今回は昨年6月に入社したロボティクスハードウェアチームに入社した大嶋の社員ブログになります。これまで大企業での開発から宇宙ベンチャーでの開発まで経験してきた大嶋が、ロボットベンチャーのSEQSENSEになぜ転職を決めたのか聞いていきたいと思います。
まずは、自己紹介からお願いしたいと思います!
ロボティクスハードウェアチームの大嶋です。
主にSQ2の回路基板とハーネスの設計・開発と量産の立ち上げ等に携わっています。
-前職のご経験を教えてください。
人生の本質的な部分に関わる仕事がしたいと考えた時に、電子工学科だったこともあり、医療機器開発が適していると考え、富士フイルムに入社しました。化学領域に強みのある富士フイルムが、分野の違う医療機器を開発していることはシンプルに面白いと感じましたし、異なる領域の知見が社内に蓄積されていれば何か新しいことができるのではないかと思い入社を決めました。
入社後は、ポータブル型超音波診断装置の開発に携わりました。要素研究から開始し、システムのレイアウト、アナログ部、電源部の回路・基板設計まで幅広く担当しました。社内で初めて自社開発化にも成功しました。
その後、富士フイルムが買収したFujifilm Sonosite(米国)に出向し、引き続き超音波診断装置を開発。量産試作、量産、上市後の対応を実施しました。
-なぜ宇宙ベンチャーへの転職を決めたのですか。
富士フイルムでは主に回路のアナログ部を担当しましたが、製品の不具合対応などを行う中でデジタル部やソフトウェア(FPGAやマイコンなど)について、もっと知識を得たい、設計・開発ができるようになりたいという思いが芽生えました。しかし基本的には担当領域が分かれており、担当分野以外の仕事は任されないという状況にありました。
また、出向先のFujifilm Sonositeは数百人規模のベンチャーで、小規模ですが世界初の製品を創出する企業でした。情報伝達や方針決定は非常にスムーズで、新規サービスを創出するには、こういった環境の方が適していると感じました。
出向から戻ったあとは、内視鏡スコープの開発に携わりましたが、世界初のモノ・コトを産み出したいという思いが日増しに強くなっていきました。
宇宙は未知のもので興味を持ち、また新規サービスを生み出したいという思いが重なり、超小型人工衛星を開発しているアクセルスペースというベンチャー企業に転職を決めました。
-宇宙ベンチャーではどのようなことをしていたのですか。
アクセルスペースでは、基板開発だけでなくマイコンやFPGAの開発にも存分に携われました。加えて人工衛星そのものの組立や評価というレアな体験もできました。
宇宙機器という領域は製品の信頼性が特に求められるので、新しい技術を使えば良いという世界ではありませんでした。リスクを検討した上で、安全性を担保できる開発手法が求められます。ある意味特殊な業界でしたが、エンジニアとしての幅が広がり、貴重な経験を積めたかなと思います。
-SEQSENSEに転職された決め手は何だったのでしょうか。
前職のアクセルスペースではJAXAとの共同開発に携わる中で、衛星の組立や交渉など様々な経験をさせて頂きましたが、今後は開発に対して新規性や技術的な難易度を求めたいという思いが強まっていきました。
そのタイミングでSEQSENSEに声を掛けて頂きました。自分の知識と経験が活かせること、成長できる仕事・環境であること、加えてお会いした社長にリーダーシップを感じ、この組織なら世界初を実現出来ると思い転職を決めました。
-今後SEQSENSEではどのように活躍していきたいですか。
警備ロボットの開発という実務面は当然ですが、それに加え、大手企業での経験・知見を踏まえて、今後会社が抱えるであろう課題に対してプロアクティブに対応していきたいと思っています。たとえば、製品の部品や個体の管理を行える環境を事前に整備しておかなければ、量産後の対応が難しくストレスフルになります。そうならないためにも、早めに打ち手を打っていくことが重要です。
実際に製品の変更管理・個体管理システムの導入を提案し、早い段階から社内のメンバーと共に準備を進めています。
-今後どのようなエンジニアを目指していきたいですか。
“早い安い上手い”の三拍子揃った課題解決を実現できるエンジニアを目指します。
そのためには、課題の本質を捉えるよう心がけたいです。枯れた技術で課題解決できるならそれに越したことはないです。その上で選択肢を多く持てるように最新技術にもアンテナを張り、情報収集だけに留まらず手触り感も得ておきたいです。
また、些細な問題は一人で解決したり、他分野の専門家とのミスコミュニケーションが減らせるよう、複数の技術領域について知識を深めたいです。
さらに欲を言うと、視点を変えれば簡単に解決する課題もあると思います。技術だけでなく社会を取り巻く環境やトレンドも積極的に把握するよう努めたいです。
-仕事をする上でのこだわりはありますか。
仕事において重要なのは仕事を減らすことだと考えています。個人に限定せずチームとして、どうすれば作らなくて済むか、どういう設計なら使いまわせるかを考えます。製品のQCDを考えたときに、仕事を減らせば自ずとCostとDeliveryは抑制でき、重要な仕事に集中できます。ただ、誤った判断をするとQualityまで下がってしまうので、そうならないよう知識・技術力を身に付けていきたいです。
また、会社のメンバーは全員が運命共同体だと思っています。個人だけでなくチームとして三拍子揃ったサービスをユーザーに提供できるよう、会社全体で相互に信頼・尊重するような風土を構築していきたいです。
-最後に、どういう人と働いていきたいですか。
知識や技術があることも重要とは思いますが、それ以上に一緒に働いていて楽しいこと、コミュニケーションが取りやすいことが重要と思っています。同じ空間で働くことの価値は、コミュニケーションの中で新たな視点が生まれるということにあると考えているからです。
また、モノづくりを楽しめる人が良いなと思います。失敗をちょっと恐れつつ楽しめるくらいの感じが良いですね。モノづくりが好きでメーカーに入社したのに、非生産的な仕事が多くてつまらないという人は、是非ベンチャーの自由かつスピーディな環境でモノづくりの楽しさを再認識して欲しいです。
今回はロボティクスハードウェアチームの大嶋のインタビューでした。世界初を成し遂げたいというモノづくりにかける情熱が伝わったでしょうか。今後もSEQSNESEのメンバーを紹介していきますので乞うご期待ください。