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【CTOに突撃!】生成AIを活用した、instabase新機能開発秘話

採用広報インターンのRionです!

株式会社Rebaseが手がけるレンタルスペースのマッチングプラットフォーム「instabase」では、先日、生成AI(ChatGPT)を活用した新機能の提供を開始しました。


今回は、CTOの髙畠裕二 (ug) さんに、新機能の開発に至った経緯や生成AIの活用ならではの課題などをお聞きしました!この記事を通して、Rebaseの技術や今後の展開に興味をもっていただけたらうれしいです。ぜひご一読ください!


ーまず、今回開発した機能について教えてください!

今回開発したのは、スペース紹介文AI自動生成機能と、AIコンシェルジュの2つです。

スペース紹介文AI自動生成機能は、スペース掲載者向けで、従来は掲載者自らが考えていたスペースの紹介文に関して、メタ情報から自然言語を自動生成する機能です。

一方、AIコンシェルジュはスペースを利用するユーザー向けの機能です。会話形式で入力された条件から、おすすめのスペースをAIが提案する機能で、ChatGPT PluginsやLINE、Slackなどで提供しています。つまり、自然言語からメタ情報の逆方向の生成になります。



ーそれぞれの機能について、開発に至ったモチベーションを教えてください!


①スペース紹介文自動生成機能について

instabaseに登録していただいているスペースオーナーさんは、一般的には不動産オーナーや有休スペースの保持者です。多くの方がインターネットのマーケティングを本業にしているわけではありません。そのため、特にinstabase上において、利用者にとって魅力的なスペース紹介文を作成することが難しいという声が多々あり、本来のスペースの魅力を利用者に伝えたいということが課題となっていました。

この課題の解決にChatGPTを活用できるのではないか、ということでプロジェクトが発足しました。


②AIコンシェルジュについて

スペース紹介文自動生成機能を多くの人に使っていただいたことで、ChatGPTをサービスに組み込むことの可能性についてもっと試してみたい、と思うようになりました。

そこで、スペースを利用するユーザー側の課題にも着目してみました。複数人でスペースを利用する場合、予約するスペース候補をみんなで検討する作業が発生します。誰かがスペース候補のリンクを複数送って、それに対してみんなが反応して…その手間を少しでも減らせないか、と思ったのが開発のきっかけです。


ー開発を担当したチームについて教えてください!

Rebaseの開発チームは、プロダクトグループとCTO室に分かれています。プロダクトグループが、中長期的に価値が出る機能や機能改善をスクラム開発で進めるチームなのに対して、CTO室はタスクフォース型で、遊撃隊のように動くチームです。

今回の生成AIの活用については、CTO室が担当しました。


ー開発の体制について教えてください!


まず、ミニマムバイアブルプロダクト(MVP: 顧客のニーズを満たす最小限のプロダクト)を定義するところから始めました。

そして、法務やIRのメンバーを含めて、「リスク洗い出し委員会」を形成しました。「リスク洗い出し委員会」という名前をあえてつけたのは、リスクになるようなネガティブな要素の話をするときでも、発案者の情熱に水をささないためです。

リスク洗い出し委員会では、個人情報の扱いや規約違反リスクなどについて検討を重ねました。

開発は基本的に、CTO室で行いました。

プロンプトの作成やファインチューニングモデルに関しては、マーケティングチームに担当してもらいました。

起案からリリースまで、各部門の協力を得ながら、スピーディーに進められたわけです。


ー各機能について、詳しいシステムを教えてください!


まず、スペース紹介文の機能は、入力されたメタ情報を自然言語に変換する機能です。

メタ情報(スペースの面積や値段等の事実情報)を入力してもらうと、インスタベース用にカスタマイズされたモデルを通して、魅力的な文言を提案します。


予約サポート機能は、上記のルートを逆に辿っていく形になります。

例えば、Wi-Fiがある施設を探している人が、「インターネットが使える」などと入力した情報をメタ化して、「Wi-Fi」の設備でデータベースを検索します。


ー開発の過程で、困ったことはありますか?


予約サポートプロジェクトに関しては、様々な文言からinstabaseで扱える形に情報を加工するところが大変でした。。

例えば、通常のinstabaseの検索システムだと、2人で利用したい時は、利用人数の欄に「2」と打ち込みます。しかし、文章で呼びかけられる場合は、数字が全角だったり、漢数字だったり、「2名」など数え方が違ったり…。もう一つ例を挙げると、instabaseのデータベースや検索用のインデックスには「Wi-Fi」として保存されているデータを自然言語では「ネットが使える」「無線LANがある」などかなり揺れた状態で表現すると思いますが、そこから「これは設備で、Wi-Fiである」というシステムが検索できる状態に変換するところは工夫があって面白かったです。

また、これは開発全般に関して言えることですが、新しいものはあまり情報が多くないことにも苦労しました。


解決方法は、仲間と情熱を持って「あーでもない、こーでもない」とワイワイやることです!!(笑)


ー生成AI活用機能の開発をやってみて、どのような効果を感じましたか?


スペースの紹介文の自動生成機能をリリースしてから、プラットフォーム上のスペース説明文の文字量が明らかに増えているので、かなり使っていただいていることがわかります。

スペース紹介文の平均の文字数が増えているということは、利用者にとってより魅力的な紹介文が多くなっているということだと思いますし、プラットフォーム全体の改善の底上げに繋がったのではと思っています。


予約サポート機能に関しては、プロジェクト時点から直接的に予約が増えることは主眼においていなかったので、まずトライしてみることで様々な気づきを集めようと考えていました。

AIによるコンシェルジュは、今までにないUXだったので、Rebaseとして経験したことのない脳みそを使ってデザインをしました。このように今までのやり方が通用しない試みは企業の資産になっていくと考えています。


ー開発を経て得た知見があれば教えてください!


今までは、サービスのUIUXを考えるときは、表示された機能に対してのユーザーとのインタラクションがメインに考えられていました。しかし、今回の開発を経て、生成AI機能が登場したことで、機能の表示だけではなく、例えば言葉で形作られる「キャラクター性」も非常に大切になってくるだろうと感じました。


上記であげたものは、今回の開発で得た多くの知見の中の一例に過ぎませんが、生成AI機能を企業として開発してリリースまで行った経験は、Rebaseとしての常識を非連続的に大きく押し上げたということが一番の収穫ですね。



最後に


ー今回、生成AIを活用した機能を開発してみて、これから取り組んでみたいチャレンジなどがあれば教えてください!


やはり、事業会社としてユーザーのメリットになる機能を開発していきたいですね。

今後熱量のあるエンジニアに入ってもらえたら、生成AIを活用した機能の開発も一緒に進めていきたいです!


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