他にない個性に出会えるから、
働いていて気分が上がる
入社したのは、シタテルがほとんど無名だったころです。地元の情報誌で求人を見つけて、応募しました。もともとは、スーツの生産から企画、販売までやっている会社で販売と企画をやっていたんです。販売は長かったんですが、自分ではあまり向いていないと思っていて、次は販売以外でファッションに携われる仕事、かつそれまでの経験と知識が生かせる職場がいいなと漠然と考えていました。
ファッションは、昔から好きでしたね。わたしは自己表現が苦手なほうなんですが、洋服は着るだけでその人の個性を表してくれるじゃないですか。人の印象も着る服によって大きく変わるし、そのあたりに面白さを感じていたんだと思います。ココ・シャネルが女性のファッションに革命を起こして、女性たちを解放したエピソードもすごく好きなんですよ。体を締め付けるコルセットがなくても美しく見えるシルエットとか、斬新なスタイルを生みだして女性のファッションを自由にしたっていうのが、すごくかっこいいなって思っていて。安価で、似たような服を着る人が増えているいま、シタテルでは「ニッチな人に好かれる洋服をつくりたい」っていうお客さまの個性的なデザインや生地に触れる機会が多くて、「人とはちょっと違うな」と感じられるものに出会うたびに、わくわくしますね。
関わる人みんなで、
産業のプロセスを変えていく
入社当初は顧客対応でしたが、いまは生産管理をやっています。営業から来た案件を適切な工場に振り分けて、納品までを管理する仕事ですね。最初のうちは、「小ロットだからこそ」という尖ったデザインを何とかしてつくれるようにしてあげたいと思っても、工場からは「小ロットはできれば避けたい」という返事が多くて、困ったこともありました。でも、毎月依頼し続けているうちに、だんだん工場とも信頼関係ができてくるんですよ。有名なブランドの服をつくったり、つくったものを芸能人が着てテレビに出ていたりすると、工場の人から電話がかかってきたりするようになって…。「シタテルさんと仕事をしていなかったら、こんなこともなかったね」と言われたりすると、やっぱりうれしいですね。システムのこともすぐに連絡をくれるので、聞いたことはすぐに開発チームに伝えるようにしています。工場の人たちも、もっと業界を良くしたいという同じ気持ちでいてくれているので、もはや別の会社の人という気がしなくなってきました(笑)。工場も、私たちも、みんなで一緒になって産業のプロセスを変えていっているという感覚は、日に日に強くなっていっているように感じます。
どの意見の根底にも、
誰かを思いやる気持ちがある
基本的にシタテルは自己主張ができる、良い意味でアクの強い人が多いから、いいものをつくりたいという一心でぶつかることもあります。でも、どの意見の根底にも「お客さまのために」とか「工場のために」っていう気持ちがあるのがわかるから、相手の意見にもきちんと耳を傾けて生産性のある議論ができるんですよね。アパレル出身の人もいればweb出身の人もいるという特殊な環境で、みんなが同じ目標に向かって頑張れているのも、そういう共通性があるからかもしれません。あとは単純に、自分の知らないことを知っている人を尊敬する気持ちかな。わたしはずっとアパレルにいてweb関係の知識はまったくないので、エンジニアがつくってくれたものを見るたびに純粋に感動するんですよ。わたしたちが思い描いているものがいきなり完成するわけじゃないけど、要望を伝えると「難しいなあ」とか言いながらも取り組んでくれて、できあがるものがだんだん良くなっていく。そういう改善のプロセスを経て一つのしくみができあがる瞬間がとても楽しみですね。職種や仕事内容が違う人とも、共通の言葉や妥協点を探しながら同じ目標を追いかけられる。それが、シタテルの魅力の一つだと思います。