はじめに:この記事を書いた理由
シェルフィーでブランド・マネジメント統括をしている鈴木と申します。PRや採用、組織開発といった仕事を担当しています。
仕事上、女子大生と触れ合うことが多く、彼女たちから「結婚や出産といったライフイベントを会社としてどう考えているのか?」「それに対して個人としてはどうする予定なのか?」といった質問をよく受けます。
私も就活生のときは働き方やキャリアについて悩みに悩んだので、不安になる気持ちはとてもよく分かります。世の中には色んな仕事やライフスタイルを選択した女性がいて、メディアはそれぞれを時代に応じて絶賛したり批判したりします。ですが、1人として同じ人間がいない以上、人生やキャリアの考え方に正解はありません。だからこそ迷うんですよね。
なのに、女性の働き方というテーマになると「仕事と子育ての両立法」や「パートナーの選び方」など表層的な話が多く、私自身、学生時代はそういう話を読んでも「ふーん、そういうものか」で終わっていました。
そこで今回は、社会人3年目の私が思う「自分が学生だったら知っておきたかった女性としてのキャリアの考え方」を書いてみました。ちなみに私自身はまだ妊娠も出産もしていないので、その苦労を分からない若造の意見であることをご了承ください、、笑
また記事の都合上、ある程度仕事の優先順位を高くおき、10年以上のスパンで働くことを前提とした書き方になっています。結婚後は家庭に入ることを決めている人や、趣味が一番大切で仕事の優先順位は低めという人には全く参考にならないかもしれません。
これが正解だと押し付ける気も全くないので、「私の考えとは全く違う」でも「こういう考え方もあるんだ」でも、読んでいただいた学生や同世代の女性が自分のキャリアの考え方を明確化するきっかけになるといいなと思います。
1. 人材としての市場価値を考えよう
ライフイベントや体調の変化など、女性の方がキャリアにおいては変数(変動要因)が多いので、男性に比べると”安定志向”になるのは当然かと思います。
とはいえこれだけ変化の早い時代になると、一生安泰の会社というのは存在しません。よって一番の”安定”とは市場価値の高い人間になることというのはわりとよく聞く話ですよね。(市場価値=労働市場でどれだけ需要があるかと定義します。)
ただ勘違いしやすいのが、会社の価値と人材の価値を混同してしまうことだと思います。
たとえば、
①自ら起業し、従業員10名の会社を3年間経営したが、倒産させてしまった人
②誰もが知っているメーカーで1つの製品の営業を3年やってきた人
の2人がいたとして、自分が採用担当でどちらか一人しか雇えないとすれば、どちらを雇いたいと思うでしょうか?
両方魅力的なのは前提として(笑)、所属していた"会社"の市場価値で言えば①<②ですが、"人材"の市場価値で考えると①>②になることもあると思いませんか?
もし妊娠・出産を考えている(可能性が0ではない)のであれば、物理的に一定期間働けない期間が生じるのは避けられません。そこで重要なのが、いわゆる出産適齢期までに「どれだけ自分の市場価値を高められたか」ということです。
ここで言いたいのは「だから権限の大きいベンチャーに行け」というようなありきたりな二元論ではなく、女性がキャリアを考えるときには「いつまでにどんな経験と知見が得られそうか」に着目しようということです。1つの会社や1つの業界でしか通用しないスキルや経験しか身につかないのは、ロジックで考えるとリスクが高いと言えるでしょう。
この辺りが「会社の市場価値=人材の市場価値」であった親世代とのジェネレーションギャップを最も生みやすいポイントなので、学生は混乱するのかもしれません。
ちなみに”若さ"や"可愛さ”という飛び道具を使って市場価値を高める方法もありますが、ビジュアルというリソースは人によって程度の差はあれど、基本的には時が経つにつれて価値が目減りしていくものなので、それを軸にキャリアを考えるのは論理的にはあまりオススメしません。
このあたりの"女子力"を武器に仕事するリスクは、岡島さんのアクセサリー女子(こちら参照)とかが分かりやすいです。(一方で女子力"頼り"ではなく、他の強みに掛けあわせる武器として使うのは大いにアリだと思います。)
2. 男女の体力差は存在する
男女平等が叫ばれて久しいですが、どんなに社会が男女平等になっても体力差というのは明確な違いがあります。生物学的事実として、女性よりも男性のほうが徹夜などの肉体的な無理がききます。
私が学生のときに受けた年上の女性からのアドバイスで今でも心に残っているのが、「男性社員が毎日遅くまで残っていても、女性はそれを自分のデフォルトにしない方がいい」というものです。
その女性は長時間労働で体調を崩した自身の経験から言っていたのですが、他の知人の女性にも、本人は楽しく働いていたにも関わらず、長時間労働や睡眠不足が要因で若年性更年期障害になってしまった人もいました。
もちろん男性間でも体力差はあると思いますが、男女間には絶対的に差があるという認識は重要だと思います。仕事というのは基本的にマラソンであり、長期に渡り一定以上の成果を出し続けることを求められるので、体調を崩してしまっては元も子もありません。
とはいえ、もちろんここは短距離で勝負すべき時というのもあると思うので、そのときは思いっきりアクセルを踏んでもいいと思います。ただ、体力に絶対の自信がある方は別にして、今自分が勝負すべき軸はそこなのか(=本当に短距離勝負で戦うべき時なのか)を冷静に分析することをオススメします。
3. 起きる前にライフイベントを考えてもしょうがない
最近の女子就活生は「見えない赤ちゃんを抱いて就活している」と言われ、私も学生と接する中でそう感じることがあります。
「保育園が見つからない」「マタハラを受けた」といったネガティブなニュースが流れていることもあり、ライフイベントに対してどれだけ手厚い福利厚生があるかが、企業の就活人気ランキングにも大きく作用するようです。
ですが、私はそういった「未来のライフイベントに備えて」会社や仕事を考えることにとても違和感があります。結婚したら、、出産したら、、と考えて現時点で答えが出ますか?
いざ自分が子供を持ったらどういう感情になるのか、何を問題だと感じるのかはそうなってみない限り分かりません。先輩社員の話は1つのケースとして参考にはなるかもしれませんが、同じようなライフスタイルになる保証はどこにもありません。
「◯年の◯月に結婚、◯年の◯月に子供を持とう」と計画することはほぼ不可能な中で、就活イベントでアピールされるライフイベントに備えた制度の充実は、キャリアを考えるうえでの上位にくるような要素でしょうか?FacebookのCOO、かのシェリル・サンドバーグも「仕事を辞める前から、辞める時の事を考えるな」と言っています。笑
逆説的ですが、結婚・出産といったライフイベントへの最も有効な準備は「目の前のことに全力で取り組み、成果を出すこと」ではないでしょうか。前述した"人材の市場価値"が高ければ、働き方や仕事の内容も自由に選ぶことができるはずです。
4. 自尊心を高く持とう
過度な自信は必要ありませんが、日本の慣習では美徳とされる女性の謙遜は、仕事においては自信がないことへの言い訳と捉えられかねません。
自分が仕事を振る側に立った時に、「死ぬ気でやるのでやらせてください!」という男性社員と「自信はありませんが、頑張ります、、!」という女性社員、どっちに仕事を任せたいと思うでしょうか?
現代の女性の働きやすさは上の世代の女性が死に物狂いで頑張った結果です。そうして用意された場を思いっ切り活用すればいいんじゃないでしょうか。何のしがらみもない20代のときに挑戦しなければ、年齢を重ねて制約条件が増える中でチャンスの機会もどんどん減っていってしまいます。
おわりに:Follow your passion!
まとめると、この記事で伝えたかったのは
「将来の不安要素への対策をあれこれ考えてもあまり意味が無いから、自分がやりたいことを権限と責任が大きく持てるところで遠慮せずに思いっ切りやった方がいい。でも努力の方向を体力勝負に持って行くと大変だよ。」
ということです。
とはいえ、まずは大前提である「自分がどう生きたいのか」を考えないと、情報に流されてしまいます。
・自分にとっての幸せとは何か?10年後の理想の自分は?
・社会にどんな影響を与えたいか?お金も時間も無限にあったら何をする?
・どんなチームに所属したいか?そこでどんな貢献ができるか?
といった問いをたまには真剣に考えてみるといいかもしれません。
これまで書いたことは上記の本質的なことをクリアーにするための1つの側面でしかありません。自分がどんなキャリアを求めているか分からないなら、まずは行動してみることです。
学生ならインターンとして働いてみればいいですし、社会人なら気になる人や場にとにかく行ってみましょう。
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そして、私が働くシェルフィー株式会社でもインターン・社員問わず募集しています。笑
今なら全職種採用強化中なので、興味のある方は男女問わずこちらからぜひ。