国内1兆円を越えるインターネット広告市場において、直近の急速な市場成長を牽引している領域の一つに、「Eコマース(以下:EC)」が存在しています。
その舞台において、セプテーニの新たな事業拡張を行うべく日々奮闘しているのが、Septeni Japanの「Eコマース対策本部(以下:EC本部)」です。
どんなメンバー・チームが、直近の躍進を支えているのか?
この度は、EC本部の躍進のヒントを探るべく、計3回にわたりインタビューを実施しました。
第一回目の今回は、EC本部内の各部門責任者を担うお二人に、話をうかがいます。
【プロフィール】
蜂谷 雄さん(写真:右)
2011年セプテーニに新卒入社。新規や大型クライアント向き合いの営業経験やブランディング領域の開拓などの業務を経て、近年はEコマース対策本部の営業部門の責任者を務める。
前薗 直樹さん(写真:左)
2013年セプテーニに新卒入社。入社以来コンサルタントとしてSEOの運用やソーシャルメディア組織の立ち上げなどの業務を経て、近年はEコマース対策本部のコンサル部門の責任者を務める。
――本日はよろしくお願いします。まずは、お二人の現在EC本部での役割を簡単に教えてください。
蜂谷)
我々はEコマース領域の取り組みにおけるセールス部門になるので、基本的にはフロントワークですね。各クライアントと対峙しながら課題解決のために提案型営業を行うチームです。例えば、AmazonのようなECプラットフォーム内での広告に関するお取り組みが多いのですが、直近では広告のみでなく、その売り場全体での売上をどう上げるかという目線で、包括的なマーケティングサービスの提供も行っています。
その中での私の役割は、クライアントコミュニケーションに加え、本部長とともにEC本部の未来設計を行ったり、直近ではウェビナー開催など新規獲得の領域にも携わっています。
前薗)
我々コンサルタントの組織は営業と二人三脚でクライアントに対峙していて、役割としては広告のスペシャリストとして施策の立案や各施策の遂行管理がメインですね。
その中での私の役割は、全体の広告品質の管理にあたるので、プラットフォーム様との折衝なども行っています。
――過去経験されてきた業務との違いや、面白さ、みたいなものはありますか?
蜂谷)
私はこれまで、セプテーニの優位性を探索していく立場、つまりセプテーニとしての強みがまだ確立されていない領域に関わることが多かったんですが、現在EC領域においてはセプテーニのポジションが一定確立できつつあるので、その優位性を活かした提案ができるのが、これまでとの一番の違いでもあり、面白さだと思ってます。
あと、過去はダイレクトレスポンスの案件が多い中で広告成果に強く向き合ってきましたが、現在対峙することが多いメーカー企業様には、広告成果だけに囚われない広い目線でのマーケティングサービスの提供がより求められます。そういった課題の捉え方や視点の違いも、今の業務の面白さですね。
一方で、過去にブランディング領域に携わるセクションにも所属したことがあって、そこでもメーカー企業様と対峙してきたので、求められる情報や企業特性の感覚値は今も活かせている部分です。
現状の数値起点で課題を抽出し、改善のためにどうすべきかといった会話が比較的多いダイレクトレスポンスの案件と、やりたいこと起点で、そのためにどんなデータを集めて何をするかといった上流から思考する傾向が多いメーカー企業様の案件と両方経験したからこそ、クライアントに合わせた思考の使い分けや適切な価値提供ができているかなとは思います。
前薗)
例えば、直近取り扱いが増えているAmazon広告で言うと、元々セプテーニが得意としている運用型広告の領域ではあるのですが、少し毛色が違うんです。
これまで向き合ってきたメディアは、メディアのロジック(広告特性や配信アルゴリズム)を追求して運用に活かせば、一定の広告成果を出してクライアントに価値を提供できていました。一方で、Amazonはレビューや商品価格、売り場状況、在庫など、広告以外の領域で成果に直接影響する要素がとても多いので、広告施策を考えるうえで複雑性が高いんです。その分、成果を出せれば大きなやりがいに繋がるので、それが面白いのですが。
とはいえ、広告成果を最大化させるという目的はどのメディアも変わらないので、PDCAを素早く回して成果に繋げる基本動作のスキルは、これまでの経験が活きていますよ。
――先ほど、お話の中で「EC領域ではセプテーニの優位性がある」とありましたが、その要因はどんな部分だとお考えですか?
蜂谷)
一番はスピードかなと。例えばAmazon広告では、立ち上げのタイミングから数多くのクライアントとお取組みを続けてきたことで、早い段階でノウハウを蓄積できました。でもその状況に甘んじることなく、常に「より良くするために」を考えてプロダクトのアップデートにも向き合い、変化を繰り返してきたことで、今こうしてセプテーニのポジションをキープし続けられているのかな、と思いますね。
前薗)
これまでのセプテーニの歴史からしても、「新しいプロダクトに素早く適応して強みに変える」みたいな部分は得意分野でもありますしね。
――では、ある程度ポジションを確立したセプテーニが、ECというマーケットに向き合う面白さや、市場そのものの魅力って何でしょう?
蜂谷)
特定のポジションが築けている一方で、市場としてはまさにこれからの成長市場なので、今後の変化も正確に予測できないですよね。その「正解がない」ことが面白さだと思います。
正解がないからこそ、たくさん頭を使って工夫しますし、これで合ってるのかとクライアントと一緒になって思考をどんどん深めることができます。その過程を経ることの重要性は理解してますし、その感覚を個別の案件単位でも事業ベースの規模感でも感じられることが、魅力かなと。
あとは、世の中を変えていけるような影響力のある企業のビジネス成長を対等な立場でご支援できているという部分ですね。直近では電通との協業によって我々が提供できる価値や打ち手も増えていますし、成長市場としてのEC市場の変革期に自らが確実に身を置いている実感があります。
現状我々が向き合ってるのはECの中でも主に数媒体という状況ですが、ECプラットフォームはまだまだたくさんあるので、ここを拡張していくことは今後の楽しみですね。
――「対等な立場でビジネス成長を支援できている感覚」って、どういうことから感じられますか?
蜂谷)
まさにこれから我々が目指すべきことなのですが、広告代理店として広告領域だけを担うのではカバー範囲が足りないですし、我々の成長も止まります。なので、今は正解がない中で我々がどういう価値を提供できるのかを探究していく必要性を感じている段階ですね。
最近はクライアントから、「広告だけじゃなく商品の売り方からサポートしてほしい」というご相談をいただくなど、取引形態から見直してビジネスパートナーとしてチャネル戦略を一緒に考えられるような案件も増えてきているので、徐々に目指す方向に向かっている実感もあります。
前薗)
すごく分かります。蜂谷さんが言ってくれたことが全てなのですが(笑)
僕は少し違った視点でセプテーニの強みをお伝えすると、成長領域にしっかりリソースを割けられることだと思ってます。
運用型広告はセプテーニがこれまで強みにしてきた部分なので、他媒体の実績も含めて会社としてのナレッジや、課題に対するアクションの仕組みが既に備わっています。なので、既存のサービス提供は仕組みを使って効率的に行いながら、答えのない領域にリソースを割いて探索できる。その資源の強みを持って成長領域で戦えるのがセプテーニの強みだと思います。
あと、成長市場に携わっていると、足元の課題が山積みの中で領域としても成長させていかなきゃいけないので正直すごく大変です。でも、そういった環境だからこそ、個人のキャリア目線でも自身の成長を日々感じられていますね。
――個人のキャリアというお話がありましたが、EC本部に来て成長したなと思う部分はありますか?
蜂谷)
先ほどの話に繋がりますが、視点・視野を広げて思考せざるを得ない環境ってことですね。
EC領域では、広告効果だけに向き合えば良いのではなく、そのチャネルでの商品の売り方や在庫状況の把握はもちろん、そのチャネルに囚われず商品自体をどう売っていくかという全体の販売戦略に向き合うことも求められます。そんな中で本質的に我々がすべきことは、クライアントの宣伝部、営業部、それぞれの組織が担うご予算の中でどう施策を行うかではなく、各部の垣根を越えて会社単位で売上最大化、ひいては長期的なビジネス成長のためにご予算配分をどうするかという視点でご支援しなきゃいけないなと。
もちろん、広告効果だけに囚われないご支援をするという視点はセプテーニ全体でも意識していることですが、僕自身もEC本部に来て改めて気付かされた視点ですね。
前薗)
僕も、これまで以上に顧客視点での思考が強くなりました。全体売上をどう上げるかという視点で、クライアント側もまだ答えがない状況から一緒に考え、セプテーニが持っているソリューションを提供するという枠を超えて、クライアントに対して何ができるかを考え施策をプランニングする機会が増えましたね。
EC本部は営業組織とコンサル組織が同じ本部配下にいるので、そういう視点が習慣づいている営業組織とより身近な関係で一緒にクライアントに向き合えているってことが影響してると思います。
――では最後に、せっかく各部門を管轄されてるお2人なので。若手が多いEC本部のメンバーにこの本部で身に付けて欲しいことや、経験させてあげたいことってありますか?
蜂谷)
急に別角度の質問ですね(笑)
そうですね・・・。ECというこの成長市場におけるナショナルクライアントのビジネスの仕組みや戦略を、パートナーとして一緒に考え、学ぶという経験は、この本部でしかできないことかなと思います。
あとは広告領域だけを担って良しとするのではなく、正解がないからこそ自らの思考を深めて、クライアントのビジネスをどう発展させていくかという視点や発想を身に付けて欲しいですね。
前薗)
そうですね。領域の特徴としてCPAやROASといった直接的な広告効果があまり求められていない環境下でも、僕たちコンサルはそこの責任を担っている組織なんです。一方で、その枠を超えた施策の提案が営業だけじゃなくコンサルにも求められるので、そういった枠を超えた探求を通してスキルアップに繋げて欲しいですね。広く物事を捉えてから施策に落とすというスキルは、今後どんなキャリアステージでも活かせると思うので、常に求められること以上のことに拡張して取り組んで欲しいなと期待しています!
――メンバーに向けた期待まで聞けました!ぜひ、メンバーも見て欲しいですね。本日はたくさんお話いただきありがとうございました!
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