ビジネスクリエーター室メンバーの過去の対談記事を掲載しています。
今回紹介するのは、Life Space UX を担当する中島と、 MESH project の山崎の対談です。
(対談は、2015年8月に実施したものです)
=自己紹介=
=対談=
中島:山崎さんは、どうしてビジネスクリエーター室に入ろうと思ったんですか?
山崎:大企業の中で、可能性を秘めたビジネスの芽を、自らがリードして育てられる環境がそこにあったからです。運営メンバーからは「思う存分やってこい!」という言葉をかけられました。この仕事に就く前は、全世界で展開するヘッドホンの商品企画をリードする立場でした。数100億のビジネスに、マネジメントとして責任を持つ立場で、大きなやりがいを感じていましたが、一方で、大企業のなかで、個人としてビジネスの局面を決する機会を持ちたい、という想いも正直ありました。そんな時、「新たに事業を立ち上げる」という経験ができると知ったことで今しかないと考え、チャレンジすることを決めました。ちなみに、中島さんはどうだったんですか?
中島:私の場合は、将来的に経営をリードしていく人材になるためには、新規事業立ち上げを通じて、これまでと異なるマインドと幅広いスキルを身につける必要があると痛感しました。幼少期をロンドン・ニューヨークで過ごし、ソニーに入社してからも、キャリアの半分近くをタイやシンガポールなど海外のフィールドで経験を積みながら、セールス・マーケティング領域では実績を挙げてきた自負もあります。その一方で、急速な市場変化や競合他社の台頭により、海外の現場で厳しい戦いも強いられてきました。この苦い経験から、自身がより飛躍することで、ソニーが競争に勝ち続けられる「元気で力強い会社にしたい」と思ったことがきっかけで、ビジネスクリエーター室の門をたたきました。
山崎:中島さんはビジネスクリエーター室に入ってから1年半ほど経ちますが、現在どんな課題を感じています?
中島:長年、セールス・マーケティングの領域で経験を積んできたことから、良くも悪くも、これまでの経験と価値観に基づいて物事を判断してしまう習慣は抜けきっていないなと感じていますね。新しいコンセプトの商品やサービスを企画し、市場を創っていくには、顧客が抱える課題やインサイトを深掘りした中にある、本当の体験価値を見出さなければいけない。だからこそ、当たり前に思える、スピード感と「顧客視点」に立って発想することを、常に心がけるようにしています。
山崎:確かに。例えば、価格を決めること一つとっても、その視点が必要ですよね。MESHの場合、ベンチマークする他社商品や市場がない状態で、顧客は何を価値筋として判断していただけるかを見極めないといけないといけませんでした。ここで、スピード感をもって、ワークショップやMeetupなど顧客との接点をとにかく作り、顧客がどこに価値を感じているかを、リアルな場で掴み取りました。これに加え、イベントごとに都度、顧客の価格意向に対するデータを徹底的に収集・解析した上で、仮説を作り、次のイベントでさらに検証・分析ということを繰り返したおかげで、当初仮説に比べ、定量的にも納得感のあるプライシングが実現し、ローンチにこぎつけました。当然、それで終わりはなく、ローンチ後にユーザーから発信される様々な声から本質的なインサイトを見出し、スピーディーに次の施策に反映していく、その繰り返しです。
中島:ちなみに、いつもキツいとは思いますが…(笑)、特につらかったのはどんなときですか?
山崎:良い仮説が組み立てられず、ゴールが見えなくなった時ですね。「MESHの初期ユーザーになってくれる顧客は誰?」「MESHの真の価値は何?」と、サンフランシスコのVCが集う展示会で集中砲火を浴びました。自身やチームで考え抜いたつもりでも、迷いが生じ、明確な答えが打ち出せないと、相手にされず去っていかれる。その場で、信念をもってやってきたことが全否定されるんです。これは顧客に対しても、同じ経験をしました。
中島:うんうん、わかります(笑)。お客様から手厳しいフィードバックをもらい続けていくうちに、何を創りたいのか方向性を見失ってしまうようなつらい時期ってありますよね…。でも、ここでひいてはいけない。失敗を恐れず、顧客を見て、逃げずに進むくことで、光が見えてくること知りました。
山崎:逆に中島さんは、うれしかった出来事って言われたときに何が思い浮かびますか?
中島:最初のビジネスクリエーター合宿ですね。初めて他のビジネスクリエーターのメンバーと会ったときに、「なんて個性的な連中の集まりなんだ!」と感動したのは、今でも忘れられません。メンバー全員が、社内・社外を通じて異なる経験を積んで成果を残してきているので、自分自身をもう一段高めることができる環境に身を置くことができたことに喜びを感じました。今後一緒に働く方も、たぶん同じことを感じるのではないかなと思いますね。ビジネスでは厳しいプレッシャーを感じることも多くありますが、仲間を信頼し、場合によって頼る。こういう高め合える環境があるのも、ビジネスクリエーター室の魅力だと思います。
仲間を募集しています
山崎や中島のように、ビジネスクリエーター室で、強い情熱をもって新規事業をリードしていく仲間を募集しています。
ソニーには、多くの事業領域で、可能性を秘めたビジネスの芽が生まれています。
ソニーには、世界を舞台に、同じ志を仲間とともに、新規事業を担える環境があります。
新たな事業を立ち上げていくには、新規事業経験や海外経験が武器になることは間違いないですが、現時点で必ずしも必要なわけではありません。むしろ「この状況をどうすれば打破できるのか」をとことん考え抜く、強い情熱と意志を持っている方と一緒に仕事をしたいと思っています。
世界を舞台に、本気で戦ってみたい方はぜひ、下記募集から応募してください。
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