こんにちは。ポケラボクリエイティブ部です。
クリエイティブ部の若手メンバーがスキルアップに励む姿をお送りしているCreative Blogですが、今回は待ちに待ったモーション作成です!
「Creative Blog #6 Spineキャラ描きました!」で「モーション作ります!」と言ってから時は流れ……、本日遂にモーション作成の記事をお送りいたします。
「Creative Blog #12 Spineデータを拡張しました!」で作成したSpineキャラクターを使ってモーションを作成します。
Spineについてはコチラをご参照ください。
http://ja.esotericsoftware.com/
今回のモーション作成は若手メンバーだけでなく、中堅メンバーも交えて実施しました。
モーション作成のスキルは作ったモーションの数に比例するので、中堅メンバーもスキルアップを図るため参加した次第です。
作成するモーションは、「攻撃モーション」です。
攻撃モーションは、作成者のアイディアや引き出し等、個性が反映されやすく、モーションの内容によりますが比較的作成コストが軽めなのでチョイスしました。
折角モーションを作っても同じような内容になってしまっては面白みに欠けるという事で、攻撃モーションのお題を5つ用意し、お題が被らないように各自選択してモーションを作成します。
攻撃モーションの5つのお題がコチラ!
・立ちキック
・しゃがみキック
・立ちパンチ
・しゃがみパンチ
・飛び蹴り
今回は「立ちキック」と「しゃがみキック」をご紹介します。
その前に、Spineキャラクターのセットアップで一部修正があるのでそちらの内容をご紹介します。
修正点 その1「足首のIKの位置」
現象
キャラクターをしゃがませた時に足が少し沈む。
原因
足のIKの位置の設定がボーンの先から少しずれていた。
修正内容
IKは初めに設定したボーンの位置が大きく関係します。
設定したIKの位置がボーンの先からずれている事で足が少し沈んでしまう現象が起きてしまいました。
これでは正しい接地面を表現できません。IKをボーンの先端に設定し直し、足が少し沈む現象を解決しました。これで正しい接地面を表現できるようになりました。
IKに関してはコチラをご参照ください。
http://ja.esotericsoftware.com/spine-ik-constraints
修正前の状態
修正後の状態
修正点 その2「腰の布の親子関係」
現象
腰の布が動かせない。
原因
腰の布の親子関係とウエイトの設定が正しくなかった。
修正内容
腰の布を制御する設定が正しくなかったため、布の位置を移動させることができませんでした。
そのため腰を回転させると布が付いてこずに空中に浮いてしまいました。
腰の布のウェイトの設定を見直し、正しい親子関係の設定にすることで修正しました。
これで布を動かすことが可能になり、腰を動かした時も布が追従するようになりました。
パーツが多いと抜け漏れが生じやすいので注意が必要です。
モーションを作成する前に上記2点の修正を行いました。
細かい修正ですが、扱いやすいセットアップを作ることが効率的なモーション作成に繋がります。
セットアップは全てのモーションに影響が出るので早めの修正が得策です!
では、作成したモーションをご紹介します!
まずは「立ちキック」。作成したモーションがこちらです。
じっくり見られるように連番画像をエクスポートしました。
モーション作成者のコメントになります。
女の子のキャラクターですが、強いキックを意識して作りました。
強いキックなので、キックの衝撃、威力を上げる為に力を込める動作が必要だと思い、キックの前にタメの動作を入れました。
揺れ物の腰の布は2つあるので、形状やタイミングが一緒にならないように気を付けました。
また、蹴った時に体を反転させていますが、その時のパカツキをなるべく抑えられるように気を付けました。
こだわった点は蹴った時のシルエットです。
カッコいいシルエットを意識しつつ、女の子らしさも表現したかったので腰のくびれのラインに気を配りました。(だがしかし、腰付近にある歯車が…)
私は日頃からモーションを作る際、まず一番見せたいポーズを決め、そこから逆算的に前後の動きを作ります。今回も一番カッコよく見せたい蹴った時のポーズを決めてから、そこへ自然に繋がる蹴る前のタメや、蹴った後の戻りを作りました。
続いて「しゃがみキック」。作成したモーションがこちらです。
じっくり見られるように連番画像をエクスポートしました。
モーション作成者のコメントになります。
攻撃モーションではありますが、女の子の可愛らしさも表現に取り入れたいと思い、強力な攻撃ではなく、相手を転ばせたり、「アイタ!」と言わせるような力加減のイメージで作りました。
腰の布は、動きが単純になり過ぎないよう緩急を付け、布の柔らかさが感じられるように作りました。
このモーションで悩んだ点はツインテールです。
ツインテールも髪なので腰の布と同じ揺れ物になりますが、このツインテールは大きいのでそれなりに重さがあります。ツインテールの重さ、質量を意識して腰の布とはまた違った重さが感じられる動きを作りました。
あとは、蹴った足の角度のバリエーションが欲しいなと思いました。
手のパターンも増えたので、次は足のパターンも増やしたいです。アップデートに期待!
最後に、このしゃがみキックのモーションは次回の記事で掲載される予定のしゃがみパンチのモーションに多大なインスピレーションを受けて作成しました。次回のしゃがみパンチをお楽しみに!
なんと「しゃがみキック」は2パターン作っており、2つ目がコチラになります。
じっくり見られるように連番画像をエクスポートしました。
モーション作成者のコメントになります。
皆さんお気付きだと思いますが、このしゃがみキックは青春時代に沢山遊んだ格闘ゲームに感化されて作った、と言うか挑戦したモーションになります。
蹴った瞬間のポーズがとても特徴的なので今回挑戦してみた次第です。
実際作ってみると、この特徴的なポーズがかなり大変で苦労しました…。
印象に残る特徴的なポーズですが、冷静に観察すると右手一本で体を支えるという非現実的なポーズで、動きに説得力やリアリティを持たせようとすると色々と破綻し始める危うさがありました。
右手一本で全体重を支えつつ両足を蹴り出してしばらく静止する……、これに現実味を与えるとモーション自体の良さが削られるので、蹴った先にいる敵や、蹴った瞬間に表示される被弾エフェクトを脳内で補完しながら、ある程度割り切りながら作成を進めました。
あと、蹴った時の特徴的なポーズを作るため、肩や足、顔のボーンをかなり動かしています。
絵的に自然に見えるかもしれませんが、その裏では関節が外れまくりです。
そういう意味では、このポーズはSpine向きではないと感じました。
色々思う所はありますが、このモーション作成に挑戦した事で新しい気付きが多く得られたので良かったです!
いかがでしたでしょうか?
業務の隙間時間にコツコツ作ってもらったモーションですが、作成者の個性が出ていたと思います!
普段は作ったモーションを連番画像で書き出して、穴が開くほどじっくり見る機会なんて殆どないと思います。作成途中には、参加者同士が意見を言い合う「フィードバック会」を実施し、振り返りを行いました。
その結果、今まで気付かなかった課題や修正点が見え、今後のスキルアップに繋がっていくと考えています。
モーション作成はまだまだ続きます!
次回は「立ちパンチ」「しゃがみパンチ」「飛び蹴り」をお送りする予定です。
どんなモーションが飛び出してくるのかワクワクしますね!
それでは次回もお楽しみにぃー!