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駅伝と同じくらいの熱量を注げる仕事。自分のためがみんなのためになる。そんなチームワークが理想です。

高校入学と同時に陸上を始めた。日体大に進学し、駅伝を走った。当然、目標は正月の箱根駅伝。重松が4年生のとき、チームが4位となった。しかし重松に、その檜舞台で走る機会は与えられなかった。箱根駅伝を走れるのは往路・復路合わせて10人。16人のメンバーから、その日の天候や選手のコンディション、戦略によって、出場メンバーが選ばれる。箱根を走る予定だった重松はレース当日の朝、出場機会がないことを知らされる。「悔しくなかったといえば嘘になりますが、やり切ったという想いがあり、きれいに引退できました」


就職するなら、お金を稼ぐために仕方なく会社に行く、という毎日は嫌だった。本気で夢中になれる仕事がしたい!という思いで選んだのがPlan•Do•Seeである。「面接の段階で、まだ入社していない自分に熱量を注いで真剣に受け答えしてくれました。この会社なら本気で夢中になれると感じたんです」。その印象は、入社後も変わらない。「駅伝は、走るときは自分との闘いだけど、誰かひとりでも努力を怠るとチームは勝てない。自分のために走ることが、チームにいい結果をもたらす。それはこの会社も同じだと感じています」

重松は入社後、ORIENTAL HOTELのマーケティング&セールスに配属される。結婚式以外のパーティを外部にご提案したり、イベントを運営するのがこの部署の役目。しかし、この仕事は全く望んでいたものではなかった。内定者のアルバイトで働いたダイニングでの経験が楽しくて、漠然とダイニングを望んでいる自分がいた。

実は、学生時代もアルバイトをした経験がない。だから社会で働くのは初めて。もともと人見知りしやすく、最初は相手の顔を見て話すのも苦手だった。そんな重松が営業の世界に飛び込み、目に見えないものをいかに魅力的に思ってもらい、お客様にご提案するかは至難の技だった。もちろん最初は成果が上がらない。
自信を持って商品をご案内し、お選びいただくのは、大変なこと。しかし、サービスやキッチンのメンバーがつくりあげる商品には、揺るぎない自信があった。だからこそ「なんでお越しいただけないんだろう、お越しいただけたら絶対楽しいのに!」との思いが自身の伝達の拙さと重なり、葛藤する毎日だった。

しかし、しばらくすると以前ご提案したお客様からお電話があり、商談が成立した。「楽しかった、おいしかった」という声をかけてもらい、次回の契約の確約をもらうと、一気に喜びで満たされた。「最初は面白くないと思っていた仕事が面白くなったきっかけ。このときの感動は、今でも大切にしています」

今ではぐんと視野が広がり、やりがいを感じるようになった。成果が上がると、貪欲に知識を身に付けることに邁進する。走り出したら、がむしゃらに前に向かって走る習性は、今でも変わっていない。

そんな重松は今年、北海道・ニセコにある冬季限定の店舗THE BARN by ODINでインチャージ(責任者)を務める。「ダイニングの仕事は一卓ごとにドラマがあり、サービスマンはそこに唯一登場できる人物になれる。そういう人との関わりをしてみたい」。そう話す。

同期だけでつくりあげるこのレストランは今年で4年目となり、街の認知度も評判も高い。「誰よりもダイニングという仕事への熱意があるし、接客から予算に関することまで深く掘り下げてきたと自負しています。大好きな同期の仲間と一緒にお店をやるのはとても楽しみ。だからこそ、責任者として今までにないお店にしたい」。半年ぶりに再びオープンするこのお店に、またお客様が帰ってくる。だからこそ、試行錯誤して新しい何かを仕掛け、新規顧客も呼び込み、思い出に残るひとときを提供したい。「何をやるかは、乞うご期待です(笑)」クールな表情で熱い思いを語る重松。彼がこれから刻む未来が、気になってしょうがない。



しげまつ ひさし
2018年入社。愛媛県出身。高校、大学時代は陸上部で駅伝を走った。ORIENTAL HOTELのマーケティング&セールスを担当。冬より北海道・ニセコにあるTHE BARN by ODINのインチャージ(責任者)を務める予定。


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