こんにちは、シェルフィーでCSを担当している友添です。
昨日は、「レガシー産業 × プロダクト設計 XTech Dive vol.2」イベントを行いました!
イベントの様子をレポートします!
イベントの背景
昨今、農業や飲食、建設などいわゆる「レガシー」と呼ばれる業界において、業界の課題や構造を変えるプロダクトが生まれています。
しかし、どんなにいいプロダクトを作ったとしても、それが業界に浸透するかどうかはまた別の話です。つまり、地道なユーザーヒアリングや現場の環境に沿った緻密な設計を行い、長年培われた業界の「当たり前」に真っ向面から向き合う必要があるのです。
ということでレガシー業界を変革し、かつ業界に受け入れられるプロダクトを設計しようと試みている企業から、ヒントを得ようということで今回のイベントが開催されました!
本イベントの登壇者はこの3人!
プラネット・テーブル:森雅俊
トレタ:酒井宏
シェルフィー:鈴木晶子
弊社の社員第一号である鈴木も登壇しました :)
イベントレポート
さっそくイベント内容を見ていきましょう!印象深かった内容を抜粋してご紹介します!
まずはイベントの概要を説明。
参加者のみなさんもレガシー産業でお仕事される方が多く、まずはレガシー産業ならではの悩みを全員で共有しました。
そしていよいよパネルディスカッション。全部で4つのテーマでお話いただきました。
Q1 : これまでITが使われていなかった業界でITサービスを作る上で苦労したことは?
「農業領域では普段ITに触れていない方が多く、だったらコミュニケーションに関してはアナログな業務も残そうという様にしています。例えば生産者の方とのコミュニケーションは、システムやメールに加えてFAXを飛ばすとか。生産者の方って日中は外で仕事をしていて電話やメールが受け取れなかったりするんですよね。でもFAXを送っておけば、家にいるおばあちゃんが受け取ってくれて、生産者さんが帰宅したら伝えてくれる、みたいな事例もあります。」(森)
「トレタではプロダクト設計を始めた時から、『ATMが触れる人ならば誰でも触れる』というコンセプトを掲げていました。ボタンを大きくするとか、できるだけ表示する文字を少なくするといったところを参考にしています。しかしその分、少し機能を加えたり文字を増やすと途端に難しいと言われてしまうという課題はあります。そのため現在は多機能化とわかりやすさを兼ね備えるという部分を追求していますね。」(酒井)
「建設業界のユーザーはFAXやガラケーで仕事をしているものの、意外にも普段はLINEやソーシャルゲームを頻繁に触っていて、toCサービスの使いやすさが彼らのサービスに対するスタンダードになっているんですよね。エラーのなさや、動きの良さ、そしてエンターテイメント性があるサービスの設計が大事になってきます。」(鈴木)
Q2.アナログの業務が根付いている業界にITサービスを浸透させるためにどういった手法をとっているのか?
「サービスを使い始めてもらって最初の2週間〜1ヶ月のオンボーディングが鍵です。まずユーザーへ対して『紙を捨てましょう』と掲げ、紙にあったデータを全てトレタのサービスに移してもらいます。二重管理しているうちはまだトレタのサービスが浸透しているとは言えないので。また使い始めを逃すとトレタサービスへのシフトはうまくいかないので、本当に最初が肝心です。そこはカスタマーサクセスが手厚くフォローしています。」(酒井)
「建設業界のユーザーはコミュニティ意識が強くて。なのでコミュニティに自ら入り込んで『こういう開発がしたいので意見ください。』といった感じで、業界の方に開発パートナーという形で一緒に作りあげてもらっています。そうすると、『俺が作ってやったプロダクトだ』というように業界の人が自分ごとで捉えてくれるというのはありますね。あとは弊社のメンバーは20代が多いので、『若造でまだまだ分かってないから助けてやるよ!』というように嬉しそうに手伝ってくれる業界の方も多いです。」(鈴木)
Q3. 開発フローの中で、どのようにユーザーボイスを反映させているのか。
「弊社のサービスでは荷捌きとか配送のオペレーションの中でユーザーとの直なコミュニケーションが取れるので、そこで得られる意見を重視して反映させています。まずはユーザー第一で考えています。オペレーションをちょっと無理してでも(笑)」(森)
「ユーザーボイスの反映に関しては、飲食店の営業時間外に実際に出向いて意見を聞かせてもらうことはしています。ありがたいことに飲食店の方々と良好な関係を築けていることもあり、営業時間中の現場を見せてもらえることもありますね。あとは『飲食店留学』をして忙しい業務の中どのように自社サービスが使われるのかを体感させてもらっています。」(酒井)
Q4. 様々なバックグラウンドのメンバーをどのようにマネジメントしているか?
「チームが少数ということもあり、やらなければならないタスクをみんなで補いながら仕事をしています。創業期のスタートアップのような感じですね。全員でコンセンサスだけ取って、あとは各々が走るみたいな。デザイナーがユーザーの問い合わせをとるなどもしていて、自分の職種だけにとらわれないパフォーマンスをしているのが私は良いなと思っています。」(鈴木)
「トレタでは『飲食店のためにどうできるか』という共通言語を使うということでバックグラウンドが何であれコミュニケーションが取れるようにしています。土俵を同じにすることで、その後はみんなそれぞれの職種の『プロだよね』ということで任せています。」(酒井)
「弊社ではまずどういう世界にしたいかということを話し合っていますね。ビジネスのデザインをするというところは全員で行って、そこからはトレタさんと同じく『プロだよね』という感じです(笑)」(森)
パネルディスカッションの後には、懇親会を行いました!
最後は懇親会を行いました!ピザを片手に皆さん楽しそうにお話されていました :-)
同じ業界でのトークや、他業界での情報交換など、様々なお話が飛び交っていていました!
まとめ
3人には、レガシー産業で仕事をする上の秘訣や苦労話を様々な角度から聞くことができました!参加者の方からは、「一歩踏み込んだ話が聞けた」「自分の携わる業界にも生かせそうな情報が得られた」といった声をいただきました :)
イベントを通し、レガシー領域には他業界でも似たような課題があるものの、そこにどうアプローチするのは企業によってそれぞれということがわかりました。今後も、色んな企業のレガシー産業へのアプローチ方法を聞いてみたいです!
シェルフィーでは今後もXTech Diveイベントを開催していく予定です!
ぜひ次回のイベントをお楽しみに!