なにをやっているのか
(国)産総研技術移転ベンチャー
「ことばが通じない」を科学的に分析し解決する会社です。
「なぜ、その発音が通じないのか」を音響分析し、口の中の状態まで判定・評価するプログラムを開発し、これまでの日本の英語教育の中ではタブーであった「発音指導」にメスを入れました。
発音学習がスタンダードになることによって、従来の英語学習に比べて、格段に「通じる英語」の習得を加速することが可能になります。
つくば市にて1988年に英会話スクールを創業し、研究者とそのご家族を中心とした学習者や、JICA、JAXAなどの企業研修をする中で、英語力はあるのに、発話したときに通じない英語との大きなギャップとの闘いが始まりました。 そして、その現状を改善するために、創業者の専門分野である「調音音声学(発音と口の中の状態を紐づける学問)」を使った「発音指導」ができるソフトウェアの必然性を痛感したのです。
そこで、現在の国立研究開発法人 産業技術総合研究所との共同研究をもとに、学習者の発音を科学的に分析し、具体的に調音状態を評価するソフトウェアの開発を開始しました。
なぜやるのか
日本語と英語の発音の違いを視覚化
今後はノンネイティブ同士(日本人と中国人等)での英語コミュニケーションが増加
「英語が通じない」から留学したくても気が引けてしまう学生がたくさんいます。 また、英語力が理由で、せっかくの技術や製品を持っていても海外との取引ができない企業があります。 それは、個人やひとつの企業としてのチャンスを失うだけでなく、日本の国力としても機会喪失につながります。
それでは、日本人は、英語として10年以上も学校で勉強をしてきているのに、なぜ通じないのかというと、日本語は、そもそも、音の数がきわめて少ない言語です。50音と言われているように、約60~70個ぐらいの音の種類があります。それに対し、英語は組み合わせを入れると、約600個の音の種類があります。 何も知らなければ、日本人は英語の1割程度しか聞き取れないことになります。
そして、これまでの英語教育の中では、知識としての英語としてのみ重きを置いてきたため、通じるための条件である「発音」を無視してきたため、「発音を教える先生」がいないのが現状なのです。
英会話スクールでも、ネイティヴの先生たちの中で、まねをさせるだけでなく本当の意味で発音を教えられる人は本当に少ないのです。そして、学校教育の中では、ネイティヴという名前のもとで様々な国から来ている「外国人教師」が、様々な「母国語のクセ」のある英語で教えているため、日本人の先生たちは、標準語の英語の音でないものを「英語の音」だと勘違いしている場合さえあるのです。
そこで、「標準語の音」を科学的に示し、スタンダードな発音を学習者に認識させたうえで、様々な外国語訛りの英語と接するようにしなければなりません。
それができるのは、我々が創造したプロンテストエンジンだけなのです。
どうやっているのか
音響分析の一例
他社製品へのエンジン導入
プロンテストエンジンの基幹技術は、音声学に基づいた音響分析技術です。
音声学の中には、口の中の状態を見る調音音声学と音声の波形を見る音響音声学がありますが、プロンテストエンジンは、音響分析技術と「舌の位置や唇の形、口の開け方などの調音状態」を分析する音声学の知見を紐づけて、独自に開発された言語音声の判定エンジンです。
いま、話題となっている小学校英語についてですが、様々なところで問題となっているのが先生たちの英語力です。もともと英語の先生になる予定ではなかった先生方が、英語の授業に取り組み始めて、すでに10年近くは過ぎているものの、なかなか現場に反映することができないのが現状です。その中でも、最も解決できていないのが「発音」です。それでは、なぜ、このようなことになっているのでしょうか。
それは、教員養成の講座を持っている大学のすべてのシラバスの中で、発音を教える講座が1%にも満たない状態であるために、残念ながら教員免許を取得した先生方の多くは、自らの発音を含めて、発音指導のノウハウを教わる機会がないことに大きな原因があるのです。
もともと教育大学である国立の大学も英文科がなくなり、そのために「発音」を教えることのできる教員さえいなくなっており、通じる英語が求められているというのに、実際はそのニーズに逆行したことが行われています。
その中で、プロンテストエンジンとプロンテストの中の「発音を指導する」ノウハウを伝える「一般社団法人 国際発音検定協会」のニーズが急速に高まっているのです。
「発音を教える講師」の育成にも注力をしていますが、人材の育成にも使われる「プロンテストエンジン」は、講師の代わりに学習者の日々のトレーニングにも必須のものといえるでしょう。
そのようなことが可能になっているのも、プロンテストエンジンの開発によって、「発音を可視化」することに成功したからなのです。
音響分析をすることにより、肺の空気が唇から外に出るまでの「調音器官(音を調節する舌、歯、唇、あごなどの器官)」を非破壊検査して、どこがどのような状態になっているかを判定するのです。
その結果を語学学習に応用した発音判定プログラムは、カシオ計算機株式会社の電子辞書のほとんどの機種にも搭載されており、また、開隆堂出版社や東京書籍が出版している中学生のe-ラーニングの教科書にも、発音指導のカリキュラムと共に搭載されています。
現在は、日本人のための英語を中心とした開発を行っていますが、すでに、中国人の英語はカシオ計算機株式会社の電子辞書に搭載され、中国でも販売されており、すでに、外国人のための日本語の開発も開始しています。
また、この技術を応用して、医療にも役立つプログラムの開発も予定しています。
プロンテストの保有する世界に一つしかない「音響分析の独自技術」と、音声学に基づく「言語発音」の分析技術、その周辺の音声認識、音声合成、AIなどを応用して、さらに皆様の役に立てるプログラムやシステムの開発を続けていく予定です。