2012年4月グリー株式会社に新卒入社し、2014年11月からポケラボへ異動。
複数プロダクトの開発・運用を経験し、現在は『SINoALICE-シノアリス-』のクリエイティブプランナーとして、プロデューサー、プランナー、発注チームとのブリッジ役をしながら、自身でも企画やシナリオプロットの作成をするなど幅広い業務を担当する成富。そんな彼のこれまでとこれからや、グリーからきたからこそ感じられるポケラボの特徴を聞いてみました。
就職はどのように決めましたか?
大学1~2年生の時は、人文学系の勉強をしていました。受験時に必須だった小論文の先生が哲学者で、その時に「考えること」「自分の意見を述べること」が面白いと思ったことをキッカケに人文学を選んだのですが、ある日、ふと「哲学で実績を出すことは難しいのでは?」と思ったんです。どんなに頑張っても、プラトンやアリストテレスを超えられるわけがないなと。
そう考えていた頃に、iPhoneが出て、多くのソーシャルメディアが出始めました。大学はまわりに学生起業家も多かったので、3年生の時に「他のこともやってみよう!」と経営学にシフトしました。このシフトが結構大きくて、これまでとは違う世界が広がってすごく面白かったんです。これと同じくらいのタイミングで、ITベンチャーで新規事業インターンに参加しました。チームで1つの目標に向かって、つくっていくというのはやりがいがあるし、面白い。この時の経験が今の仕事の原点になっています。そこからは、ビジネスコンテストに出る意識の高い大学生になっていきました(笑)。
グリー入社のきっかけも、大学3年生の時に参加したグリーのビジネスコンテストでした。
3人1組だったのですが、前述したインターンで一緒だったメンバーと、Twitterでもう一名に声を掛けて出場しました。残念ながら優勝はできなかったのですが、入賞し、六本木ヒルズの前で賞金を扇状にして記念写真を撮ったのが良い思い出です(笑)。
その後、グリーの社員の方と接点が増えていきました。クオリティに妥協はないし、甘いロジックは詰められる。でも、目的達成のためにサポートはしてもらえる。それが魅力的に映って入社を決めました。
この業界を選んだのは、歴史の長い業界には絶対に超えられないレジェンドがいると思ったので、若い成長市場にしようと思って選択しました。小さい頃からゲームは好きだったし、大学でインターネットも好きになったので、それがモバイルというこれからくるデバイスで融合したソーシャルゲームは自分にとって合っていたと思います。
グリー入社後は、一貫してスマートフォンゲームの企画職をしています。
当時は『探検ドリランド』や『聖戦ケルベロス』等が全盛期だったのですが、新卒では珍しく新規開発タイトルに配属されました。
グリーでは、開発時からかかわったタイトルが2本、運用タイトル1本を経験しました。
ポケラボにきたのはどのような経緯だったのでしょうか?
全社的なネイティブシフトの流れでつくられたガレージスタジオというUnity習得の場で、Unityを集中して学習する機会を得ました。
ガレージスタジオの卒業後の進路として、グリーの某ネイティブタイトルにいくか、ポケラボの『クロスサマナー』にいくか、という2つの選択肢がありました。
両方のチームと面談をして、より稀少になりそうなキャリアとして、ポケラボに異動することを決めました。ポケラボの前田社長はグリーの新規事業コンペで何度かやり取りをしていて面識があったのですが、とにかく熱くて「パッション!」というイメージでした。それは今も変わりません(笑)。
ポケラボの印象としては、すれ違う時に皆が挨拶しあう雰囲気や、全社向け日報があったり、デスクに名札もあり、お互いの顔が見えやすいサイズ感がすごく良いと思いました。
入社2日目くらいからは正直「何かがおかしい」とも思いました。
整理されていない部分が多いと感じ、衝撃をうけましたが(笑)、反面ものすごいスピード感で開発していたのだと思います。
ポケラボに異動後~現在はどのような業務を担当していますか?
ポケラボにきてからは、国内外の『クロスサマナー』、開発設計初期の『SINoALICE-シノアリス-』、某IPタイトル、『ぷちぐるラブライブ!』の開発~運用を担当し、現在改めて『SINoALICE-シノアリス-』を担当しています。
実は、直近の運用タイトルは、ほぼ企画設計初期段階に関わっていたりします。
気づけば、運用期間よりも開発期間が長めのキャリアです。
具体的には、企画、設計、進行管理、素材発注、協業先やコラボ先との打ち合わせ等、多くの職掌の方々と関わる部分を担当することが多いです。
現在は『SINoALICE-シノアリス-』でプロデューサー、プランナー、発注チームとのブリッジ役をしながら、自身でも企画やシナリオプロットの作成をしています。
ブリッジ役としては、原作・クリエイティブディレクターのヨコオタロウさんや、スクウェア・エニックスさん、その他コラボ先との打ち合わせで発生した必要な情報を/必要な人に/漏れなく/早く伝える、そのやりたいことを実行するまでに、いつまでに/誰が/何をするのか?を洗い出して、進行していく部分を主に担っています。サッカーで言うところのミッドフィルダーといった立ち位置ですね。但し、大変なところは猛烈にドリブルするような、攻撃的ミッドフィルダーをすることが多いです。
その他に、与件(やりたいこと/やってはいけないこと)の整理、要件定義、提案書作成等の企画業務や、プロデューサーの意向に沿ってシナリオのプロット作成も担当しています。
また、大規模なチームで関わる人も多いため、コミュニケーションでカバーしきれない場合は課題解決できるようなツール(進行管理シート、タスク管理表、レギュレーション化など)をアウトプットとして作成して運用したりと一部プロジェクトマネジメント業務も担当し、幅広い範囲に関わらせてもらっています。
仕事をする中でどんなことにやりがいや難しさを感じていますか?
自分たちでつくったものに対して、お客さまからの好意的な反応が得られたときはすごく嬉しいです。リリース後は必ずといっていいほどTwitterに張り付いています。
また、他社様を含め関係者が多いので、それぞれの与件を整理して、企画に落とすのが難しくもあり、やりがいもあります。
これまでで特に印象的なのは『ぷちぐるラブライブ!』でのコンテンツディレクターの経験です。
案件ができる前から『ラブライブ!』好きだと公言していたのですが、有難いことに担当する機会を得ました。『ラブライブ!』はエピソード的には一区切りがついたものでしたが、それをまたもう一度届けられるという点で、いちファンとしてすごく感慨深かったです。
開発中は、ライトなIPファンにも受け入れてもらえるような方針でしたので、IPの味付けが抑え気味だったのですが、リリース後に新しく『スクールアイドルショップ』という作品に登場するメンバーの関係性に注目したスチルイラストをつくったところ、SNS上でも好意的な意見が多くいただくことが出来ました。最後のアップデートの400パターンの組み合わせの『おうえん』機能も大きな反響をいただくことが出来ました。
楽しんでいただいていたユーザー様には結果として大変申し訳ない気持ちでいっぱいですが、妥協せず自分の好きを詰め込み、伝えていくことが大事だと思った経験でした。
仕事をする上で大切にしているのはどんなことでしょうか?
「自分が嬉しいことをやる」「全体像の可視化」の二つを大切にしています。
前者は『ぷちぐるラブライブ!』でのスチルイラストや、ラストイベントが象徴的です。
語弊があるかもしれませんが、自分=ファンの一人という立ち位置としたときに、まずファンである自分を喜ばせられないようなものは世の中に出さないという自分の中での絶対的なルールを守っていました。
たとえば、スチルイラストは、メンバー同士の組み合わせやシチュエーションの企画をする上で、こんなIF世界も見てみたいと思えるようなものを徹底的に考え抜きました。
さらに、ラストイベントでは、原作での立ち位置が「スクールアイドルみんなの歌」だったので、「みんな」を出すため、μ's以外にも『A-RISE』や『雪穂・亜里沙』を登場させようとしていました。ですが、当初は別の形で提案してNGだったんです。ただ、原作の立ち位置上、どうしても諦めきれなかったので、再度提案。承諾していただいたサンライズさんにはすごく感謝しています。結果、SNS上でも好意的な意見をいただくことができました。
後者は、やりたいことに対して、まず全体像を描くようにしています。
ありがちなのは、施策でも制作物でも、やりたいことに対して、どの程度やることがあって、誰が何をしなくてはいけないのか洗い出しが甘いこと。そうなると後から「あれもこれも・・・」とやることが発生してしまい、スケジュールに間に合わないことや、周りに迷惑をかけることになります。それはお客さまのためにもならないので避けなくてはなりません。
また、全体像を描くことで「今どこにいるのか?」が可視化され、理想と現実の間のギャップへの対策を取りやすくなると思います。
特に直近のプロダクトは、チーム内だけでなく、他社様との連携も多く、境界が曖昧な領域はお互いお見合い状態になって、どちらも「そちらがやると思っていた」となりがちです。
関わる人も多いので、こういった交通事故が起きないように、整理整頓をしています。
これをよりスムーズにできるように、仕事以外でプロジェクトマネジメントの勉強をし、民間資格を取得したりもしました。勉強したことで業務に役立っている部分もあるなと感じます。
どんなところにポケラボの良さと課題を感じていますか?
ポケラボは、一人当たりの裁量が大きいこと・ゲーム好きが多いこと・無茶ぶりが時折やってくること(笑)が特徴的だと思います。
良さとしては、様々な経験をたくさん積めること。突如、無茶ぶりもやってきますが、量が質に転化するタイミングがあるので、その当時大変でも結果オーライなことが多いです。
改善点としては、スピードと表裏一体で、まだまだ整理整頓がされきっていないところがあるように感じます。ただ、それはマインド次第だと思っていて、課題が多いのは逆に成長のチャンスでもあります。課題の多い状態から理想の状態へもっていくために何をどう解決すべきか?というのを現場で試行錯誤できる環境です。
今後、チャレンジしたい、叶えたいのはどんなことでしょうか?
ゲームを通して、誰かの背中を一歩押せるようなコンテンツがつくりたいと思っています。
そのために、長く続くキャラクターを生み出していきたいです。
ゲームデザインに流行りはありますが、キャラクターは時間と空間を超えるので。
私にとってゲームのキャラクターは永遠の憧れなんだと思います。生きていると色々なことがあるので、そんなときに頼れるキャラクターがいると「憧れのあのキャラならこんなことしないな、なら頑張ろう!」と思えたりします。そういう瞬間がこれまでに何度かあって支えられたという経験が大きいです。
直近では、シナリオのプロットなどを書きつつ、キャラクターがどうすれば魅力的になるかを模索しています。
成富さんにとってポケラボはどんな会社ですか?
ドラゴンボールのサイヤ人の集まりみたいな会社です(笑)。
極限状態まで追い込まれると、より強くなって帰ってくる感じですね。
特に『戦乱のサムライキングダム』~『SINoALICE-シノアリス-』までの流れで感じましたが、これはポケラボの強さだと思います。
おらもわくわくすっぞ!
ポケラボへ応募される方へメッセージをお願いします!
多少カオスな状況を楽しめる方、ひとつの業務に留まらず色々なことをやりたい方は相性が良いと思います。
やりたいことは上長に相談すれば、その内容やタイミングにもよると思いますが、余程のことがなければ意思を尊重してもらえることも多いので、やりたいことが明確な方にはマッチする可能性が高いと思います。
やりたいことがまだ見つかってない人も、幅広く色々な経験ができるので、そこからやりたいことを見極められるはずです。やってみて違うものを省いていくうちに、やりたいことが見えてくるかもしれません。
なので、少しでもご興味を持っていただけたなら、
まずはポケロボMeetup(定期的に開催しているゲーム制作者向けイベント)からゆるく会社の雰囲気を感じ取ってもらえればと思います!