この数年、SaaS企業の大型上場がマザーズ市場をにぎわしています。
特に2019年以降において、初値ベースで時価総額1000億円を超えてユニコーン企業になったSansan、freee、プレイド、ウェルスナビなどが注目されました。ユニコーンにSaaS企業が増えたことでSaaSを業態とする企業が視線を集めています。
そんなSaaS領域においてもビジネス拡大においても欠かせないのが、お客様への提案から契約までをサポートするセールスという職種になります。
HR techのSaaSプロダクトを提供するResilyの、フィールドセールスを担当する佐川に、Resilyの営業戦略や詳細な業務内容、そのやりがいについて聞いてきました。
ーーはじめに、佐川さんの経歴を教えてください
新卒では債券取引に特化したマーケット運営を行う証券会社に入社しました。そこは日本の金利が決まる場所で、私は主に海外の金融機関を担当して、2年ほど国債のトレーディング業務に従事しました。その後は知人の起業を手伝い、IR(Investor Relations)支援企業で6年ほど過ごしました。
そして、IR支援会社が事業売却されるのを機に、SaaSスタートアップの門を叩きました。Resilyでスタートアップは4社目です。最初は自然言語処理の技術を研究開発に応用したスタートアップに初期フェーズで参画したり、別のスタートアップでは社長とフィンテック企業を立ち上げる所から、金融機関のアクセラレータープログラムに参加するなど色々な経験をしました。共通するのは、アイデアを事業化する、つまり「売り上げを作る」ことを役割とし、持っているスキルをフル活用し、無ければ走りながら最短で身に付け事業を伸ばしたことです。事業化のための本質的な知見は一定の再現性があり、身につけた色々なことが今でも役に立っています。
言葉の裏に隠された意図や見えない課題は汲み取りながら顧客と「対話」する。
ーーまず、Resilyのセールスプロセスと業務内容について教えてください
Resilyではフィールドセールスを担当しています。インサイドセールスがコンタクトして商談化したお客様に対して、具体的な提案を行い契約手続きまでフォローする役割です。
Resilyとお客様との接点は、まずマーケティングチーム、次にインサイドセールスチーム、そして私が担当しているフィールドセールスチーム、カスタマーサクセスチームという順番でバトンをつないでいきます。カスタマーサクセスチームは具体的にサービス提供を行います。クラウドツールの導入や運用のサポート、OKRについてのコーチングなどを実施します。
私はフィールドセールスチームの役割は、2つの視点が大切だと考えています。一つはお客様の視点。Resilyの導入の意思決定の場面でお客様の課題やニーズをより深堀りして、その解決にResilyがふさわしいのかの判断を支援すること。もう一つは、Resilyからの視点。SaaSというビジネスモデルである以上、契約継続が重要指標となります。つまり長期的に契約を維持して頂けるお客様なのかの判断です。これはチームとして役割は分かれていますが、Resilyとしてバトンをつなぐため重要です。私たちフィールドセールスは売って終わりではなく、売った責任があると考えています。
そのため、お客様の課題がOKRや目標管理といった組織のマネジメントで解消できるのか、それはResilyというプロダクトやサービスで運用するやり方で良いのかを、スタートアップという限られた時間を意識して確認します。
特にResilyは「組織開発の課題解決」という、複雑かつ短期で結果が出にくい課題に向き合うサービスであるため、お客様とResilyの双方が契約して良かったと思っていただくための要となるポジションと考えています。
ーーどのような会話をしながらお客様のニーズを確認していくのでしょうか
「話題のOKRという目標管理のフレームワークを導入してみたい」というきっかけからResilyにコンタクトしてくださるお客様が多いため、
- どうしてOKRの導入を検討されたのですか?
- (OKR管理ツールがいくつかある中で)Resilyに興味を持ってくださったのはどうしてですか?
という内容をお伺いして、お客様の課題の背景を深堀りしていきます。
紋切り型に「ResilyやOKRを使えば、こういう課題に対してこういう解決策があります」というスタンスではなく、よりお客様の言うことを深掘りして、課題に対してどれくらいResilyの提供できることがマッチしているのか、言葉の裏に隠された意図や見えない課題はないのかを考えながら対話します。
例えばですが、「組織の中で皆の意識がバラバラなんです。それをまとめるためにOKRが良いと思っています。」とお客様が言ったとします。それに対して、まずはどうしてバラバラだと感じているのか、どういう状態が理想だと思っているのかを質問します。そうすると会社の状況や組織の規模、フェーズなどによって様々な課題を確認できるのでそこからお客様と一緒に目指すべき組織の在り方やOKRが機能するかを議論していきます。
評価の為でも人材開発の為でもない。OKRのためのツールである「Resily」
ーーResilyが対応すべきかどうかの判断軸はありますか
OKRというフレームワークは、ほとんどの組織課題に対応できます。
元々組織が一体となって高い目標を達成するために開発されたツールですので、使い方さえ共通認識が持てれば、ほとんどの組織課題に対して、こういう風に使っていただくと、こういう風に組織が変わる可能性がありますよ、と使い方を提案できます。ご質問の判断という意味では、カルチャーやマネジメントスタイルがOKRと合わない場合は、止めた方が良いと率直にお伝えします。例えば、情報をオープンに開示したくないであったり、マネジメント層がマネジメントスタイルを変えたくない場合、メンバー層もボトムアップではなく指示して欲しいという場合です。組織として取り組むことなので、変化を受け入れられるか、推進できる仲間が増やせそうかも確認します。OKRは良く高い目標にストレッチすると言われますが、OKRに限らず目標管理によるマネジメントは、使い方を間違えると過剰なノルマと同じく、不正や過労、ヒトの命に関わることもあります。特に、初めて目標管理を使うお客様にはそういった説明もすることがあります。
ーーOKR管理ツールは色々あると思いますが、Resilyの特色は何でしょうか
OKRという手段は同じでも、目指す方向、コンセプトが違うと思っています。
例えば他社様のツールでは、人材開発の手段としてのOKRであったり、人事評価としてのOKRであったりと主に人事評価と紐づいたケースが多い印象を持っているのですが、Resilyはあえて「OKRのためのツール」というスタンスを貫いています。
まず、OKRとその進捗をツリー構造で一覧可視化でき、進捗変化やその理由がリアルタイムで集約表示されます。組織が目標達成に向けて躍動している状況が実感していただけます。構造的に一覧可視化できることで、ユーザーは組織の目標を体系的に理解できます。上位の目標は下位の目標の達成によってのみ実現されることが分かるため、意味を汲んで業務を進めることができます。OKR下では自律性が促され、目的意識を自ら設定することが推奨されます。
そして、OKRを推進するための情報共有支援の機能があります。情報がオープンに共有されることで課題がチームから組織全体にリアルタイムで伝わります。組織として取り組むことでコラボレーションや相互補助の意識が促されます。
本質的な基本にこだわっている点が、Resilyの特徴と言えますし、フィールドセールスとして提案のし易さにつながっています。
リモートでのセールス活動。重要なのはプロダクトのベネフィット。
ーー現在はリモートでの営業活動がメインですか?
はい。ただコロナ前からリモートが推奨されてました。マネジメントをされる方の考えにも寄りますが、スタートアップではリソースが限られるため、リモートは有効な手段だと思います。そもそも訪問の目的というのは、お客様に安心感を持っていただく程度かと思っています。ただSaaSの選定項目に窓口の方の安心感があっても、それで決まった契約は担当者が変わると見直されてしまいます。重要なのはプロダクトのベネフィットです。私自信が提案を受ける側となった際も、ベネフィットで判断しています。
ーー実際フィールドセールスチームでは、一社のお客様とどれくらいコミュニケーションをとるんでしょうか
商談としてミーティングの機会を貰えるのは1~2回くらいです。それ以外はメールや電話でのやりとりです。
フィールドセールスチームで引き継いでから契約締結までは平均2ヶ月程度ですが、OKRの導入準備として社内の評価制度や目標管理制度の変更から取り組まれるお客様もいるため半年以上かかる場合もあります。
お客様の状況に応じて一緒に課題や優先順位の交通整理をさせていただき、導入の合意形成のためのOKR説明会などもフィールドセールスでサポートします。限られた時間の中で、商談でもあり、カスタマーサクセスに引き継ぐための基礎を整える意味でもとても重要なフェーズだと思っています。
ーー次に、1週間のスケジュールを教えてください
当然、ResilyはOKRで組織が回っています。定例ミーティングは月曜と金曜の二つです。
月曜日にセールスチーム全体のチェックインがあり、事業責任者のCOOやインサイドセールスチームとミーティングをします。具体的には、個別の商談の進捗状況や課題、お客さんからのリクエストなどの情報共有をします。
あとは、ウィンセッションというのですが、金曜の夕方に全社で成果や学び、失敗を共有してお互い労ったり承認するミーティングがあります。それ以外は商談が予定されていきます。
商談に向けては、インサイドセールスチームがヒアリングしたお客様の課題などのレポートを確認し、それに合わせ資料を整えたり、商談の準備をします。
徹底した顧客視点とその為の情報収集。求めるのは「顧客を知る力」
ーーどんな方がResilyのフィールドセールスに向いていますか
セールスとして基本的なことですが、お客様に対して興味が持てるかが非常に重要だと考えています。OKRは業種を問わず活用できます。そのため、顧客をより深く知ることは、Resilyのセールスにとっては特に大事な要素であると考えています。なぜなら私たちは組織開発という大きな課題を解決しようとしているため、目の前の課題のみならず、顧客のビジネス理解やどんな属性の方が働いているのかなど、正しく認識しないといけない要素が非常に多いためです。
そういう意味で私たちは経営者や人事部長、事業部長といった様々な視点からお客様の企業を見ることが必要になります。お客様の企業を成長させるために本当にOKRが必要か、どのように使うべきなのかを提示するのが私たちの仕事です。
ーー今回募集している、Resilyのセールスチームマネージャーに求めることを教えてください
組織がまだ未成熟なので、自らプレイングとして現場の最前線に出ていただきます。そういったアーリーステージの組織作りに興味ある方、そしてもちろんOKRやResilyに可能性を感じていただける方と一緒に働きたいと考えています。
そんな佐川さんと共にResilyのフィールドセールスとして働いてみたい方を積極募集中です!
Resily株式会社では一緒に働く仲間を募集しています