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Professional Studioを“日本を代表するHRカンパニー”にするために、キャリアの全てを賭ける

Professional Studio/Interactive dialogue:003 執行役員 新規事業開発担当 兼 管理部長 秋元 優喜

2023年4月、Professional Studioはさらなる組織体制の強化と地方中小企業セクターの支援を加速させるために、株式会社うるるにて執行役員/CHROとして辣腕をふるってきた秋元優喜さんを執行役員 新規事業開発担当 兼 管理部長として迎えました。

今回は秋元さんのこれまでといま、そしてこれからについてインタビュー。キャリアの軸となるものは?仕事の上でこだわっていることは?など赤裸々に語っていただきました。

エンジニア以外のあらゆる職種経験を積む

ー秋元さんのこれまでのキャリアについておうかがいします。最初は求人広告の営業だったそうですが…

大学を卒業して『アルバイトタイムス』に入社します。もともと静岡の会社で東京進出2年目ぐらいのタイミング。飛び込み営業からスタートしました。当時はまだ紙媒体が健在で、FromAやanが店頭売りしていた頃。そこに『DOMO』というフリーペーパーで切り込んでいくという、ある種市場を開拓するような営業でした。

5年ほど現場のセールスを経験したのちに管理職になります。首都圏営業部でのチームマネージャーから始まり、千葉営業所所長を経て、営業企画と制作部門をまとめて管理する営業推進課という部署で課長を務めました。その後、静岡勤務になるのですが、2008年にリーマンショックが起きまして。ものすごい勢いで人材業界がシュリンクしたんです。


ーリーマンショック、確かに人材業界には大逆風でしたよね。各社一斉に採用をストップさせてしまって

もちろんアルバイトタイムスも例外ではなく、シェアも知名度もある静岡はまだなんとか持ち堪えていましたが、どうやら東京が壊滅的だと。東京を立て直したく、東京に戻してもらったのですが、噂は本当でした。あんなに活気があった社内には覇気のかけらも残っておらず…挨拶もない、毎日の夕礼では退職者の報告ばかり、というありさまでした。

不景気になると人材事業を手掛ける会社は全部終わっちゃうんだな、と実感しましたね。


ーそれがきっかけでベンチャーの『株式会社うるる』に転職なさったんですか?

転職したのはリーマンショックの約2年後ですが、きっかけといえば確かにその通りです。実はアルバイトタイムス時代の部下がうるるの役員なんです。

彼はもともと入社前から、「営業で全国No.1になったら高校時代の友人とうるるという会社で経営をやりたいので辞めます」と宣言していました。最初こそなかなか芽が出なかったようですが、もともとセンスがずば抜けていたのもあって、たまたま私のチームに来た時にあっという間に全国一位になったんです。

その後、彼がうるるにジョインしたこともあって、うるるの星社長からうるるへ誘われたこともあります。でもその時はまだ管理職になったばかりで「おそらく期待されるほどの能力は発揮できません」と、辞退していました。リーマンよりずっと前の時代ですね。

ーうるるは求人広告とはまるで違う業界というか、事業のように思えますが…

やってることはガラッと違うように見えるかもしれません。でも求人広告も、うるるの当時のビジョンである「在宅ワークのスタンダード化」も、どちらも「働く」に関わる事業。私にとっては一貫しているんです。むしろ景気に左右される人材業界と違ってうるるがやろうとしているのはその手前。働き方を変えようとしていたんですね。

そんなビジネスモデルに惹かれたこともあり、2010年6月から仲間入りをしました。最初はオフィスが勝どきの倉庫の一室で、業者さんの搬入用エレベーターしかなくて。ものすごいスタートアップ感にあふれた環境でした。


ー最初はどんな仕事からスタートしましたか?

『入札情報速報サービス NJSS(エヌジェス)』のセールスでした。これがもうとにかく売りやすいビジネスモデルが秀逸なプロダクトで。ニーズはあるわ、感謝されるわ、こんな素晴らしいサービスがあるんだと感動しながら売ってました(笑)。ほどなくして事業部長になり、それから2年ほど経ったタイミングで上場を目指すために管理部長をやってほしいというオファーを星社長からいただきます。

NJSSがものすごく伸びていたフェーズだったので一度はお断りしたのですが、あらためて打診を受け、2012年10月から経営管理部長を務めることになりました。経営企画から財務、経理、法務、人事、総務、上場準備さらには海外進出まで、管理部門業務のほとんどすべてを経験することになります。


ーとはいえ経理など、全くの未経験からのキャッチアップは大変だったのでは?その一方で、人事は親和性もありそうですが…

確かに人事系もやれるというのは魅力でしたが、やはり最初は財務経理からでした。簿記の勉強に土日を費やしたり、監査法人の勉強会に毎週通ったり。予算統制から社内イベントまでまさしくコーポレート部門のすべて。また、海外進出も1年がかりで形にしました。

その後、本格的に上場に向けて外資系金融機関出身の経営企画部長、公認会計士の経理部長の2名を採用し、当時CFOだった桶山副社長と4人で分担して上場準備。上場後は執行役員人事総務部長、2021年4月からは執行役員CHRO兼人事部長を担い、それがうるるでの最終的なキャリアでした。

最前線の攻めと最後尾での守りと

ーうるるでの13年、縦にも横にもキャリアを充実させてきたわけですが、なぜいまこのタイミングでProfessional Studioにジョインを?

背景のストーリーは大きく3つあります。まず1つ目はキャリアゴールのイメージです。昨年、45歳となったのですが、四捨五入すると50歳。社会に出て20年、50歳になってからも20年働くと考えると、ここからの5年間は非常に重要ではないかと。できるだけ早くキャリアゴールに向けて走り出したかったんです。

うるるが上場してから、いろんなスタートアップの経営者や人事責任者の方から相談を受けるようになりました。中でも「人の問題」で社長のリソースが奪われて事業やサービスが伸ばしきれていないケースを見て、ここに私が介在して整理すれば課題解決になるんじゃないか、と考えるようになったんです。スタートアップ特化の人事コンサルみたいな存在ですね。


ーなんとなく現在のキャリアとの融合ポイントが見えてきました…

それと全く同じ考えを持っていたのが市川さんだったんです。市川さんの場合、スタートアップだけでなく地方の中小企業にまで目線が届いていたのですが。日本の国力を回復・向上させるためには「優秀人材を成長産業や地方に還流させることが重要」という話で課題感が一致したんです。

私も自分の思い描いていたイメージを個人より組織でやれば世の中 . 大きなインパクトを与えられるだろうと。そして何より市川さんと一緒に働きたい、と強く思うようになりました。


ー独立という選択、転職という選択、そしてもちろんうるるに残る選択もあったわけですよね

それがまさに2つ目の背景になるのですが、2023年はうるるにとって次の中期経営計画を考えるタイミングになります。その計画を私が立てるとなると、恐らく向こう3〜5年は在籍することになると思います。であれば「このタイミングで新しい世代にバトンタッチすべきでは」と考えたんです。

そして3つ目はうるる時代に東京都立大学の大学院に通っていた時のエピソードです。経営学の一番最初の授業で、教授から「ここで学んだことを必ず東京都や国に還元しなさい」と言われたのですが、それがずっと心に残っていまして。

これまで自分が経験してきたものをスタートアップや地域の企業支援という形で社会に還元できたら、それが自分の生きてきた証として世の中に残せるんじゃないか。そんな想いもProfessional Studioへのジョインを決める大きなトリガーになりました。


ーProfessional Studioでは何から着手されていますか?新規事業と管理部長を兼務されているとのことですが

最前線での攻めと最後尾での守りを同時に手掛けています。

攻めとしては地方企業向けの副業プロ人材マッチングサービスの立ち上げ。守りのほうはこれまで管理部門がなかったので、ゼロからつくりました。

とはいえ、スタートアップにおいては攻めに比重が置かれます。この2ヶ月は自ら地方企業様50社にサービスの営業やヒアリングをしてきました。オンラインもありましたが、静岡、浜松、大阪、仙台、福岡と回って直接、地域の企業様にお伺いして提案もしてきました。

ー秋元さん自ら、すごい勢いですね

新規事業開発においては、PMFにむけて「バーニングニーズがあるのか」の確認が重要なのですが、かなりスピード感を持ってやりました。

地方企業様と副業プロ人材のマッチングサービス「SHARE-PRO(シェアプロ)」というサービスを持って地方企業様に営業したのですが、経営の課題はあってもそれを「今すぐ(高単価な)副業プロ人材に入ってもらって解決したい!」と思っている企業様はほぼありませんでした。

ストレートに言うと、バーニングニーズはなかったということです。

副業人材に会社に入ってもらったことがない会社様も多く、実際に入ってもらったことがある会社様でも月数万円くらいの報酬だったり、行政系の支援サービスだと0円で受けられるものも。プロ人材に相応の対価を支払い、相応の結果を求めるといったような真の価値が発揮されるようなビジネス取引にはなっていませんでした。

また、前提として売上拡大や採用などに困りごとはあっても課題の設定・整理まではなされてなかった会社様が多かったように思います。そういった会社様に我々がご提案時、課題を整理しながらお話して「その御社の課題を解決するために、こういった都心の実績あるプロ人材に入ってもらうのはいかがですか?」と言っても、地方の企業様からすると、具体的に何がどうなって、結果、どういった状態になるのかをイメージするのは非常に難しいですよね。

要するに、「都心のプロ人材のカタログを見てもらえれば、価値を感じてサービスを使っていただけるだろう」という考えそのものが、地方企業様の立場に立っていなかったということです。

そこで、さっそく6月頭には、4月~5月の2ヶ月間で蓄積した地方企業様の声、ファクトベースでの定量的なデータを踏まえ、「SHARE-PRO」を止め、「地方特化型採用伴走サービス Local Link(ローカルリンク)」にピボットしました。

ー2ヶ月でピボットとは、すごいスピード感ですね

地方企業様の声、定量的データなどからわかった多くの地方の企業様が抱える課題である「採用」に絞ったんです。経験豊富な現役の採用エキスパートが、その会社様にとって最適な採用戦略と戦術を共に考え、伴走し、採用エキスパートがいなくなっても、自社で自走できるように採用ノウハウをインストールするサービスに変えました。

「Local Link」は、「SHARE-PRO」と違って、地方企業様の採用課題のみにフォーカスしており、どんな採用の悩みを抱えている企業様に対して、どうやってその悩みを解決し、アウトプットはどういったものが提供されるかが明確です。

4月から始めた「SHARE-PRO」はわずか2ヶ月で「Local Link」に変わったのですが、新規事業はそれくらいスピード感をもって、バーニングニーズをとらえる動きを繰り返し続けていかなければなりません。

「いきいき、のびのび」に徹底的にこだわる

ービジネスキャリアとしては申し分ない実績をお持ちにも関わらず、新たな挑戦を続ける秋元さんですが、仕事の上でこだわっていることは?

一緒に働く従業員が楽しそうに仕事をしてくれること、いきいきのびのび働けることにこだわっています。

「いきいき、のびのび」は前職のうるる星社長からいただいた組織づくりの哲学なのですが、自分はもちろんのこと、メンバーみんながいきいきのびのび日々の仕事に打ち込めるかどうか。

スタートアップなのでどうしても日々戦いの連続になります。エージェント事業が先行して成果を出してくれているのですが、人数が少ないがゆえに自分の売上がダイレクトに経営に影響を与えることになる。みんなものすごいプレッシャーの中で戦ってくれています。その利益で新規事業をやっているので、なるべく早く貢献できるようにならなければ、と。


ーいまはまだ盤石な経営基盤も潤沢な資産も整っていないわけですからね

これはスタートアップだけの話ではないですが、なかなか成果がでないこともあります。そうなると、どうしても表情も雰囲気も暗くなりがち…とはいえスタートアップって挑戦を楽しんでやり続けられないとブレイクスルーが起きないのも事実。

だからこそ徹底的に、いきいきのびのびと働ける組織づくりにこだわっていかないと、と思っているんです。自分の管掌だけでなく、全従業員と1on1をやっているのもその実現に向けた取り組みのひとつです。

ーこれからさらに事業も組織も大きくなっていくと思いますが、ProfessionalStudioをどんな会社にしていきたいですか?

日本を代表する、日本一のHRカンパニーにしたいです。

人事領域に関わる人たちがみんな憧れるような存在。いつかはProfessionalStudioで働いてみたいと言われるような会社ですね。日本のHRはわれわれが回している、と胸が張れるぐらいに。

私たちがやっていることは長きにわたり日本で当たり前となっている既存採用手法の逆回しなんですよね。それを実現しないことには優秀な人材は全国から東京に集められ、一括新卒採用モデルを通して大企業でキャリアを終えていく。

この流れを変え、伸びしろがあるスタートアップと地方で優秀人材が活躍できる仕組みを世の中につくっていきたいです。


ーそのためにはProfessionalStudioのチャレンジはぜひとも成功させなければいけませんね

スタートアップと地方の中小企業にいい人材が入っていく、あるいは戻っていく仕組みを先導してつくり上げる。HR特化とはいえ過去にやってきたことをなぞるのではなく、誰もやってこなかったことに挑戦する会社。たとえ失敗してもナイストライと称賛され、次のチャレンジに挑める集団。

それができれば日本一のHRカンパニーになれるし、いきいきのびのび働ける組織にもなれる。

おまけに日本が国力を取り戻し、社会全体が活性化する。その実現にキャリアの全てを賭けて貢献したいと考えています。

ー本日はありがとうございました!

■PROFILE

秋元 優喜 執行役員 新規事業開発担当 兼 管理部長

東京都立大学大学院 経営学研究科修了(MBA)
大学卒業後、株式会社アルバイトタイムスに入社し、求人広告の営業、代理店渉外、営業企画などに従事。
2010年6月株式会社うるるに入社し、SaaS事業の事業部長、経営管理部長、執行役員 人事総務部長などを経て、執行役員CHRO兼人事部長を担当。10名→400名の組織づくりを牽引。上場準備から上場後の株主総会運営等も担う。2023年4月より当社に参画。

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