2021年にスマートエナジーへ入社するまで、15年の間、同じ会社で働いていた興梠つかさは、全くの異業種であるスマートエナジーへ転職し、経験者の少ない新電力の分野で活躍している。電力に携わるのも、システム構築も初めてながら、チャレンジ精神で奔走する。これまでの経歴や現在の仕事のやりがい、今後の展望などを聞いた。
15年勤めた会社を離れ、新しい環境へチャレンジ
前職では、全国に多店舗展開するベンチャー学習塾でさまざまな業務を担当してきました。従業員が50~60人の頃から塾講師のアルバイトとして働き、そのまま入社。本部部門で営業企画や採用、人材育成、マーケティング、上場準備など、幅広く携わり、全国各地で行き詰っている部門の再建や新規立ち上げを任されることもありました。会社の規模が大きくなり、従業員は700人程度まで増えた時期もあります。
裁量のあるポジションでやりがいはあったのですが、塾という業態の特性もあり、夜間の対応や土日のイベント等も頻繁にありました。自分のライフステージに応じてワークライフバランスを見直す中で、転職を考えるようになったのです。
転職活動では何社か検討し、ベンチャー気質のあるところで自由に働きたいという思いでスマートエナジーに決めました。入社した後も、面接時のイメージとギャップはなく、いい意味で発展途上。自由度が高く、自分がしたいようにやらせてもらえて、意見も積極的に言わせてもらっています。
何かを提案しても、「これはダメ」と頭ごなしに否定されることはまずありません。また、入って間もない頃でも「どうしたらいいと思う?」と意見を尋ねられる。わからないなりに自分の頭で考えられるので、言われたことをやるだけの仕事ではなく、主体的に取り組めています。
新電力もシステム構築も初めてだが、やりがいは多い
今取り組んでいる仕事は、新電力と呼ばれる電気小売事業者へ向けた、顧客管理システム(CIS)の営業、販売、運用サポートなど。電気小売事業に新規参入される際のシステム導入もありますが、今使われているシステムを当社の商品にリプレイスしたい、というお問い合わせが多いです。
上司とともにクライアントと要件を詰め、私が後方支援として提案書やマニュアルといったドキュメントを整えていきます。協力会社のシステムエンジニアとやりとりしてシステムを作っていくので、プロジェクトマネジメントのような働き方だと思います。
初めは、電気のこともシステムのこともわからず、設計書を見ても会議を聞いても全く理解ができませんでした。話している内容を資料と照らし合わせて、システムの動きを学んでいき、徐々にわかるようになってきました。
仕事の進め方や考え方にこだわりはなく、周囲に合わせて順応できるタイプだと思います。また、新しいものを作り出したり整備したりするのが得意。それは、前職で鍛えられたのかもしれません。「上司に聞かないとわからない」ではなく、ひとりで放り込まれても何とかする心づもりで取り組んでいます。
印象に残っているプロジェクトは、今も担当しているクライアントのシステムリプレイスです。クライアントのグループ会社が複数あり、段階的にシステムを導入していく2年がかりのプロジェクト。私が参画したときには既にプロジェクトが始まっており、前提知識が不足している中、ひとりで担当しなければならない局面も多く、手探りで苦労しました。
一方、自分にとっての2社目からはやりやすくなりました。今は躓くポイントが事前に予想できるようになり、メンバーに伝えてうまく乗り越えるようにしています。
クライアントとエンジニアの橋渡しは、話し方なども相手に合わせて
今の仕事は、クライアントとエンジニアの間に立つので、それぞれの立場や価値観の違いを把握して調整する難しさがあります。クライアントが「バグだ」と考え、エンジニアが「仕様通りだ」と考えるのは日常茶飯事。正解があるわけではないので、その都度両方の意見を聞いて調整します。スピードを優先したり、別件でフォローしたり、別案を提案したりと、日々模索しています。
仕事をする際に大事にしているのは、レスポンスの速さです。わからないことが多くても、レスポンスが速ければカバーできる場合がある。早く処理しておかなければ自分が気持ち悪い、という性格もあります。
一方で、人と話すときにはゆったり、おおらかになるよう気を付けています。状況や相手に合わせて早く話す場合もありますが、基本的には柔らかい印象になるように話すようにしています。また、結論から言ってほしい人、順序だてて話したほうがいい人、などと相手の特徴を把握しておき、合わせるようにします。これは、前職で子供たちのペースに合わせていた個別指導の経験が生きていますね。
クライアントから連絡があってもエンジニアの回答がないときなどは、自分の力だけで即時に回答するのは難しいものの、工夫することはできます。エンジニアに合わせて依頼の仕方を変えたり、指摘の仕方を変えたりします。それによって、お互いに心地よくスピーディに仕事を進められるようにしています。
手を動かして新しいものを作り上げる実感
入社して2年ほど経つ今でも、システムや電力について調べながら進めていますが、点と点が結びついて具現化されたときには、自分のレベルがひとつ上がった感覚があり、成長を実感できます。
システムを納品する前のテストでは、手を動かして検証しますが、業務フローに沿った使う人の目線でシステムを見て、使いにくさなどを意見することもあります。致命的なものを見つけて修正することもあり、自分の手を動かしてものづくりの一端を担っているというやりがいを感じます。
フェーズを進めるたびに経験が積み重なるので、足りない機能や便利になる仕様などが見えてきて、スムーズに調整できるようになってきたと思います。
うまくいかないことはありますが、入社以降大きく落ち込んだことはありません。忙しくても、大変なことがあっても、お客様や弊社の業績が上向きであれば、未来に向けた前向きな思考ができます。それが、やりがいや喜びに大きく寄与していると感じています。
メイン業務のほか、新ビジネスの構想や、会社のMPVの策定も
主な業務のほか、来期以降に向けた新しい商材やスキームの構築も課題です。今のシステムだけで大きく業績を伸ばすのは難しいため、他の事業にも広げていく必要がある。太陽光発電の保守メンテであるO&Mの部署と協力して、新しいサービスもできるのではないかと検討中です。まだまだアイデアベースですが、新しいことに携われるのはとても楽しみです。
他に、社内プロジェクトにも参画していました。会社のミッション、プロミス、バリュー(MPV)がなかったころ、従業員の発案で、MPVの策定をするためのメンバーを募集していました。そのプロジェクトに手を上げ、リーダーを担当することになり、経営層に提案して予算を付け、時間をかけて取り組んでいきました。
全国の従業員とオンラインでミーティングしながら、コンサルタントにも入ってもらって進め、最終的には経営層による合宿でMPVが策定できた。私は福岡に勤めており、他の部署の人と関わることが少なかったので、とても良い経験となりました。
自由度が高くいろんなことにチャレンジできる
スマートエナジーは、決まった形に捕らわれずに新しくて面白い取り組みをしたい人には、魅力的な会社だと思います。行く先は不確かな部分もあり、日ごろの業務には泥臭い面もありますが、未来志向で挑戦したい人にはぴったりではないでしょうか。
私の部署は若い方や女性も多いですが、会社全体では男性が多く、平均年齢も高め。そのため、女性リーダーのような立場で期待を持たれているとも感じます。年齢、性別、経験関係なく、安心して働ける職場なので、様々な方にチャレンジしていただきたいと思います。
インタビュー・執筆:栃尾江美
Photo:坂本憲一