こんにちは。採用担当の小野です。本日は、社内活動として実施しているアウトドアカフェをレポートします。北九州市 企画調整局 地方創生推進室をお招きし、北九州市の地域振興・シティプロモーションについてお話いただきました。スペースキーもこの活動の一部に関わらせていただいております。活動を通じてどのような手ごたえがあったのか。未来に向かってどのような施策を講じていくのか。現場のリアルな声をお聞きしました。
今回お話いただいた方
写真右:岩田さん(※現在はフリーで北九州市のシティプロモーションに従事)
写真左:假水さん(北九州市 企画調整局 地方創生推進室)
北九州市ってどんなところ?
北九州市は、九州最北端に位置する「九州の玄関口」。同時にアジアのゲートウェイとしての役割も持ち合わせています。海に面しているため、豊富な水産資源があるのが特徴。また、市域の約4割が森林など、政令指定都市の中でも海、森の自然に恵まれた豊かな環境が揃っています。
かつては「修羅の国」とも揶揄されていた北九州市。でも本当は、都市部にも近く豊かな自然環境に囲まれた、住むにはとても魅力的な街でもあります。そのため、最近では「子育てしやすい街」「移住したい街」としても注目を集めています。
こんな活動をしてきました
様々なメディアと組んで、PR活動をしてこられた北九州市。はじめは雑誌や観光ガイド誌を中心に、食の魅力をアピール。最近ではYoutuberを活用した、若者層へのアピールにも力を入れています。まずは知ってもらわないことには来てもらえない。色々なメディアを通じて、様々な方面からの魅力をアピールしてきました。
スペースキーとの取組み
スペースキーは、釣りWebメディア『TSURI HACK』を通じてお手伝いをさせていただきました。(日本にパラダイスが残ってるのか?!編集部が試してきた https://tsurihack.com/3141)北九州市は釣りのパラダイスであること、釣り初心者やファミリーも気軽に楽しめる「釣りいこか倶楽部」があることなどを記事でPR。『TSURI HACK』でも記事の反響は高く、多くの釣りユーザーに、北九州市の魅力を伝えることができたと考えております。
また、『TSURI HACK』の取材とは別に、北九州市のアウトドアフィールドの視察もさせていただきました。北九州市には、九州随一のカルスト台地のひとつである平尾台があり、石灰岩柱が広がる羊郡原(ようぐんばる)や千仏鍾乳洞が観光スポットとなっています。周辺にはキャンプ場もあり、それらを含めたアウトドアフィールドの可能性について提案させていただきました。
このように、眠ったアウトドア資源がたくさん存在している北九州市。ただ、地元の人たちにとっては当たり前の存在すぎて、その魅力になかなか気づくことができません。そこで、北九州市が定期的に行っている「北九州市定住・移住推進会合」で、「スペースキーの考える、北九州市におけるアウトドア視点でのシティプロモーションの可能性」についてお話する機会をいただきました。当日は、市内のアウトドア事業者さん50名強が参加するなど、意識の高さを実感。「北九州市のアウトドア資源を活かしたシティプロモーションの可能性をみんなで考え、共有する大変貴重な場となりました!」と嬉しいコメントもいただきました。今後も定例的に集まって意見交換を行っていくそうです。
現状と今後の課題
様々なプロモーションを通じ、北九州市への認知が広まりつつあります。ですが、アウトドアフィールドに関しては、まだまだ本質的な魅力を配信できていないのが現状とのこと。スペースキーとしては、地域資源の魅力の掘り起こしと自然を活用した観光化の整備、また、情報発信力を活かした本質的な魅力を伝えるプロモーションの側面から、北九州市をサポートしていきます。北九州市とスペースキー、お互いの強みを活かした活動ができればと考えています。
質疑応答
Q.『TSURI HACK』編集部です。編集部内でも、「釣りをするなら北九州!」という意識が根付いたようで、取材後もずっと言ってました(笑)。ぜひ今度釣りしに行ってみたいです!ところで、色々とプロモーションされているようですが、具体的な反響とか、所感としてはいかがでしょうか?
(岩田さん)実際に多くの釣り観光客が訪れていただいていますが、まだまだ可能性はあると考えています。これによる一番の効果は、現場の人たちを巻き込めたこと。ただ、彼らは漁業関係の人たちなので、情報の発信についてはまだまだです。また、インバウンド(訪日外国人観光客)誘致の可能性は十分にあると目論んでいます。私は一時期中国にいたのでわかるのですが、中国の方は中国で生の魚を食べません。日本に来て刺身や寿司を食べるんです。そういったニーズをまだまだ取り込めると。北九州市のある回転寿司屋では、観光客が釣った魚を買い取って、さばいて寿司にし、レーンに乗って流していました(今ではやっていないかもしれませんが)。その際に「○○さんが釣ったマグロ」とかポップもつけてくれる。これは嬉しくなりますよね。こういったやり方は北九州に関係なく、どこでもやれることでもあります。みんなが労力なく、もっと魅力あるやり方がまだまだできるのではないかと感じています。
(假水さん)観光釣り船は現在、21隻体制。この規模感でやれているのは、地元漁協の協力が大きいですね。プロモーションを始めて大きく変わったなと思うことは、船長さんのサービス精神があがったこと。また、地元の漁協とうまくリレーションをとれるリーダー的人材が協力的に動いてくれたことも、全体の環境構築に貢献していると思います。
Q.『TSURI HACK』として日々考えているのは、より多くの人に興味を持ってもらうにはどうすればいいのかということ。釣り未経験者を取り込んでいかないと、業界が縮小するのではと懸念しています。北九州市では、釣りに興味ない人や、やったことがない人に対して、どのようにアピールしていくのですが?計画やアイデアがあれば教えてください。
(岩田さん)釣り雑誌や釣り番組は、釣りをする人しか見ないですよね。何かのおまけとしてプロモーションをすれば、今まで見向きもしなかった人の目に入ることができると思います。北九州市でも、始めは雑誌の特集として、おまけような形でプロモーションをしたりしました。それから、北九州市だけを取り上げた観光雑誌やタウン誌、グルメ誌など色々出しました。様々な興味がある中で、「北九州市っていいね」と思ってもらう。釣りに関しては、まず釣ってもらわないことには楽しさは伝わらないかと。あれこれ、色々な方面からプロモーションしてみるのがいいのかもしれませんね。
(假水さん)「釣り」の魅力を伝えるという点でも、色々な切り口で実際にプロモーションしました。例えば、船釣りって「朝が早い」という既成概念がありませんか?そこで、船長さんたちの協力を得て、短時間でも船釣りを楽しめるプランを作り、エントリーへのハードルを下げたりしました。また、釣りをすれば、釣りたての新鮮な魚が食べられる。「食」という側面からもアピールしたりしました。「釣りをしたい人」と「美味しい魚を食べたい人」で比べると、圧倒的に後者のほうが多いんですよね。少し視点をずらしたりして、色々なターゲットに向けてアピールするといいかもしれません。
Q.登山など、釣り以外をフックにした施策とかはありますか?
(岩田さん)北九州には高い山がないので、がっつり登山したい人には刺さらないですね。やはり、九州を観光するのであれば、北九州だけでは完結しないんです。登山をするなら熊本に行ったり、食を楽しむなら福岡市内へ行ったり。九州が抱えている一番の問題はそこです。九州というひと括りの中で、観光客を回そうという意識がない。自分のところで囲ってしまうんです。レンタカーがあれば、福岡・熊本・大分など見て回れます。そういった楽しみ方を伝えるには、メディアの力を借りるしかない。自治体でやっていくとどうしても限界があります。スペースキーさんのような、新しいメディアの価値を取り入れながら、常識を打ち破るような取組みが必要になっていると感じています。
-岩田さん、假水さん、貴重なお話ありがとうございました!スペースキーでは今後も、北九州市の地域活性に取り組んでいきます。今後の取組みにご期待ください!