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農業AIアイディアソンレポート☆

Googleさんのオフィスをお借りして、TensorFlow User Group Tokyoさんと弊社セラクの共同開催で「農業AIアイディアソン#2」を開催しました。

当日は120人の応募が集まる人気講座となりました。会場は六本木ヒルズ内43FのGoogle本社カフェテリア。フロアの半分を占める広々としたオシャレな会場でガラス貼りの床から天井まで広がる大きな窓からは地上約210メートルの東京の夜景が広がります。TFUGはTensorFlowがGoogleの提供するライブラリのため、会場としてGoogleのオフィスをお借りしました。

まずは冒頭で、弊社持田から日本の農業の抱える課題について説明がありました。

話の中には農業の担い手の高齢化と減少、海外から安い農作物が入ってきているという話などがありました。ITが農業においてできることは様々ですが、セラクはその中でも現時点では計測、記録、判断、制御、に取り組んでおり、勘と経験を裏付けるデータ活用により次世代へのノウハウの共有、生産効率の向上等ができると考え、農業IoTに取り組んでいます。


IT×農業の分野でセラクが取り組んでいること
セラクは農業の課題に対しコストを抑えた導入を検討し、計測と記録から始めようということで環境モニタリングを可能とする『みどりクラウド』というツールを開発しました。

日本全国で現在、約1,200台が稼動しており、収穫量のアップや質の安定化につながっています。理想の環境と現実の数値とのギャップを埋めることができるので収穫量の向上につなげることが可能です。導入しているきゅうり農家では収穫量を20%アップさせることができたそうです。モニタリングした情報を遠隔で確認し、異常値に対して警報を出すなど様々な機能があります。

ゲストとして栃木県でとちおとめをつくっている『加藤いちご園』の加藤さんもご登壇いただきました。

加藤さんは『みどりクラウド』を導入いただいている農家さんの一人で、導入後いちごの質の安定化につながったと言っていました。「農作業を全て機械化すること可能か」、「AIに解決してほしいことは何か」などいくつかの質問に答えていただいた後、いよいよアイディアソンがスタートしました。


アイディアソンスタート
『みどりクラウド』では、1台あたり画像データが年間9,000枚、センサーデータは26万件が蓄積されています。こうしたデータとAIを使い、農業界を良い方向にもっていこうという事で、アイディアソンを実施しています。

最初に個人ワークでマンダラートを使って【農業】から連想した単語を並べ、発想を広げていきます。出てきた単語を組み合わせてアイディアの種を出します。その後、2人1組でのブレストを2セットし、相手のアイディアの良いところを指摘。もらった指摘をもとにアイディアをまとめます。

まとめたアイディアは【アイディアスケッチ】という紙に記載し、会場のみなさんが良いと思うアイディアへ投票。特に投票数の高かったアイディアについて取り上げ、アイディア毎にA~Hの8チームにチーム分けをしました。

各チーム内でさらにアイディアをブラッシュアップ。いちご農家の加藤さんにもヒアリングし、農家の現場の現実を聞きながら進めます。最後に各チーム5分間でアイディアを発表しました。

会場から笑い声があふれる、遊び心あるアイディアや、本当に成立したら便利だと思うアイディア、ノウハウの継承や人手不足といった課題に応えるアイディア等々、たくさんのアイディアが飛び出しました。


アイディアソンの結果
最優秀賞

最優秀賞は審査員多数の推薦により、チームHの『神の手(剪定支援システム)』

が受賞。素人でも玄人が剪定したデータを活用することで玄人と同じレベルで剪定できるよう支援するというアイディアです。後継者不足という農家が抱える課題に応えるアイディアであり、実現可能性が高いという点が評価されました。


TFUG賞
ビジネスモデルがしっかりしていたという点が評価されて、チームIの『農業版ポケモンGo』が受賞しました。季節や農作物にマッチした農業のプロにコンサルタントをしてもらうというアイディアで、コンサルタント前後の収穫量の違いなどでラベル付けし、AIでプロの評価とレコメンドができる仕組みです。人手不足という課題に応え、初めて農業に取り組む人でもアドバイスを受けられることで新規参入者のハードルを下げることができるという点も評価されました。


賞品
最優秀賞は加藤農園で愛情を込めてつくられた【とちおとめ】と【とちおとめのコンフィチュール】。いちごは口に入れるとじゅわっと果汁が広がり甘い香りと種がぷちぷちとして加藤いちご園直送だからこその新鮮さと味わいでした。

TFUG賞はTFUGのメンバーが共著している【現場で使える!TensorFlow開発入門 Kerasによる深層学習モデル構築手法】という本でした。

懇親会では早い者勝ちで加藤農園のいちごとコンフィチュールが振舞われ、あまりの甘さ、みずみずしさ、匂いの良さに歓声があがりました。

遠方から来ていただいた方も複数名いて、マスメディア、商社、メーカー、農業関連会社、フリーランスの方など多様なバックグラウンドの方が同じテーマのもとアイディアが出せる場は和気藹々として非常に楽しい雰囲気でした。発表の前に乾杯をしたことも手伝ってか、たくさんの質問がされ、あたたかい笑い声や活発な議論の場となりました。

このアイディアソンでの交流を機会に、農業の役に立つソリューションの実現につながったり、会場にお越しいただいた方々の間で密な交友関係が生まれ、また次の取り組みにつながるなど、この時間が多方面に波及していくことができたら何よりです。今後もより良いアイディアソンやその他セミナーを開催していきたいと思いますのでご注目ください。  

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