ということ自体がすぐには受け入れられないケースがありました。実際は現場も、これまでの慣習から脱却し、テレビCM出稿においてもPDCAを回すべきだという考え方に変わり始めています。すぐに取り組みが進まないケースもありますが、この変化を支援することこそが、私たちビジネスコンサルタントの重要な役割だと考えています。
また、広告会社や放送局との関係性から、広告出稿の細かなコントロールは難しいものと諦めてしまっているケースもあり、長らくメディアバイイングを担当されてきた方の中には、不利益を受けている立場ながら「今までのやり方を変えるつもりはない」と考える方もいます。こうしたプレイヤー間のパワーバランスは現在も一部で課題になっています。
「TVAL」を起点に、自ら考え、行動できるお客様を増やす
ー 高嵜さんにとって、特に印象に残っているお客様はいますか。
高嵜:医薬品や家庭用品を手掛ける国内大手メーカーは、広告会社からテレビCMの出稿を放送の数日前に突然告知され、変更や取消がほとんどできない状態に陥っていました。
そこでスイッチメディアは広告主と協力し、テレビCMの出稿量やタイミングについて広告会社と粘り強く交渉や提案を始めました。お客様が自ら意見を持ち始める中で、広告会社もパフォーマンス向上に一層注力し、この結果、両者が高いパフォーマンスを目指す強い信頼関係が築かれました。今では広告主は「TVAL」の可能性を広く発信するパートナーとして、当社のセミナーに登壇していただいています。
ー 広告主だけでなく広告会社にも良い影響が出ているのはすごいことですね。
自分たちの仕事の成果が不透明で、良し悪しが判断できない状態は好ましくありません。従来の慣習に縛られず、広告予算の消化が目的になっている現状を改善するために、「TVAL」は重要な役割を果たしています。
「TVAL」が広がることで、成果とパフォーマンスにこだわる広告主が増えています。これにより、広告業界全体にも新たな価値を提供できていると自負しています。広告主が自立して様々な施策を企画、実施できるようになると、広告会社は新たな形で価値を提供する道を探し出すでしょう。少しずつではありますが、「TVAL」が勘と経験に頼りがちだった業界に一石を投じ、健全な競争が生まれる市場に変わりつつあると確信しています。
「ミーハー」や「知りたがり」であることがそのまま生きる仕事
ー 高嵜さんから見て、スイッチメディアのビジネスコンサルタントにマッチする人物像はどんな方ですか。
高嵜:色々なことに興味関心を持っていることが第一です。私たちのお客様は、世間の流行やトレンドを形作る企業が中心です。テレビなどを見て「どうして今はこれが流行っているんだろう」「この製品やテクノロジーはもっと盛り上がるのではないか」と考える方は、きっと楽しんでいただけると思います。
また、私たちが日々相対するお客様の中には、自分たちの組織にある課題を認識していないケースもあります。そうしたお客様に対しては、単に要望を聞くだけでなく、自ら切り込んだ指摘や提案が必要です。提案内容をロジカルにまとめ、お客様の環境やワークフローの変化にも気遣いながら、「TVAL」などのツールを活用するメリットをお客様と一緒に考えるホスピタリティが重要です。
マーケティングの最前線に、新たなトレンドを生み出す
ー ビジネスコンサルタントとして働くには、テレビCMや広告ビジネスの実務経験は必須でしょうか。
高嵜:入社時点でテレビCMや広告業界に詳しい必要はありません。スイッチメディアのビジネスコンサルタントの出身企業や志向性は本当に様々です。ナショナルクライアントと日々向き合い、提携商材ありきではなく本質的なソリューションの提案に集中して取り組める方であれば大歓迎です。
当社の人数規模に対して扱うビジネスのスケールは非常に大きく、ベンチャー企業ながら世の中に与えられるインパクトは想像以上だと思います。テレビCMというマーケティングの最前線で新たなトレンドを生み出す仕事に興味がある方は、ぜひご応募ください。