運用費を1/7にしたシステム開発
某公共図書館 様
公開日 2023.06.23
アプリケーション アプリケーションDX推進
背景
海外製パッケージソフトで基幹システムを構築したお客様にはいろいろな課題があった。どのような課題があったか振り返る。
仕様変更のやりずらさ
パッケージソフトである限り、カスタマイズに限度がある。特に日本の法律に合わせたシステムの仕様変更は至難であったはず。
パッケージソフトの保守費用
非常に高性能なパッケージであるため高価である。加えて海外製であるため為替リスクもある。
海外故の文化の違い
文化の違いからカスタム要望を伝えにくい。また時間にたいしてルーズであるため、ハラハラする。
何を注意して開発したか?
ベンダーロックインしない
難解な技術を用いる。難しいコーディング方式を採用しない。経緯をソースコートに記載する。コメントは業務視点で記載する。大量のドキュメントを作成しない。ドキュメントはシンプルでわかりやすく記載する。経緯は丁寧に記載する。ドキュメントやソースコードを読む方の技術レベルを仮定して記載するレベルの基準を統一する。
テストやリリースは自動化する
繰り返し行われる作業を自動化せずに人手でやる意味のなさ半端なさ、お客様は本システムを10年は使う意気込みであったため、コストをかけるとろにはコストをかけて自動化を徹底的に行いました。
アジャイル方式で開発
大勢の職員様に利用いただくシステムでありリリース後のギャップをなくすため定期的にリリースし利用してもらい意見を吸い上げる方式とした。(テストとリリースを自動化しないと定期リリースは負担でしかない)
一般的なOSSを活用する
一般的なOSSを積極的に活用することで、システムの理解を容易にし、またコーディングの絶対量を効率的に減らした。
どうなったか?
運用保守費が1/7になった。
年間3億円かかっていた保守費が4400万円になった。
ベンダーロックインが解消された
恥ずかしい話だが、我々は初年度の運用保守を失注し、開発した会社以外でも運用できることを証明した。(当然受注した会社は苦労したとは聞いている。そもそも業務がかなり難しい)
柔軟に法令対応(仕様変更)できるようになった。
当然だが、コストダウンだけではなく、システムは使いやすくなり、信頼性が向上し、柔軟に仕様変更ができるようになった。これは何よりも代えがたいことだと感じる。