こんにちは。スムーズ採用担当です。
今回は、弊社のカスタマーサポート(以下CSと表記)を立ち上げ、現在UXリサーチャーとして日々お客様の声に耳を傾けている勝谷涼子のインタビューです。
ユーザー体験の向上に大きく寄与しているCSチームの立ち上げ当初の裏話や、勝谷が思うUXリサーチの仕事の本質に迫りました。
【勝谷涼子 PROFILE】
2016年 横浜国立大学 教育人間科学部 卒業。
第一生命保険株式会社に新卒で入社し、コンタクトセンターにてカスタマーサポートを担当。3年間の勤務の後、結婚を機に退職。飲食店でアルバイトをしながら劇団にて女優として活躍。
2019年 コロナによる演劇の公演中止や飲食店のクローズをきっかけに、友人の誘いで株式会社スムーズのCS立ち上げに参画。オペレーションを0から構築し、今のCSチームの礎を築いた。
その後、未経験ながらUXリサーチャーへ転身。
目次
- ユーザー体験向上の要を担うCSとは
- CSチーム立ち上げ秘話
- スムーズにおけるUXリサーチ
- 未経験でUXリサーチへ挑戦
- UXリサーチの本質
- 事業グロースに向けたUXリサーチャー勝谷の使命
- 100点満点のユーザー体験実現へ
ユーザー体験向上の要を担うCSとは
▽CSチーム立ち上げ秘話
ーースムーズにおけるCSの役割は何ですか?
サービスをご利用いただいているユーザー様に安心してお引っ越しの日を迎えていただけるよう、サポートすることです。ユーザー様がご希望されている物件や与信審査に必要な情報をLINEのチャットでヒアリングしたり、お引っ越しに関わるお問い合わせ対応を全般的に行います。
チーム立ち上げ時は対応フローが整っていなかったので、そこのオペレーション構築から任せていただきました。
ーー前職でCSの仕事をされていらっしゃいましたが、そのご経験を活かせましたか?
結論、前職のCSとスムーズのCSとではやり方が全く違っていて、あまり活かすことができませんでした。
前職では、決まっていることをミスなくこなすことが重要視されていました。
一方スムーズでは、0→1でオペレーションを作ったり、ユーザー様の声をどこまで拾って改善するのかを決めたりと、オペレーションの量と質を自分たちで決めてやっていくスタイルでした。正直、入社した当初はかなり驚きました。
ーー0→1のオペレーション構築ではどんなことを重視されましたか?
どれだけ属人性を排除できるかに関してはこだわりました。
「あの人はベテランだけど、あの人はまだ経験が浅いよね。」という声が社内で聞こえてくることは、恥ずべきことだと考えています。誰がやっても間違えない仕組みを作るのが、CSにおけるマネージャーの大切な仕事です。
いかに属人性を排除し、失敗する怖さを与えないようにするか、安心して働ける環境を作ることができるかが非常に重要だと思っています。前提としてみんなとても頑張ってくれているので、しなくていいミスをさせてしまって落ち込ませることは、会社として非常にもったいないです。
ーー誰がやっても同じ質でサービスを提供できるようにすることは、お客様に対してだけでなく、一緒に働くチームメンバーに対しても大事なことなのですね。立ち上げ当初の苦労についてもお聞かせください。
そうですね、最初はとても大変でした。
ユーザー数は今よりもずっと少なかったのですが、そもそもシステムによる自動化が進んでいなかったので、ほとんど手動で対応していました。それこそ、朝の10時から夜の11時まで対応して、それでも終わらず。当時は目の前の業務をこなすことに必死でした。
しかし、なぜこんなに大変なのかが分からずにいました。そこで、ユーザー様が登録してから契約を完了するまでにオペレーション上必要な項目・操作を洗い出してみたところ、なんと200個以上もあったのです。一人のユーザー様に対してこの数です。それを全てオペレーターであるCSがやることになっていたことに気付いた時は、かなり衝撃を受けました。
ーー現在は改善されているのでしょうか?
もちろんです。
そしてこの時の経験から、オペレーションを改善するための自動化に対しては、CSが社内で責任を持ち、リーダーシップを取っています。
新しい施策を取り入れると、良い意味でオペレーションの負荷が増えます。しかし、最初から「できない」と思うのではなく、「やります!どうやったら効率化してできるのか考えましょう!」というのがスムーズのCSの考え方です。
一般的なCSは、強い言葉で言うと、負担が増えることを避ける傾向にあります。オペレーションの負担が増えたり複雑になったりすると、ミスが発生する可能性が高くなるからです。
営業のようにプラスを生み出すポジションとは違い、いかに失敗しないか、いかにマイナスを小さくするか、いかにコストをカットするかが重視されるのがCSです。そのため、様々な施策を実行するにあたり「CSがノーと言ったらやりづらいよね」という雰囲気があることが業界内でも多いようです。
一方、スムーズのCSは全面協力が当たり前のスタンスです。困った際にはCSに相談すれば何とかできるということは、他のチームからしても心強いのではないでしょうか。
スムーズにおけるUXリサーチ
▽未経験でUXリサーチへ挑戦
ーーUXリサーチャーへご転身された理由を教えてください。
自分がCSとしてユーザー対応をする中で、ユーザー様の声をもっと聞きたいという想いが強くなっていったことがきっかけです。代表の小泉と今後のキャリアについて話し、UXリサーチのチームを立ち上げてみないかという提案をもらいました。現在は、1人目のUXリサーチャーとしてチームの立ち上げを任せてもらっています。
ーーCSを経験していたからこそ拓けたキャリアだったのですね。UXリサーチャーは未経験での挑戦ということで、大変なことも多々あったのではないでしょうか?
実は、あまり大変だと思ったことはありません。自分のWILLに合わせてポジションを作ってもらい、したいことをさせてもらっているからです。
しいて苦戦していることを挙げるとするなら、社内に経験者がいないことです。身近に教えてくれる人がいないので、まずは自分でUXリサーチのコミュニティを探して足を運び、情報収集しました。また、UXリサーチに関する本を片っ端から読んで、良いなと思った著者についてはさらに調べて情報を追いかけたり。とにかく知識を得ながら走ってきました。
▽UXリサーチの本質
ーーUXリサーチャーの仕事について、詳しく教えてください。
スムーズのUXリサーチャーの仕事としては、「ユーザー様の声を聞くこと」と「問いを立てること」の2つがあります。
前者は「ユーザーインタビューやアンケートを通し、定量ではなく、その人個人のエピソードに基づいた定性的な情報や想いを拾っていくこと」を指します。こちらは、UXリサーチャーの仕事として一般的に想像されるものではないでしょうか。
後者は「今まで定量的な情報では見えてこなかったことをもとにして、問いを立てること」を指しています。
例えば、「今のサービスで一番ユーザー様が不便だなと思っているのはこの部分なので、ここを解決してください」とプロダクトチームに依頼したり、「この対応がCS的には良いと思っていたが、実はそうじゃなかった」という不都合な真実を伝えたりして、目の前の問題を可視化しています。スムーズのUXリサーチャーならではの、より本質的で重要な役割と捉えています。
ーー時にはまだユーザー様の中で顕在化していないニーズも探っていく必要があるのではと思いますが、ユーザー様の本音を引き出すために意識していることはありますか?
たしかに、ユーザー様はなかなか本当のことを教えてくれません。ご自身が感じられていることを上手く言語化できていないことや、「相手に良く思われたい」という心理的な防衛本能が大きな要因です。
これらを乗り越えて本音を引き出すために、意識していることが3つあります。
まずは、自分自身が誠実でオープンであることです。
例えば、ユーザーインタビューでは意識的に自分のことを話すようにしています。ユーザー様が答えにくい質問に対しては、自分の場合こうだということを話したりして、打ち明け合うようなコミュニケーションを心がけています。
2つ目は、実際にユーザー様のお部屋に足を運ぶことです。
生活している場所や家具、インテリアは、ほとんどがユーザー様ご自身で選んだものです。そこからご本人様が言語化できていない想いを読み取ることができることもあります。
ですので、ユーザー様の本心を引き出すのが難しそうな時ほど、実際にユーザー様のお部屋に足を運ぶというアプローチを取っています。
3つ目は、最終的に自分が深掘りして言語化することです。
インタビューの前半はひたすらユーザー様のお話に耳を傾け、後半は「先ほど教えてくださったあのお話って、つまりこういうことでしょうか?」と自分が言語化したものをぶつけてみます。そこで「いや、そうではなくて」とか「たしかに、そうですね」というフィードバックをいただきながら、とにかく噛み砕いて噛み砕いて。一緒にゴールを探しながら、何とかユーザー様の想いを形にしています。
ーー想いの言語化というと、かなり経験やスキルが必要なものだと感じるのですが、そのスキルを獲得するために努力されてきたことはありますか?
最初から割と苦も無くできたのですが、理由としては3つあると考えています。
第一に、そもそも人の話を聞くのが好きだったことです。
相手から聞いた話をもとに、その人がどういう人で、どういう価値観を持っていて、どういう感情をもとにこの行動をしたのかを考えるのが昔から好きでした。
第二に、演劇の経験です。
渡された台本の人物・キャラを自分で読解し、人物像のイメージを膨らませていくという作業を当時はよくやっていました。意図せずやってきたことが、今の仕事に活きているようです。
第三に、コーチングを受けた経験です。
自分が言葉を発しやすいよう、コーチの方が取ってくださったスタンスや使ってくださった言葉をそのまま自分の中にインプットして、ユーザー様へのインタビューで活用しています。
ーーこれまでの経験や得意なことが活きているなんて、まさに天職ですね。ぜひ仕事のやりがいについても教えてください。
大きく2つあります。
1つ目のやりがいは、たくさん自己肯定されることです。
実際にスムーズを使って引っ越した方にお話を聞くと、「本当にスムーズというサービス名の通り、全てのやりとりがスムーズでした!」とか、「夜11時くらいにLINEで質問しても返ってきてびっくりしました!」とか、「引っ越して本当に生活がよくなりました!」とか、当たり前のことのようにサービスの良いところを言ってくださいます。
私達がこのサービスをやっていて良い理由をきちんともらえることが、すごく嬉しいです。それをチームに届けられる時は非常にやりがいを感じます。
ユーザーファーストな考え方は弊社の良いところである一方、お客様の声に耳を傾けるとどうしても改善点に目が向いて、より良くしようというマインドが強くなってしまいがちです。しかしそうすると、既に自分たちが出来ていることに目を向けられず苦しくなったり、改善点に固執してやり過ぎたりしてしまいます。今でも十分できていることを社内にちゃんと伝えるという小さな貢献にやりがいを感じます。
2つ目のやりがいは、ユーザー様から「これ良かったから、もっとこういう風に良くなったらいいな」「実はこれでとても困って、スムーズを使うのをやめた」という率直なお声をいただいて、サービスの改善に繋がった時です。
サービスにおいて至らないところは本当にたくさんあります。しかし、それが本当なのか、どれくらい深刻なのかがなかなか見えないため、「AもBもCもやりたいし、やらなきゃいけない。でもどれからやればいいのか、はたまたまだ見えていないDがあるのか」と迷いが生じ、メンバーの足が止まります。
そんな時に「Aが一番優先度が高いです」とサービス作りを進める人たちの背中を押すことができたとき、大きなやりがいを感じます。日頃から誰よりもユーザー様の声に耳を傾けている私だからこそできることです。
事業グロースに向けたUXリサーチャー勝谷の使命
▽100点満点のユーザー体験実現へ
ーー事業グロースに向け、今後取り組んでいきたいことを教えてください。
今のスムーズのサービスは、まだまだユーザーの皆さまに対して伸びしろがあると感じています。審査が通った人しか使えませんし、分割プランも少ないですし、スムーズを使ったから良いところに引っ越せたかというと全員がそうなっているわけではないと考えています。金融面でも不動産面でも、サービスが100点満点をたたき出したことはまだ無いのではないでしょうか。
言葉を選ばずに言うと、まずは金融と不動産の2領域で、非の打ちどころのないサービス・ユーザー体験を作りたいです。引っ越しが終わって次の更新くらいまでの年月を一連のスムーズのユーザー体験として、そこで起こる住まいの困りごとが無い状態が理想です。
そのために、ユーザー様の困っていることを全て拾うこと。これがUXリサーチャーとしてやりたいことです。
ーー理想と現実のギャップを埋めるために、何が必要だと思いますか?
引っ越し体験をもっとシンプルにすることです。
部屋を借りる際の初期費用についてはあと払いサービスを提供出来ていますが、引越会社さんへの支払や家具家電の購入などについては、まだサービスを提供できていません。これだと、引っ越しに必要な費用の半分くらいしかあと払いできるようになっていません。費用の課題以外にも、引っ越しをした際に生じる行政や金融機関への手続きなども、とても手間が掛かります。
「スムーズを使えば、引っ越しに関係するすべての費用があと払いにできるし、面倒な手続きも全部済ませてくれる」という世界を実現できれば、ユーザー様にもっと使っていただけるサービスになると確信しています。
まだまだ課題ややるべきことはたくさんありますが、最高の引っ越し体験実現に向けて、引き続き邁進してまいります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
スムーズを裏側で支えるCSやUXリサーチャーを少しでも知っていただける機会になっておりましたら幸いです。
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