みなさん、こんにちは。スペースデータ採用担当です。
スペースデータで活躍するメンバーがどんな経験を持ち、日々どのような仕事に取り組んでいるのか、その一端をお伝えするために、社員インタビューや対談インタビューをお届けしています。
本日は、2025年1月よりスペースデータに参画した 飯野翔太さん のインタビューです。 これまでのキャリアでは、宇宙産業に携わりながら、AIなど新技術の研究・開発〜実用化までを手がけられてきました。現在は“ イノベーティブプロダクトマネージャー ”として、社内で進行中の各プロジェクトを横断的に管理したり、技術的な観点からの対外調整などを担当されています。
今回、飯野さん個人にフォーカスするべく、現在のミッションや今後のビジョン、宇宙に興味を持ったきっかけ、これまでのキャリアや休日の過ごし方など様々な視点からお話を伺いました。
【 プロフィール 】 イノベーティブプロダクトマネージャー 飯野 翔太(いいの しょうた)さん シドニー大学で学士、慶應大学でシステムズエンジニアリング修士、筑波大学で工学博士を取得。有人宇宙分野ではISS日本実験棟の運用管制官やHTV運用、有人宇宙船の安全性評価を担当。無人宇宙分野では衛星画像や測位衛星の活用、IV&V(独立検証・妥当性確認)に従事。エンジニアリング、研究開発、特許取得、新サービス創出に幅広く携わり、2社の民間企業で初のAIサービスを主導。宇宙以外の医療AI・レジリエンスの研究にも注力。IEEE Aerospace Conference 2022 Best Paper in Track Award受賞。健全性予測及び管理技術の国際学会PHM Asia Pacific 2023・人工知能学会SIG-SMSHM幹事。2025年に当社に参画。
システムズエンジニアリングとAIの二刀流エンジニア。 ── 本日はよろしくお願いいたします。簡単に自己紹介をお願いできますか?
よろしくお願いします。飯野翔太です。 学部では 宇宙物理学・数学、修士ではシステムズエンジニアリング を勉強し、博士では 衛星画像を用いたAIによる都市変化分析・人口推定の研究 をしていました。 大学卒業後は、数社の宇宙企業で、 有人/無人宇宙・自動運転・船舶・AI等 様々な業務に携わってきました。
── ありがとうございます。過去には営業も経験されていたとお聞きしましたが …?
はい、技術営業も経験させていただきました。研究開発したものをサービス化し、それを国際学会・展示会などで発表・展示、顧客への提案・提供までしてきました。
── とても幅広いですね。2025年1月にスペースデータへ参画されて、まだ間もないかとは思うのですが、スペースデータでの役割や業務内容について伺えますか?
プロダクトマネージャーとして、プロジェクト全体を横断的に見つつ、 経営・事業・政策・PR側と技術側の橋渡し的な仕事 をしています。またいくつかのプロジェクトでは取りまとめもしています。
── 現在はどんなメンバーと関わる機会が多いのでしょうか?
はい、メンバー全員と関わっています。
── 具体的には、どのように仕事を進められているんですか?
社内が保有する全技術を整理して今後獲得していくべき技術の識別を行ったり、具体的なプロジェクトではクライアントからニーズのヒアリング・技術的な調整等をしたりしています。その上で、どのように顧客のニーズを実現できるかをメンバーと一緒に検討し、実行に移しています。
民間企業2社で新規AIサービスの立ち上げを経験。 ── 前職は有人宇宙分野の企業で勤務されていたんですよね。ずっと宇宙産業に携わられているんでしょうか? 宇宙産業にずっと携わっていましたが、 前職では船舶・自動車の分野の仕事も行っていましたし、現在は大学の研究員として医療AIの研究 も行っています。 ── 医療AIの研究とは、具体的にどのような研究なんですか?
「血液中の白血球自動分類を行うブラックボックスのAIモデルが一貫性のある推論結果を出しているか?」 といった研究を行っています。高い安全性が求められる分野という意味で、宇宙と医療は近い存在だと思います。
── 船舶や自動車などの分野では、どのような分析をされていたんですか? 船長さんやプロドライバーの『匠の技』の分析・モデリングを行い、 自動運航船や自動運転の安全設計支援などをしていました。この匠の技の蓄積・分析をするうえでもデジタルツインは重要 だと考えています。
── AIサービスの立ち上げとは、具体的にどのようなサービスだったんですか?
これまでのキャリアを振り返ると、2社で企業初のAIサービスの立ち上げに携われたことは大きかったと感じています。地理空間情報の企業では、『衛星画像にAI技術を用いることで、世界の都市変化解析と人口推計を自動で行なう技術』の研究開発、特許化、サービス化をリードしていました。
── それは具体的にどのような場面で使用されるサービスなんですか? 開発途上国等における都市計画、インフラ整備計画、災害時の被災エリア検出、市場分析などに活用できます。 たとえば農業の場合は「どこの土地を利用すれば良いのか?」と検討したり、ビジネス・マーケティングの場合は「どのエリアに店舗を出店するべきなのか?」と情報収集したりすることが可能になります。これらのアプリケーションが行きつくところが地球デジタルツインであり、世界的な社会問題・都市開発・防災など様々な分野の課題を解決することに貢献できると考えています。
── なるほど。もう1社ではどのようなサービスを立ち上げられたんですか? 有人宇宙分野の企業では、「ブラックボックスなモデルであるAIが、どんな根拠を持って判断したのか?」を網羅的に検証するという研究開発とサービス化を行なっていました。
── それは、「AIがすべて正しいとは限らないので、ブラックボックスのAIの導き出した回答が信頼できるか、安全であるかジャッジするシステム」という認識で合っていますか? はい、その通りです。 宇宙や医療など安全性の高い分野だと、「なぜそのAIがこういう判断をしたのか?」がブラックボックスのままだと安全性が担保されないので実用化できないんです。 そのAIの根拠の部分を可視化して検証し、それを設計者・運用者に伝えないといけない。
その手法を応用したものとして宇宙ステーションのテレメトリデータの異常検知の研究も行っていましたが、その研究を実用化しようとすると、宇宙システムのデジタルツインに行きつきます。 ── ここまでお話を伺って、これまでの飯野さんのキャリアがデジタルツインに繋がっていると感じました。
新技術の研究・開発から、実用化まで。 ── 飯野さんはスペースデータにジョインする前から宇宙事業に携わられていますが、宇宙に興味を持ったきっかけを教えていただけますか? 小学生の頃に、『宇宙の美しい写真』に心を奪われたことがきっかけで、宇宙の世界を目指すことを決めました。
── それはどんな写真だったんですか? 星の誕生や爆発などの写真を本や図鑑で目にしたんですけど、その美しさが宇宙に興味をもったきっかけでした。その 当時、宇宙に関わる職業といえば宇宙飛行士が真っ先に思い浮かんだので、「夢を叶えるためには、早い段階で英語で宇宙を学ぶ必要がある!」と考えて、オーストラリアの大学に留学し、宇宙物理と数学を英語で学びました。
── 当初は宇宙飛行士を目指されていたんですね! はい。今も宇宙業界に携わっていますし、宇宙飛行士選抜に挑戦したいという想いもあります。 一方で 「グローバルなフィールドで、新しいチャレンジをしたい!」 という想いも強く、 【宇宙×グローバル】 に関わる新技術・サービスを次々と生み出していきたいと考えているところです。
── 飯野さんが思う、『新サービスを立ち上げる面白さ』を教えてください。 世界中の研究者が研究している最先端の技術を学んで、実用化していけることが楽しいです。
たとえばAI分野では、世界最先端の研究が日々ものすごいスピードで進んでいます。それらを理解し、既存の技術と組み合わせて化学反応を起こすことで、実用化していくということに面白さを感じています。
── 研究・開発だけじゃなくて、世に出すまでが最終的な目標なんですね。 はい。それがプロダクトマネージャーという仕事にもつながりますが、研究開発した技術をサービス化し、世の中で使われるようになるというところまで意識しています。
オーケストラ・芸術鑑賞が仕事のヒントに!? ── ここまでは仕事の話をメインで伺いましたが、プライベートではどのように過ごされているんですか? オーケストラ・芸術鑑賞・スポーツ等が好きです。 例えばウィーン・フィルの演奏では、一流の演奏者による息の合ったアンサンブルと、聴衆との相互作用が生み出す化学反応によって、これまでにない特別な空間が生まれます。 他にもスポーツ観戦や絵画鑑賞など、宇宙以外の分野でも一流と一流の技術と個性の化学反応を感じることで、仕事のヒントを得られる時があるんです。
── 仕事以外の時間でも、宇宙以外の分野でも刺激を受けられているんですね。 はい。 スペースデータも新しいことに日々挑戦しているので、それぞれのプロジェクトで動いている技術と技術、人と人とを掛け合わせて、化学反応を起こし、今までにない新しいものを次々に生み出していけたら理想ですね。 佐藤さん(スペースデータ代表:佐藤航陽)が掲げるビジョンや『統一されたアーキテクチャ』の下、一気に推進してイノベーションを起こしていきたいと思っています。
── スペースデータのメンバーは皆さんそれぞれ個性的で、それぞれ異なる領域の技術をお持ちですものね。飯野さんに期待されている役割やミッションが理解できました。
最先端の刺激に触れながら、化学反応を起こす。 ── 今後の目標や目指すべきビジョンについて詳しく教えてください。
スペースデータのビジョンである『持続可能な宇宙社会』の実現に向けて、デジタルツインを活用したオープンプラットフォームを通じて、グローバルな視点で産官学芸と連携し、共創していくことが重要だと考えています。 従来の概念を超え、新たな可能性を切り拓きつつ、地球規模の課題解決と持続可能な未来の創造に貢献していきたいですね。
── ありがとうございます。飯野さんが日々心がけられていることはありますか? 今の現状に満足せずに、どんどん世界最先端のものをキャッチアップできるようにしています。 それぞれの分野で世界最先端の研究をしている人たちと話したり、現地で最先端の技術に触れたりすることがすごく大事だと感じています。限界を設けることなく新たな挑戦に取り組み、デジタルツインやAIを活用し、グローバルな課題を解決していきたいと思っています。
アインシュタインの格言に、 「The more I learn, the more I realize I don't know. The more I realize I don’t know, the more I want to learn. (学べば学ぶほど、何も知らないということが分かるようになる。何も知らないと分かるようになるほど、もっと学びたくなる。)」 という言葉があります。
学べば学ぶほど、自分の知らない世界の広さに気づき、その発見がさらなる学びへの意欲をかき立ててくれるこの姿勢を大切にしたいです。
── スペースデータ内にも、各分野の最先端をいくメンバーが在籍していると思うのですが、社内の印象はいかがですか? 異なる様々なスキルを持った素晴らしい方々がいるので、日々一緒に仕事をしているだけで勉強になりますし、すごく楽しいですね。 人と人、技術と技術の化学反応を次々に起こしながら、新しいことにどんどん挑戦していける感覚があります。
── 最後に、この記事を読んでいる方に一言お願いします。 社内外問わず、少しでも興味を持ってくれた方々と一緒に新しい世界を切り拓いていきたいですね。一緒に共創して、化学反応を起こしつつイノベーションを起こしていきましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました!次回のインタビューもぜひ楽しみにお待ちください。
スペースデータでは、様々なポジションで募集を行っております。詳細は求人票にてご確認ください。 皆様からのご応募を心よりお待ちしております。