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常に選択は選んだものを正しくするのが、ベストな鉄則

さくら事務所は不思議な会社です。

「昔ながらの大手企業」や「今時のキラキラベンチャー」のそのどちらでもない雰囲気。

なんだろうこの雰囲気は。

世代も社歴も雇用形態もみんなばらばらなのに、なんでこんなにみんながフラットに生き生きと仕事をしているんだろう。

そう思った私は、その謎を解き明かすため、今回、さくら事務所の代表取締役社長である大西倫加に、直接インタビューを決行しました。

大西倫加

さくら事務所代表取締役社長

大西 倫加のプロフィール - Wantedly
株式会社さくら事務所, 代表取締役社長 株式会社さくら事務所代表取締役社長/らくだ不動産株式会社代表取締役社長 /だいち災害リスク研究所副所長 「人と不動産のより幸せな関係をつくる」を理念に2社を経営/出版や取材協力・講演多数/人の魅力や才能を開花させるPRコンサルタント/神社・史跡、神代・古代史、山歩き、美術館、オラクルカードが大好きで活字中毒なぼっち。
https://www.wantedly.com/id/norika_onishi


堤晴子

さくら事務所広報PR・マーケティングスタッフ

堤 晴子のプロフィール - Wantedly
株式会社さくら事務所, 広報室 人と話すのが好きで、コミュニケーションをとることが得意です。趣味がとても多いです。
https://www.wantedly.com/id/haruko_tsutsumi_a


さくら事務所は10年前からフラットな組織

—本日は入社2か月の広報つつみが社長である大西さんにインタビューさせて頂きたいと思います。よろしくお願いします!

私が組織設計や人事戦略、採用から任されるようになったのは、それまでは会社がフラットではないピラミッド型の組織で色々な歪みや組織崩壊に近い問題が起こったからでした。

その課題でいくつか感じたことがあります。1つはトップの力が強いと、誰しも間違う可能性があるのに、判断が間違っているとか、あるいはもっといい第三の案を誰も言えなくなり、組織として最悪間違った方向に進んでいくのを止められなくなります。

そして上層部やトップに権限が集中していると、必ずそこへ連絡をとって承認を経なければならないわけで、ありとあらゆるところで中間時間が掛かります。その時間が今後の時代の大きなリスクになると考えました。


—大西さんにとっての理想の職場環境とはどういうものですか?

ベンチャー組織に見られがちな、たとえば組織が崩壊するとか社内でクーデターが起こる背景は、みんな伸び伸び楽しく仕事ができず、自分にとって良い環境だと実感できていないからだと思ったんですよね。私にとって大事なのは、自分の成長や進化がありありと実感ができ、仲間と過ごす時間が楽しくて自由で、自分が仲間に受け入れられ求められている感覚です。私は仕事にあたってこの3つはかなり大きいです。この3つがあると自分を誇りに思え、自分を好きになれると思っています。会社の組織を変える前は、この3つが絶対的に無いと思いました。

私が経営を預かるなら、当たり前ですけど時間対価値や効果が最大に高まるものを求めるんですね。でも最大の効率を求めるだけだと寂しい話で、これは時間当たりどれだけのタスクをこなせるのかって話ではありません。

時間対価値や効果が最大に高まるのは、仲間たちの潜在能力が最大限に開花していることだと思ったんです。私も含めて仲間の24時間は平等に与えられていて、普通の人と秀才や天才の違いって、たとえばビジネスの領域において、普通な人とビジネスの天才がいて才能に差があるとしても10倍ぐらいじゃないですか。

1人の能力差で100倍差がつくことはありません。でも、100倍、1000倍になる方法が2つあります。1つは一人ひとりの人間の使っていない潜在ポテンシャルを爆発的に開花させること。もう1つは自分以外のチームの力で才能を何乗にもかけ合わせることなんですよ。そしてこの2つに欠かせないのが、仲間意識を持って自由に楽しくやりたいことを伸び伸びやることなんです。

人の能力が最大限に発揮されているときは、自分が伸び伸びと好きなことをしてるとか、自由でいるとか、自分自身がクリエイティビティを発揮できているときじゃないですか。誰かに言われたルールの下で、誰かの顔色を見ながらやっているときではないはずです。子どももそうだと思いますが、楽しいことをやっていたら、「なんでそこまでできるの!?」ってことをやったり、何時間やっても全然飽きないことがあると思うんですけど、一人一人のまだ使っていない能力を伸び伸びとできる限り開花させることを考えると、できるだけ自由にクリエイティビティを持って、その人たちが楽しく時間を忘れるほど、自分の限界を忘れるほど楽しい環境を目指せば、力が何倍もの組織にすることができるし、結果として会社の成果、時間対価値が上がると考えました。

決断が少し遅いだけでリスクになる時代

—大西さんは他の人よりも決断が早いと思うのですが、それにはなにか理由があるのでしょうか?

決断までのあいだに状況自体が秒速で変わる時代だから、それがリスクな点と、これに関してはもう一つ理由があります。私は直感を信じている人間なんですが、すべての合理的判断は後付けでやってくるって判断なんです。先に直感で決断するので、そもそも直感をいろんな理屈をこねくり回して思考している時間がもったいないんですね。

結果として、考えても結局直感の答えに行きつくことが多いこと、思考をこねくり回すのはある種リスクに対する恐れでもあるので、結果としてあまり正しくなかったり逃げ腰だった可能性も無きにしも非ずで、私の場合にはその傾向が強いんですね。だから直感で決めてしまった方が早いので、自分の決断までの時間も、どれくらいのフェーズでどれくらいのリスクだったら何分以内で決めると、実はマイルールで決めているんですよ。

普段みんなと一緒に仕事をしていて、みんなの中で決めていくことは大勢に影響がないことなので、それは秒で決められます。そして、もう1つ決断に関して大事な点は、ほとんどのケースで、何を選ぶかより、選んだものを正しくすることがベストだと思っていることです。

だから、たとえば右と左に道が分かれていて、右となったときに、もしかしたら短期的に右じゃなかったかもってことにぶちあたるかもしれません。それはそのときに右を正しくするために、右でうまくやる方法をさらに考えて取り組む。あるいは右での学びを経験として、左までの真ん中あたりに少し軌道修正をすればいいだけで、常に選択はどっちを選ぶのが正しいではなく、選んだものを正しくするのが、人生でも経営でも、私はベストな鉄則だと考えています。

どんなに若い社員にもチャンスは転がっている

—広報未経験にもかかわらず、入社1週間の私にメディア向けセミナーの運営を任せて頂きましたよね。自分でも「なんでやらせてくれるんだろう?」と不思議に思ったのですが…。

全部に共通することなんですが、大原則として、「私」が会社にやってほしいことをやっています。つまり仮に自分が新卒1年目であってもチャンスは欲しいし、成長の機会がほしいので、やったことないことにはどんどんチャレンジさせてほしい。自分がそう思っているのに、ほかの人にはさせないという理屈は根本的に理解できないんですね。結論が早いのも、自分だったら早く決めてほしいし、自分がされたいことを実際にしているのは、顧客に対する姿勢も全部そうです。

お客様、ご依頼者様に対して友達のように接してほしいのも、自分がそうしてほしいからです。フラットな組織で決断を早くして、メンバーたちに成長の機会や多少ジャンプするのにストレスが掛かったとしても、成長や進化の機会を重視して仕事を渡すのは、自分がそうしてほしいからなのが大前提です。そして若干のプレッシャーを跳ねのけてやり遂げるだけの意志力や、情熱とポテンシャルは年齢や年次、役職や職能で決まるものではないですよね。

スキルは確かにやったことがあるかどうかで多少の経験値の違いはあります。でもまさにスキルと知識の違いは10倍以上にはならないんですよ。でもたとえば、ポテンシャルと絶対に何があっても逃げない、これは絶対にやり遂げるって強い情熱が100ある人と、知識と経験値が100もあるけど、「振っといてもらったらやりますよ」程度の情熱10の人と並んだときに、どっちが化けるか、私は情熱を100持ってる人だと思います。

何より仕事はどれだけコミットできるか、そこに対して思い入れや愛があるかで、周りを巻き込んだときの掛け算による力は、スキルの差を遥かに凌駕していくので、年齢と年次は関係ないと本気でそう思っています。

なのでメンバーのことはどれくらいコミットしたり、情熱を持っているかを見てます。20代、30代で本気を出してない人が、40代、50代になってから出せるはずがないんですよ。だから若いうちに本気出した方がいいし、人には適職の向き不向きがあって、好きなことだったら、向いていることだったら夢中でのめり込める。たとえばさほど向いても好きでもないけど、誰か喜んでくれることに関してはがむしゃらになれるとか、力の発揮しどころが誰にでも必ずあるんですよ。どんな仕事を振ってどの環境を渡したら、本気になって今持っている以上のポテンシャルを何倍も発揮するスイッチがあるのかを見てます。

 

―見られていると思うとなんだかドキドキします(笑)どういうポイントを見ているんですか?


 目の輝きと時間やへんなプライドを忘れてのめり込んでいる、わくわく楽しそうかとか、アイデアフルにどんどんクリエイティブな意見が出てくるかなど色々なポイントで見てます。


―なるほど!私の採用面談の時、最初に「私、履歴書は見てないんです」って言われて驚いたのを覚えています。履歴書を見ないのはそういうところからですか?


はい。やってみないとその目の輝きって分からないですよね。


—失敗についてはどんな考えを持っていますか?

まず失敗に関しては、誇れるチャレンジの数だと思っています。走らないと転ばないし、挑戦しないと失敗って起こらないですよね。失敗はどれだけ挑戦したかの数だと思っているから、そもそもなんですけど、失敗自体にポジティブもネガティブも意味を込めていません。

全力で走れば走るほど確率的に転ぶと認識しているので、むしろ私が面談に出るときは、挫折や失敗を乗り越えた経験を聞きます。これといった失敗や挫折をしてない人は、もしかすると恵まれていたのかもしれないけれど、だから穿った見方になるかもしれないんですけど、大きなチャレンジをしてこなかったんじゃないかと残念には思います。

だから私はどちらかというと、失敗をしてきている人は好きですね。ただ、同じ失敗を何度も繰り返すことはダメです。仕事でも特にお客様にご迷惑をお掛けすることや、周りを巻き込んで労力を掛ける失敗で3度目はないとよく言ってるんですけど、それは当然ですよね。普通の失敗は当たり前のことで、その数があればあるほど、それだけたくさん走ったんだなと思います。

私も本当に数えきれないくらいチャレンジして失敗して、事業ごと潰したこともあります。だから私にとっての本当の意味での失敗は、やりたかったのにやらなかったと後悔することです。幸いさくら事務所に入ってからは今のところそれはないです。

失敗も経験値が大事だと思っていて、経営者は絶対にやってはいけない失敗が一つあります。それは会社を潰して社員を路頭に迷わせることです。その失敗をしないために、本当に踏んじゃいけないものに対する嗅覚や感度を上げようと思うと、死にはしない失敗をたくさんやって、失敗経験値を積んで、絶対にやってはいけない失敗に対する感度を上げることもすごく大事だと思います。失敗そのものよりも、失敗の数だけが誇れるのでもなくて、どうやってそれを活かしたか、どうやってリカバリーしたかが大切です。

最後に趣味のお話を聞かせてください。

—大西さんはいつもずっと忙しくお仕事されていて、正直プライベートの大西さんって全くイメージが湧かないのですが、お仕事以外の時間はいつもどう過ごされているんですか?

私はすごく興味の範囲が狭いので、一人の時間が取れるときにやってることは本当にいつも同じで、まず活字中毒なので、とにかく絶えず活字に触れてます。基本的には活字があれば何でもいいので、名作ばっかり読んでいるのではなく、サブカルもすごく好きで漫画もいっぱい読みますね。月間30~50冊は買います。だから考えるのは怖いけど今まで買った本で家が建ってたんじゃないかと思ってます(笑)

以前は部屋の一室が全部書棚部屋に住んでました。本当はインタビューもキングダムとか呪術廻戦とか、好きな漫画で一晩中語りたいですけどね(笑)

あとはとにかく神社と古代史が好きなので、時間があって体を動かせたら神社に行くし、本当は山の奥の緑や水辺いっぱいな神社が好きなんですけど、そこまで時間がないときに打ち合わせで外出するときは、必ず時間ちょっとだけとって近所の神社にも参拝してますね。


—はっきり言ってオタクですよね(笑)

そもそもなんですけど私、オタクマインドが好きなんですよ。だから何かにすごく入れ上げていて、それも中途半端にファッションのようにやってるんじゃなく、本気でやってる人が本当に大好き。漫画好きで自分でもコミケに出してるとか描いてるのももちろんだし、うちの会社の人たちもテンション変なくらい建築や不動産にほれこんで、タイルにのめり込んでるとか、どこでも地盤しか見てないとか、そんな人たちが私は好きなんですよ。


—本日は大西さんの色々な一面や哲学が聞けて嬉しかったです。ありがとうございました!

ありがとうございました!

インタビューを終えて

さくら事務所の生き生きとした職場と輝かしい実績の裏には、数えきれないくらいの失敗と、きれいごとではない、合理性に裏付けされた社員の情熱がありました。そして、その先頭を走っているのが他の誰でもない、大西さんだということを今回のインタビューで知ることができました。

もし、このインタビューを読んで少しでもさくら事務所に興味を持って頂けたなら、ぜひ一度お話を聞きにきてください。オタクな社員たちがあなたをお待ちしております!


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