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#34.感謝の気持ちと未来への道筋【社員インタビュー】

こんにちは!株式会社ソーラーパートナーズ広報担当の坂下智子です。

林くんのインタビュー最終回は、林くん自身について、未来についてのお話です。


前回の記事はこちら

#32.レポート書きながら石鹸作った学生時代 学業から得たもの【社員インタビュー】

#33.本気の学業と本気の面接 本気から生まれた縁【社員インタビュー】

-ここまで学生時代やそらっぱの事を聞いてきましたが、今度は林くん自身について聞きたいと思います。これまでに転機となった事や心に残る出来事などはありますか?

転機になったのは東日本大震災です。私の地元は福島県南相馬市で、海から1kmない所に自宅がありましたので、津波と原発事故両方で被災をしました。当時のことは今でもよく夢に出てきます。被災したのが高校を卒業する年の3月だったので、これから上京して、いよいよ楽しみな大学生活が始まるという矢先でした。自宅は高台にあり、幸い家族も全員無事ではありましたが、家業であった農業用のビニールハウス、田んぼ、畑は、全て流されてしまいました。

津波が来る直前、私は流されてしまうビニールハウスの中にいたのですが、たまたまふらっとハウスの外に出た時、バリバリと遠くの松林をなぎ倒していく津波を見て、祖父母とともに間一髪避難することが出来ました。この時偶然外に出なかったら、私はここにはいないと考えるとゾッとしますね。

-地震の日は私は東京にいましたが、よく覚えています。そんな事があったんですね。

無事とは言え、福島第一原発から約25kmに自宅がありましたから、上京するまでは福島市の避難所での生活でした。避難所での生活をして、色々な物事の価値観が変わる経験をしました。ガソリンが入手できず、スーパーには買う物がない。原発事故の影響で物資の流通も滞っていましたし、買占めも起きていたからです。お金があっても買える物がない、欲しいのに買えないという状況から、お金ってただの紙切れなんだという事や、普通にものを食べ、電気や水道が使える当たり前の日常が、いかに幸せなものかを痛感しました。

また、ご近所さんのほか、小中学校から仲の良かった同級生が津波で亡くなってしまったのも、当時かなりショックでした。答えなどないのが答えだと思いますが、なぜ彼は死に自分は生かされたのかと、生きる意味を考えたこともありました。

-経験は人を成長させると言いますが、考えるほどに自分自身や身の回りに対しての考えが変わりそうです。

中々できる経験ではないですね。震災時に「これ以上のことは、この先の人生で早々ないだろうな」というインパクトのある経験をしてしまったので、良くも悪くも、歳に似合わず達観してしまった感じはあります。

絶対自分の身の回りには来ないと思っていた大きな災害が来たわけですから、もうそれからは物事全てが「来るかもしれない想定内の出来事」に変わってしまいました。人間は「こういうこともあるだろう」という想定というか、危機予測が出来ていると、何かあってもメンタルのダメージが少ないんですよね。少々辛い出来事があっても、「あのような未曾有の大災害だって来るんだから、こういうこともあるよな」と受け身が取れるようになりました。


あと震災の時のエピソードで印象に残っているのが、ビニールハウスが流されたあと祖父が「今まで頑張ってきたのに何でこんな目にあうんだろう...俺何か悪いことしたのかな」と言っていたことです。

私の祖父は毎日朝5時前に起きて仕事をし、夜中まで野菜の出荷準備をしている勤勉な人でしたし、家族や周りにも人当たりがよく、誰が見てもいいおじいちゃんだったと思います。そんな祖父が無常にも家業の全てを奪われて、悲嘆に暮れているのは、物事のつじつまが合わないというか、世の中は因果応報ではないのだ思い、大きな無力感を感じました。震災の時に感じたこうした感覚が、その後の人格形成にかなり影響していると思います。

その後、上京してからの話ですが、周りが苦労しながら過ごす避難所生活を1人だけ抜け、大学へ進学することに対し、かなり負い目を感じていました。自分だけ何不自由ない生活をして良いのだろうか...という気持ちを抱えながら、悶々と過ごしており、田舎を見捨てて出てきた自分は被災者でもないし、大学生でもない、その中間なのだという感覚を持っていました。

ただ、学校が始まってからは、ちゃんと大学生になろう、今やるべきことは勉強しかないと開き直り、それからは先ほどお話した学業に力を入れた学生生活に繋がります。あの被災直後の混乱の時期に「ガソリンが持つか分からないけど、とりあえずいくべ」と背中を押して、車で東京へと送り出してくれた両親には、とても感謝しています。いや、両親だけじゃないですね、震災時や上京してからも私は色々な方に助けられていると思います。これからは色んな方に少しずつ恩を返していきたいですね。

-林君の強さや優しさはここから来ているんだなというのがよくわかる。聞かせていただいてありがとうございます。では明るい未来に向けてはどうですか?やりたい事、チャレンジしたい事、目標など何かありますか?

さきほどもお話しましたが、今は新しい事にチャレンジするというよりも目の前にある課題を一つずつクリアしたいと思っています。いきなり高望みはせず、地に足を付けて頑張る「雑草魂」みたいな考え方が私は好きなんですよね。とはいえ、もしかしたらこの先何かクリエイティブな事を思いつくかもしれないし、新しく取り組みたい事も見つかるかもしれない。そのときはしっかり会社に提案したいと思います。あとは、コロナが流行してから全然実家に帰れていないので、そろそろ帰省したいと思います。

先ほど実家が津波被害を受けた話をしたのですが、実は現在は祖父が自力でビニールハウスを組み立てて、また農業を再開しているらしいんです。80歳をゆうに超えてるのにすごい逞しさですよね。私も見習って頑張って行きたいなと思います!

今日はインタビューありがとうございました!

前回の総会 隣にいた雄介さんも一緒に!


・・・・


ありがとうございました!林くんには敬服の一言しか見当たりません。林くんとも約10年という時間をソーラーパートナーズで共に過ごしていますが、文学部だったことやアトラスとマブなこと(笑)、トレカが好きだなんて知りませんでした!きっとまだまだ知らない林くんの良さがあるんだろうなと改めて思います。それと同時に、林くんはいつも優しくて物事一つ一つに丁寧に向き合っている姿が印象的なのですが、ルーツを話してもらい非常に胸打たれました。聞かせてくれてありがとうございます。

私も、感謝の気持ちを忘れないでいたいと心に誓いました。




ここまで、本記事をご覧いただきありがとうございました!

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