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新規事業をドライブさせる3つのタイプ

スタートアップスタジオquantumのクリエイティブ担当役員、川下です。
新規事業開発を成功へと導くために、「未来の物語」を書く事業作家として働く中で考えていることを書き留めています。


職業、事業作家。(毎週月曜日更新予定)|KAZUHIKO KAWASHITA | 川下和彦|note
スタートアップスタジオquantum(クオンタム)のクリエイティブ担当役員であり、事業作家である川下和彦が、日々新規事業開発に取り組むなかで考えていることをまとめたマガジンです。
https://note.com/kazukawashita/m/mf634b5615c93

前回は、新規事業開発において頭で考えるだけではなく、まずは小さく実際にアクションを起こし、それに対するリアクションを見ながら次なる一手を考えること、つまり、「手を動かして考えること」の重要性について書きました。


手で考える|KAZUHIKO KAWASHITA | 川下和彦|note
スタートアップスタジオquantumのクリエイティブ担当役員、川下です。新規事業開発を成功へと導くために「未来の物語」を書く事業作家として働く中で考えていることを、このnoteに書き留めています。 ...
https://note.com/kazukawashita/n/n058a7642a9ba

とは言え、やってみたけれどなかなかうまくいかない、ということは日常茶飯事であり、それを突破していくことができるメンバーの存在が必要です。今回は、そうしたモチベーションの高い人の見つけ方・育て方について書きたいと思います。

以前、大企業の新規事業開発担当者が、こんなことをおっしゃっていたのが印象的です。

サラリーマンにとって、新規事業開発の担当になることって旨味がないんですよね。既存事業で手柄をあげたら昇進できるし、給料も上がります。ですが、新規事業はそもそも「新規」であるから評価の基準がまずないわけです。そのうえ、立ち上げてからリターンが生まれるまでには時間がかかりますし、失敗のリスクだって既存事業より高い。ですから、担当者は失敗しないようにできるだけゆっくりとプロジェクトを進めながら、うまくいっている報告を繰り返し、時がきたら異動をする、ということを目指しがちです

なるほど。長年の積み重ねがあり、失敗のリスクが低く、成功すれば評価もされやすい既存事業と、失敗のリスクが高く、成功しても毎月のサラリーが少しよくなるかどうか、という新規事業とでは、どちらを担当したいかと言われたらて、後者のモチベーションが上がらないというのも理解できなくありません。

そう考えると、大企業をはじめとする規模の大きな組織で新規事業開発を加速させていくためには、それを率いる人のドライバー、言い換えれば、「心を駆動させるもの」が何かを見つけ、それを刺激することがポイントになるように思います。

では、そのドライバーにはどのようなものがあるのか。

わたしは、大きく3つのドライバーがあると感じています。

まずその1つは、「お金(MONEY)」です。
シリコンバレーのスタートアップに代表されるように、ストックオプション(自社株購入権)を持ち、もし事業が跳ねればその見返りを得る、成功した事業を売却して大きな利益を得ることができるならば、しんどい時期があってもやりきるモチベーションにつながるでしょう。

もう1つは、「夢(DREAM)」です。
幼い頃、自身や身の回りの人が大病を患った経験から、医療業界でイノベーションを起こしたいと考えたり、宇宙飛行士への憧れから、民間人でも宇宙に行けるための事業開発に取り組んだり、教育業界に課題意識を持ち、その変革に取り組んだりと、自身の大きな夢を実現させるためであれば、艱難辛苦を乗り越えられる、というタイプの人もいるでしょう。

そして最後は、「愛(LOVE)」です。
自分の愛する人のため、あるいは次世代のためなど、人や社会に寄与したいという思いが、自分自身を突き動かす原動力になる人もいるように思います。考えてみれば、短い人生の中で自らの成長に喜びを感じるようにできているのは、次の時代にバトンを渡し、人類の進歩に貢献したいと思うDNAが埋め込まれているからであるように思います。

これらのドライバーですが、1人に1つのドライバーとは限らず、2つ、3つを重ねて持っている人もいるでしょう。あるいは、この3つ以外の気持ちがドライバーになっている人もいると思います。しかし、わたしの経験からは、少なくともこの「金(MONEY)」「夢(DREAM)」「愛(LOVE)」という3大ドライバーには、新規事業を大きく前進させる力があるように感じています。

そして、事業を加速させるためには、Mタイプ、Dタイプ、Lタイプ、あるいはその複合タイプなど、それぞれ異なるタイプの人を駆動させる環境、条件を設定することが大切だと考えます。典型的なM( MONEY)タイプの人に、L(LOVE)ドライバーにせよと言ってもうまくいかないでしょう。その逆もまた然りです。

どの要素をドライバーとするのが良い悪いではなく、人によって異なる動機付け要素を見つけ、それが刺激される仕組みや制度を検討することが新しい事業を生み、大きく成長させていく上で鍵を握るのではないでしょうか。

あなたは、また、あなたのチームメンバーは、何タイプでしょうか。それが見つかれば、プロジェクトを大きく躍進させられるかもしれません。

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