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「SEEDS COMPANY流」アジャイル開発で実現する「グッドスパイラル」が回る組織

「はたらいて、笑おう。」をブランドタグライン(スローガン)とし、アルバイト求人情報サービス「an」や転職サービス「doda」等を展開するパーソルキャリア株式会社※。
そんな業界大手の人材サービス企業の中に生まれた社内ベンチャー「SEEDS COMPANY」。
(※2019年1月1日に「SEEDS COMPANY」はパーソルプロセス&テクノロジー株式会社に事業を移管)「SEEDS COMPANY」は開発組織、企画組織、営業組織が一体となった組織です。
「SEEDS COMPANY」がアジャイル開発を通して実現したい組織像とは?
エンジニアリーダー浅野と企画開発グループのマネジャー薮田がお話します。

SEEDS COMPANYの考える「アジャイル」とは

薮田:
私はアジャイルを、「スクラム」や「エクストリームプログラミング」といった言葉やその手法のイメージから、エンジニアを中心とした「開発者のための手法論」として捉えていました。

振り返ってみると、私たちの組織の歴史はエンジニアチームだけで「アジャイル」を実践しようとした失敗経験から始まります。現在、やっと「アジャイル」を組織全体で実践していける状況に変化してきました。

SEEDS COMPANY長の陳は、常々「アジャイルは、生存戦略だ」と言っています。
「アジャイル」は、世の中のニーズや流行の変化が早い現状に対して、組織がスピーディーに対応して、顧客の価値を提供し続けるために必要だという考えです。

浅野:
私自身はエンジニアとして長らくウォーターフォールの開発に携わっていました。そのため、アジャイルとは?と問われるとウォーターフォールの対極にある「開発手法」であるという考えが強かったです。

しかし、薮田さんの言う通り「SEEDS COMPANY」においてプロダクトの開発を進めていく中で、アジャイルとは組織全体の話だとわかってきました。


アジャイルを巡る対立――SEEDS COMPANY立ち上げ直後の開発の現場

薮田:
実は、私たちの組織は途中からではなく、立ち上げ当初からアジャイルでプロダクト開発を進める方針を持っていました。

組織の立ち上げ初期の2016年初頭、2つのエンジニアチームが走っていました。
「HITO-Manager」の開発を推進するDevOpsチーム、極秘裏に新規プロダクトを開発する「X」プロジェクトの開発チームです。

最初の大きな問題は、2016年の春頃に「X」チームで発生しました。
当初の予定ではそろそろプロダクトが完成できる見込みだという時期に、実は必要な機能の開発がほぼ何もできていないということが判明したのです。

浅野:
当時の「X」チームは、私も含めて2016年初頭から順番に採用されたメンバーが、徐々に人員を増やしながら開発を進めている状態でした。メンバーのほとんどはアジャイルでの開発経験がないこともあり、書籍などを頼りにしながらスクラムの手法を実践する日々。途中からやっとスクラムマスター経験者がDevOpsチームに参画したことで、ノウハウを共有してもらいスクラムは形になってきていました。

ただ、「X」プロジェクトは開発チームだけで動いており、開発メンバーは何がどうなっていれば正解かわからない状況に疑問を感じながらも、参加したばかりの組織ということもあり、その声がきちんと届かず、アジャイルとはこういうものかという誤解とともに開発を進めていたのです。

薮田:
今振り返れば、事業計画にも無理があったのですが、全てはビジネスサイドと開発サイドの対話不足に起因していました。私がこのタイミングで参画することになったのは、ビジネスサイドが組織の立ち上げでリソース不足を起こしていたことが引き金です。

その後、この難局を乗り切るためにお客様との約束を守ることを最優先にした緊急体制が組まれ、ビジネスサイドと開発サイドが一体となって開発を進めることができるようになり、事なきを得ました。その時は、「アジャイル」かどうかはどうでもよく、どうやったら納品に間に合うのかという目線で全員が動いていました。皮肉にもその時に初めて対話がなされるようになったのです。

浅野:
その後、2016年10月頃に体制を仕切り直して、「X」プロジェクトは開発を続けることになりました。
しかし、プロジェクトの問題は続きます。
1つ目は、要件の問題です。エンジニアサイドからすると、要件が後からどんどん出てくる。作った後に要件が違うと言われる状態です。
2つ目は、納期の問題です。「アジャイル」だというのに、お客様の都合で必要な機能とそれを実装する納期が指定されてしまっていたのです。

薮田:
2つの問題は密接に関係しています。
このプロジェクトを成功させるためにも、最初にこのプロダクトを試してくれるお客様は大事でした。

そのため、納期に幅を持たせながらも時期をお伝えするということは、ビジネスサイドからすれば受け入れざるを得ない状況でした。また、事業計画としてもクリアしなければならない納期がありました。
納期に間に合うように開発するために、最低限の要件は伝える。しかし、考慮漏れによって、どうしても妥協できない部分は作り直してもらうしかありません。ビジネスサイド・開発サイド、それぞれお互いのチームに対して不満がありました。

しかし私は、これらは個人の問題ではないという確信がありました。


1冊の本が変えたアジャイルな組織への第一歩

浅野:
その後、2017年10月ごろに、ウォーターフォール型のPM経験のあるメンバーが参画してくれたことで、納期を優先したプロジェクト推進が可能となりました。それに伴い要件ずれも少なくなっていきました。
しかし、このスタイルの開発は決して「世の中のニーズや流行の変化が早い現状に対して、組織がスピーディーに対応して、顧客の価値を提供し続けている」とは言えません。

自分達でもっとアジャイルを学ばなければならない。
そう強く思い始めた矢先、私が1冊の本に出会いました。

ミクシィ出身の広木 大地さんの書かれた
「エンジニアリング組織論への招待 〜不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング〜」。
成長する組織を作るための設計・運営ノウハウが書かれた本です。

周囲のエンジニアに勧めたところ、評判がよく読書会が開かれるまでになりました。
初回は、任意だったにも関わらず組織メンバーが全員参加し、満足度もとても高かったです。
これまで声には出していなかったものの、メンバー全員何かしらの危機感、そしてアジャイルに対しての可能性を捨てられない気持ちがあったのだと思います。

その頃から目に見えてエンジニアの発言量も増えてきて、「チームとして何々をすべき」といった発言も目立つようになりました。他責思考から自責思考に変わったメンバーが増えたのは本当に大きな変化です。

これが、2018年初頭の話です。
自然とアジャイル開発に必要な土壌が整ってきました。

薮田:
チーム全員から、「どうすればもっと良くなるんだっけ?」という会話が増えてきたこと、受け身ではなく主体的な動きが増えてきたのは本当にいい変化だと感じました。

私としては、すべての経緯を見てきた中でアジャイル・スクラム開発がうまくいかないのは、メンバー個人の問題ではなく、組織や構造の問題だと理解しています。

大きな組織になるほど組織の壁が厚くなり、外(顧客や世の中への価値提供)ではなく内(個人やチームの評価)を気にしてしまう傾向が必ずあると思います。SEEDS COMPANYはまだ小さな組織で、私が企画と開発の両方を横断的に見るマネジャーの立場だったので、組織の壁を作らずに、どうすれば全員が顧客やプロダクトの価値に向き合えるかをマネジメントとして心がけてきました。

事業全体が「アジャイル」で運営できるよう組織・構造を変えていくことが自分の役割だと考えています。

浅野:
ハブ的な立場である企画の薮田さんがそのような考え方を持っていてくれたのは本当に有難かったです。

システムやプロダクトの最終アウトプットの責任を持っているのはエンジニアです。
そのためエンジニアは、トラブルやミスがあると真っ先に責められる、と感じやすいのです。
その時に個人のミスを追求するのではなく、組織としてどう改善できるか前向きに議論ができる環境があったことは、必然的にエンジニアのモチベーションアップにつながっていきました。

私自身の変化でいくと、メンバーとの1on1ミーティングを積極的にやるようになりました。私自身もハブとなってメンバーやチームの声をつなぎ、個人レベルでのエンジニアの困りごとや不安・不満を解決するためです。

1つずつの変化、取り組みはチーム全体の生産性向上に現れつつあると実感しています。


グッドスパイラルが回る組織を目指して

薮田:
今は「SEEDS COMPANY」全体で「チーム」の動きを改善する取り組みが目立ってきました。
重たかった車輪が動くかのように、グッドスパイラルがやっと自ら回り始めた感覚ですね。

メンバーから生産性を高めようという声もでてきました。それぞれに目的意識が芽生えてきていることで、単なる効率化ではない強い生産性向上の兆しも感じます。

本来、最も生産性が高いのは、自分たちが本当にやりたいことをやっている状態だと思います。
仕事を通し、それを実現できるのが理想。

だからこそ、今後はメンバー自らが考え、発言して開発を推進できるような体制になっていくことを目指しています。アジャイル開発において、納期があるorないはすでに組織内の論点ではなくなっています。

もちろんまだ未熟なところも多くありますが、将来的には大きな戦略のみをチームに提示し、あとはメンバーで自走できるような組織を目指したいですね。そしてそのための土壌はできつつあると考えています。

浅野:
これまでの組織変遷を経て、「SEEDS COMPANY」はエンジニアにとっての理想的な組織を作り上げることができていると思います。

「組織を自らの想いで良くしていける経験」を積めること自体が「SEEDS COMPANY」で働くエンジニアにとってのメリットだと自負しています。この変遷を経験したメンバーには、その「SEEDS COMPANY」での知見を様々な場所で発揮して欲しいと思います。

だから「楽な環境に安住したい」というスタンスのエンジニアの方にはあまり「SEEDS COMPANY」の「アジャイル組織風土」は合わないかもしれません。チームやメンバーのために今よりも良い環境を作ろうという志のある人に参画して欲しいと考えています。

グッドスパイラルは回り始めました。組織とともに各メンバーも成長しています。
これからはもっとメンバーのWill=やりたいことを引き出せるような施策を考えていきたいです。

組織を変え、自らを変えたいエンジニアの皆さん、ぜひ「SEEDS COMPANY」にお越しください。
ご一緒できる日を楽しみにしております。


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