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【インターン体験記】中国とアメリカで育った私が日本のPR会社で学んだこと

2019年の6月から8月まで、東京・日本橋のStory Design houseで広報・PRのインターンをしていた冨島です。私はアメリカのミシガン大学に在学し、国際環境とメディアを専攻しています。卒業前にその両方の世界に触れてみようと、去年の夏休みは農家さんへ、今年はPR会社であるSDhにお邪魔しました。

「出版社に趣味の漫画の持ち込みに行きたい」という下心で東京のインターンをあさっていたことは否めませんが、「自分」があるかもわからないけど「自分探し」をしている成分もありました。

日本の名前を持ってはいますが、中国で愛国教育を受け、アメリカで大学に行っています。いつも自己紹介で出身を聞かれるときに考えます。私は日本人なのか?三ヶ月で答えが出るような問いではありませんが、夏休みはいつも日本に目を向けてしまいます。それに加えて、PRについて具体的に知りたいことと、比較的新しくて小さい会社の空気を嗅いでみたかったこともあって、SDhのインターンに申請しました。

見る

インターン中に、たくさんリサーチを行いました。他社に関してももちろんですが、それにまつわる業界のトレンドや、日本全体の取り組みや地域の努力、新しいことを取り入れている老舗や面白いプロジェクトを推進しているベンチャーについても、いろいろ読むことができました。

また、Wordpressを使った業務もありました。自在に操る程度にはとうてい達していないのですが、ウェブサイトの裏側を見ることはできました。どんどん使いやすくなっていっているとはいえ、何気なく読んでいるウェブサイトをきれいにするために誰かがこうやってレイアウトや画像のアレンジに工夫しているんだな、と少しスクリーン越しに感じるようになりました。

感じる

リサーチや文章の整理を経て、ウェブサイトが視聴者との距離を図る様子が目に止まりました。サイトによって言葉遣いや表現のしかたが少しずつ違っていて、利用者もその違いを汲み取って、自分の居心地がいいところにとどまっている。そんなオンライン環境の繊細さに感心しました。需要を見つけるサイト側も、受け入れる利用者側も、実は繊細な選択をしているのだと。

面と向かっての会話が中心だったコミュニケーション。本や新聞、ラジオ・テレビが生まれ、それで十分たくさんのチャネルが開けたと思いきや、今のオンライン環境はたぶんこれまで考えられなかったニッチをたくさん作っているのだと思います。企業も個人も、自分に合った環境を探して、それがないなら自分でプラットフォームを作れる時代。どんどん特化して、分散していくけど、それで過ごしやすい空間ができているのなら、そう悪いことでもないような気がしてきました。自分のほしい小さな世界を作る人間と、その世界が人間と関わって思わぬ化学反応が起こるインターネット。それに応えて回っている会社たちを画面越しに見ていると、一人の人間の意外な大きさにびっくりしたり、世界の広さにびっくりしたりしていました。

インターンの内容から少し逸れた道草もたくさんあって、それも毎日の帰り道を充実させてくれました。

書く

書くことについては一番感慨深い体験ができました。大学で長い文章を書くようになって、改めて自分の言葉のレパートリーの少なさを感じたのですが、今回はなんと初めて文章のスタイルについて褒められました。SDhで、ライティングと付き合いの長い方からいただいたお言葉です。具体的な句の構成や単語の選択が面白いと言ってくださって、本当に嬉しかったし、驚きました。絞り出すような工程で書いたものを、こんなレンズで捉えていただけるとは思っていませんでした。言葉がぎこちないとしか思ってなかったのですが、これからも日本語を、私の日本語を、たくさん使おうと思いました。

未来型読書会「アクティブ・ブック・ダイアログ」を行いました! | Story Design house のブログ
はじめまして、アメリカのミシガン大学在学中の冨島です。夏休みの間、Story Design houseでインターンをしています。 先日、斬新な読書会に参加させていただいたので、その面白さをここでお伝えします。 ...
https://www.wantedly.com/companies/sd-h/post_articles/182364

居る

社員の皆さんもとてもあたたかく、会社も柔らかい雰囲気です。みんな人間としておもしろくて、人を引きつける個性を持っています。お昼にそうめんを茹でている方がいたり、コーヒーを淹れてくださるクリエイターさんとカオナシがいたり、加えてアレクサが自由に歌っている職場ってそうないと思いました。もっとたくさん皆さんと喋ればよかった、と少し後悔しています。

「人」についても観念が少し変わりました。学術的な文章を書く時に「私」を使わないよう言われたり、私的なことを出さないよう気をつける一方で、だからといってそれが消えたわけじゃない、と改めて気づきました。きれいにまとめてあるパワーポイントは誰かが頑張って作ったもので、一冊の本が出版されるまでに著者も担当編集者も私が想像できないくらいの苦労を経ている。当たり前のことなのに、結果ばかり見ていて人間の存在を濾過していました。もっと何かを生み出している人たちの思いに触れて、苦労を感じ取らなくては、と思いました。生み出された内容ももちろん大事ですが、何かが成果になるまでをもきちんと評価しないといけないと思いました。

人ひとりひとりの特性に光を当てて、ぬくもりや繋がりを大事にする職場に居れてよかったです。PRやマーケティングについても見ることができて、貴重なインターン体験でした。これからも連絡を途絶えず、いつか交差するかもしれないたくさんの道を見ていきたいです。


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