現在、シンプルフォームでは調査Ops(オペレーション)チームのメンバーの採用を強化しています。調査Opsチームの責任者を務める東さんに、ご自身のこれまでの歩み、調査Opsチームの役割や業務内容、やりがいをおうかがいしました。
▽東さんについては、以前のインタビュー記事もぜひご参照ください。
東 祐大|Yudai Higashi / Corporate・Research Operation
2011年に㈱静岡銀行へ入行し、法人営業に従事。2017年に政策研究大学院大学へ出向し、官民連携ファイナンスを調査・研究。帰任後は主に自治体営業に従事。2021年10月より現職。
― これまでの経歴とシンプルフォームへの参画のきっかけを教えてください
大学卒業後、新卒で地元の銀行に入行し、約10年間、銀行員の経験を積みました。融資営業をはじめ様々な業務を経験し、地元の企業が直面する経営課題の解決をサポートしてきました。また、社会人7年目の時には、1年間、政策研究大学院大学に出向して地域振興について学びました。帰任後は銀行・地方自治体・地元企業が官民一体で、地域を盛り上げるための企画立案やプロジェクトの推進に取り組んでいました。
シンプルフォームへ参加するきっかけは、大学院出向時代での出会いに遡ります。大学院と日本政策投資銀行の方々との交流プログラムで、当時はまだ同行の職員だった田代と知り合いました。
大学院を修了し銀行へ帰任した後も、田代とは定期的に連絡を取り合っていたので、シンプルフォームを設立したと聞いたときは、すぐにオフィスを訪ねましたね。前々から田代と一緒に仕事をしてみたいと思っていましたし、ちょうど私自身もキャリアの方向性を模索していた時期だったんです。
場所は、現在の代々木上原オフィスに移転する前の、渋谷のマンションの小さな一室。行ってみたら「これぞ、まさにスタートアップ!」とワクワクするものがあって……。一瞬で「自分もここで事業立ち上げに関わりたいな」と思いました。
― 「まさにスタートアップ」と感じたというのは?
そこに集まっていたメンバーの能力、熱量の高さはもちろんのこと、ゼロからプロダクトを作る姿を目の前で見て興奮したというか。エンジニアと一緒になってアイデアを形にし、それを社会に提供していく。立ち上げ時のスタートアップじゃないとできない経験ですし、ましてや大企業ともなると、当事者としてその感覚を味わうことが難しいと思っていました。
それまで銀行員として、事業を作り上げる方々のサポートをしてきましたが、今度は自分が作り上げる立場に回りたい。そんな想いを持っていたので、それを実現するならここじゃないか、と感じました。
― 入社後のシンプルフォームにおける役割は
一人目のバックオフィス担当として、まずは、バックオフィス部門の立ち上げを行いました。総務・労務・経理・財務など、法人として事業を正しく運営できるよう、創業間もない小さな会社でも必要となる部門ですね。
現在はバックオフィス部門の責任者に加え、調査Opsチームの責任者も兼務しています。調査Opsチームとは、法人の情報を収集し、整理し、データベースに投入するまでの一連のプロセスに関わる部門です。この部門で扱うデータとは、弊社のプロダクトであるリアルタイム法人調査システム「SimpleCheck(シンプルチェック)」が提供する情報の根幹となるもの。エンドユーザに届ける情報の「はじまり」の部分であり、この部分の精度は、直接プロダクトの質につながります。
ー 調査Opsチームでの仕事内容は、プロダクトの質に直接影響するのですね。シンプルフォームのミッションとどう関連するのでしょうか
シンプルフォームは、「全ての法人がフェアに繋がれる世界」を目指しています。
たとえば、素晴らしいアイデアや技術を持ち、熱い想いを胸に、会社や事業を立ち上げようとされる方々がいらっしゃいますね。ですが、その会社が広く知られていなかったり、まだ実績が十分でなかったり、そのアイデアの素晴らしさを判断する基準がない場合、融資を受けることはできるでしょうか。
残念ながら、どれほど素晴らしいものを持っていても、評価のための情報不足を原因に、資金を借りられないことがあります。私自身も銀行員として、そうしたケースを数多く経験してきました。
金融とは、読んで字の如く、金銭を融通する機能・システムのことですが、私は、正しく・美しくお金を使う人に融通されるべきだと考えています。しかし、世の中そのような人ばかりではなく、この金融システムの悪用を考える人も存在します。それ故、お金を融通する相手が、正しくお金を使う人なのか、それとも悪用しようとしている人なのかを見極める必要が生じるのです。
金融機関としては、チャレンジする人を応援したい。一方で、リスクを考慮し、取引すべき相手なのかを見極めなければならない。金融機関も事業者も、目指す方向は一緒なのに、時にそれを実現できないもどかしさがありました。
それを解決する一つの手段が、どれほど小さくても、昨日できたばかりの法人でも、あらゆる法人の情報を正確に届け、正当に評価できるような状態にすること。金融機関と事業者の持っている情報を対称にする、これを弊社では「情報の非対称性の解消」と呼んでいます。
法人情報のデータベースの構築と提供を通じて、「情報の非対称性」を解消することができれば「全ての法人がフェアに繋がれる世界」を実現できます。金融機関は悪意がある相手を排除し、商いを加速させる本来の金融に注力できる。正しく・美しくお金を使おうする新しい事業者に、挑戦する機会を提供することができます。このミッションを達成するため、調査Opsチームでは、特に情報の質とスピードに責務をおいて日々の業務を行っています。
ー 調査Opsチームで、特に大切にしている価値観はありますか
「面倒を愛する」という価値観です。
「情報の非対称性」という言い方をしましたが、取引相手の情報収集や調査は、金融機関ももちろん行っています。ただ、担当者がいくつもの案件を抱えている場合、それに割ける時間や労力は限られてしまうのです。さらに、インターネット上だけでは取得しきれない情報があった場合には、手足を使って情報を取りにいく必要もあります。
法人のあらゆる情報を取得するには、手間と時間がかかります。だからこそ、私たちが手間をかけて集めた情報には価値があります。だれもが「面倒」だと思ってやらないこと、それをあえて「愛し」価値を見出す。この姿勢を大切にしています。
ー 調査Opsチームの具体的な業務を教えてください
調査Opsチームは、大きく「データを収集する」と「データを整理する」という2つの役割を担っています。
データ収集では、金融機関や企業にとって有益な情報をいかに網羅的に、迅速に集めるかが重要です。インターネット上にある情報はもちろんですが、行政機関等が所有しているオンライン化されていない情報を含め、様々な公知情報を集めています。プログラムによる自動収集だけでなく、手動での収集も同時に行うことで、取りこぼしを防いでいます。
収集データは、データベースに投入できるよう、構造化された形式に整理します。具体的には、表記ゆれを統一したり、必要な情報だけを整理したり、不規則な情報からデータベースに準じた形式に加工する作業です。加工後、そのデータに間違いがないか、あるいは加工時に異なった情報をひもづけていないか、目検(目視でのチェック)をおこないます。
品質に問題のないデータであることを確認した上で、データベースに投入し、SimpleCheckの情報として提供しています。調査Opsチームは、データを集め・整理し・投入する、これらデータを扱う全プロセスに関わっています。
図) 大きく3つの役割に分かれるシンプルフォームにおいて、調査チームはプロダクトの根幹を担っています
ー 業務を遂行するうえで、気をつけていることは?
扱うデータがお客様にとって、私たちにとってどんな意味を持っているのかを深く理解した上で、責任を持って業務を行うことです。SimpleCheckが提供する情報は、法人の審査や調査に使われる情報です。もし弊社が間違った情報をお届けしてしまった場合、金融機関が正しい判断を行えず、事業者の挑戦の機会をも奪いかねません。膨大な数のデータの一つひとつに、重みがあるんです。
間違いのない、高品質である状態を維持しながら、スピード感をもって作業にあたらなければなりません。この両立は非常に難しいですね。 そこで、チーム独自のミッション「オペレーショナル・エクセレンスを確立しシンプルフォームの競争力の源泉となること」を掲げています。
調査Opsチームはプロダクトの根幹を支える業務ではありますが、日々の作業としては少し地味です。コツコツ積み上げていく地道な作業なので、視点をちょっと前方に向けることが必要なのだと思っています。
「今のオペレーションで良いのか」「より良いオペレーションを実現するために改善すべき点はないか」を日々の業務で意識しなければなりません。常日頃からより良いオペレーションを志向し、業務改善に取り組む姿勢が重要です。こうした日々の姿勢がオペレーショナル・エクセレンスとなり、他に真似できないデータ品質へと繋がります。
ー モチベーションの高い姿勢が大事ですね。フルリモートで顔が見えにくいなか、どのようにオペレーショナル・エクセレンスの確立に取り組んでいるのでしょう。
チーム一丸となって一つの目標に取り組んでいるということを意識してもらいたいので、作業手順を記載したマニュアルにも必ず「この作業がお客さまにとってなぜ重要なのか」という文章を入れるようにしています。質問に対応するときも、その視点から答えるように意識しています。
あとは、Notionのツールを駆使し、セキュリティを保った上でなるべく透明性高く情報を共有しています。勉強会を開催したり、有志でオフラインで集まる機会を設けることもあります。顔が見えない状況はなかなか難しいですが、双方向でのやり取りを心がけています。
一方、リモートワークは場所にとらわれず、優秀な方に参加いただけるという利点もあります。社員、リーダー、スタッフのみなさんの知恵と経験を活かし、一緒になって最高のオペレーションを考える体制が作りやすいですね。
ー この先、どのようなチームでありたいと思いますか。
やはり「全ての法人がフェアに繋がれる世界」というミッションに共感し、その一翼を担っていることを理解している方々と一緒に、同じ目標に向かっていきたいです。
先述のとおり調査Opsチームは地道ではありますが、会社の核となる部分です。扱うのはデータですが、そのデータが、チャレンジする人を応援しているイメージを持ってもらいたい。そんな思いに共感いただける方々とともに、より良いオペレーションを追求していきたいですね!
ー ありがとうございました!
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