「社員が安心して働ける環境を目指して」代表の柏に聞く、全員在宅勤務への道のり 【PlayNextLab Interview】
"世界の才能と日本の可能性をつなげるプラットフォーム創出”をミッションとし、SI/SES事業、外国人エンジニアと日本企業のマッチングサービス「Talent Hub」を運営するプレイネクストラボ(以下、PNL)。17カ国からメンバーが集まり、80%以上のエンジニアが外国籍という「日本のグローバル化を先取りする企業」です。
PNLでは新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の拡大防止、社員・関係者の安全確保を目的として、手探りの中、在宅勤務化など新たな体制づくりに向け進んでまいりました。
2020年4月7日、政府より発令された緊急事態宣言を受け「これから改めて体制の見直すを行う」「他社の事例を知りたい」という企業さまもいらっしゃることと思い、この場を借りて当社の取り組みを時系列で共有させていただきます。
もちろん、当社よりも早く在宅勤務の決定をされた企業さまは多くいらっしゃいますが
PNLの事例を共有することが経営上の決定をされるヒントとなったり、将来この事態を振り返る上での助けとなることを願っております。
※2019年12月初旬に撮影された、メンバーの集合写真。
徐々に増えた新型コロナウィルスに関する報道。当時はニュースをどう見ていた?
日本で最初の新型コロナウィルスに関する報道があったのは、2019年12月31日のこと。
以来、2020年の幕開けと共に、少しずつ報道される機会が増えていきました。
報道があった当初から在宅勤務の試験開始をするまでの間に、どのような思考のプロセスがあったのでしょうか。PNL代表取締役社長・柏さんに伺いました。
※自身の経歴と、PNL設立の背景について語る柏さん(2019年11月12日撮影)
※本記事内の柏さんの写真は、いずれも同日に撮影したものとなります。
「正直に申し上げますと、1月上旬の時点では在宅勤務については悩んでいました。理由は、この事態がどの程度拡大するのかがまだ不明だったこと、業務効率が落ちるのではと考えていたことです。
しかし、1月末を迎え、大手IT企業が在宅勤務を決定したという報道を受けて
『ああ、これは大きな社会の変化が起きてているかもしれない。効率が落ちる落ちないとかそういう次元の思考ではダメだ』と思い直しました」
その後、2月に入ってからは、日本に寄港する大型クルーズ船内での集団感染が報じられ、国内での感染者に関する報道が増えていきました。
こうした報道を随時確認しながら、柏さんは「(このまま感染が拡大すれば)海外みたいな都市封鎖のような事態になる可能性が高い。社員の安全を確保するには在宅勤務へのシフトが必要だ」と判断し、経営陣の中でも議論を進め、具体的な在宅勤務の準備に着手したといいます。
3/4より在宅勤務をスタート、4/7からは全員在宅へ。準備を進める中でぶつかった壁とは
これまでにトライしたことがなかった在宅勤務の実施に向け、準備を進めたPNL。
3/4から、まずはすぐに在宅勤務をを開始できそうなグループから、在宅勤務を開始しました。
その際に、グループを選定したポイントは以下の通り。
・オンラインのさまざまなツールを使いこなせる/抵抗がない
・個人の仕事の範囲と成果が明確(または少しの整理で可視化・明確化できる)
・体制づくりのために、「受け身」の姿勢ではなく自ら試行錯誤ができる
結果として、PNLでは一部のシステム開発職、エンジニアメンバーの在宅勤務からスタートすることに。
「関係者も協力的。オペレーション整備もスピーディで、想像していたよりもスムーズに在宅勤務に移行ができ、自信がつきました」と当時を振り返る柏さん。
また、外国籍エンジニアの多いPNLでは、思いがけない課題もあったといいます。
「実は『リモートで仕事をしたい!』という社員は想像していたより少なかったんです。若い外国籍社員を中心に『家に帰っても1人で不安なので、出社して仕事がしたい』という層が一定数いました。
こうした声は、4/7に全員在宅を発表した際にもちらほらと上がっていたくらい。
どうやって、こうした日本にいる外国籍社員のメンタルをケアし、在宅にシフトしてもらうのかという課題は、引き続き解決に向け、取り組んでいく必要があります」
また、PNLではSES事業も行なっています。クライアント企業へ常駐しているメンバーの在宅勤務化に際し、まずはクライアント企業の理解と協力を得ることが第一だったといいます。
「営業のメンバーが粘り強くクライアント企業とコミュニケーションを取ってくれ、本社のメンバーより少し遅れましたが、3月20日以降には実施までもっていくことができました。
ご理解・ご協力をいただいたクライアント企業はもちろん、当社の営業メンバーにも深く感謝しています」
その後、PNLでは順調に在宅勤務へのシフトを進め、「まもなく非常事態宣言が発出がされる」という4月の初め頃には約7割が在宅勤務に移っていました。
また、残り3割の社員についても、4/7からは原則在宅勤務へと切り替えることができました。
在宅勤務を実現するポイントは、社員が安心して働ける環境づくり
1ヶ月程度の試験期間を経て、全員在宅へと体制を整えたPNL。
先述の通り、最後に在宅化となった3割の社員は「出社しないと業務に支障が出てしまう」「1人で家にいるのは不安」という方々だったといいます。
いずれも、根幹にあるのは「在宅での業務に対する不安」。
それを払拭するためにはオペレーションの整備以外でも、生活面やメンタルのケアが必要不可欠でした。
そのためにPNLがまず取り組んだのは、情報共有。
社内公用語は日本語のPNLですが、特に医療分野などで使われる単語などは、普段の仕事や生活の上では聞きなれないものばかりです。
そこで柏さん自ら社内SNS上で英語による情報を発信、「不安がある場合にはいつでも会社の人事アドレスへ」と呼びかけを行いました。
また、4月からは「在宅勤務補助手当」の導入も決定。一律で5,000円/月の手当をつけることにしました。
こうした対応について、柏さんは次のように語ります。
「念頭にあるのは、自宅で安心して働いてほしいという気持ち。
情報共有も、特別な取り組みではないと思っています。
自分自身が海外に住んでいた時に、現地の言葉を理解できず不安を覚えた経験があり、その経験から、『社員たちも困っているかも』と思った時に投稿している、というくらいです。
コミュニケーションはできるだけ複雑さを取り除き、シンプルに誰もがわかるように伝えることを心がけています。
また、在宅勤務補助手当については、大手IT企業の事例、平均的な通信費・電気代などに関する総務省のデータを参照しました。
通常時では、手当の導入には人事労務作業における工数や、税務的な扱いなど多角的に検討して、慎重に行うようにしています。
しかし、今回に関しては、まずは社員の安心を優先に導入を進めました」
普段はクールな印象の柏さん。
インタビューの中では、社員の安全を願う気持ちと、より安心な環境を提供したいという思いが強く感じられました。
最後に、社員やステークホルダーに向けたメッセージをいただきました。
「新型コロナウイルスは感染が広がりやすく、重症化すると非常に危険な状況になりうる病気です。まずは感染をしないように充分に気を付けて行動してください。
こんな難しい状況だからこそ一致団結してこの危機を乗り越えて行く必要があります。皆さんのご協力をお願い致します!」
最後までお読みいただきありがとうございます。
PNLでは在宅勤務期間中も、オンラインによる会社説明・面接を実施しています。
先行きが不透明な中、「この機会に、これから先の働き方・生き方を考えたい。視野を広げたい」そんな思いからのご連絡もお待ちしております。
まずは皆さまの安全とご健康を、心よりお祈りいたします。